[vol.63] たかがハゲネタ。されどハゲネタ。ベッカムの薄毛問題から ハゲキャラのセレブを検証してみる。

ディヴィッド・ベッカムの増毛疑惑(というか、疑惑でもなんでもなく完全に植毛してんでしょう、その生え際の面積見れば!)のセレブニュースを見るにつけ、世間はハゲを容赦なくいじってくるものだと実感。ベッカムがこの道の先輩格であるルーニー化するのは疑う余地もないが、はたして妻のヴィクトリアがルーニーのように植毛施術の公開をベッカムに許すとは思えない。かつてはベッカムヘアといわれたほどにメンズヘアスタイルの先頭を走っていた彼も、40代で薄毛問題に直面とは……。

それにしても、ハゲネタがこんなに盛り上がるのは何故なのか。思うに、人は隠したがっているものをあばきたい、不自然なものを解明したいと見過ごせないのだ。なんてそんなに大げさなことじゃあないけれど、ハゲはハゲとして、進行のままにハゲをさらしたブルース・ウィリスやジェイソン・ステイサムを誰も笑ったりしない。むしろ彼らのトレードマークのハゲがセクシーだと思うファンもいる。古くはショーン・コネリー、エド・ハリス、ジョン・マルコヴィッチを、私は3大セクシーハゲなどと呼ばせていただいたくらいだ。変に小細工して、いや、今は見事に施術してハゲを隠そうとするから、逆に追及されてしまう。もっとも、イケメンキャラのジュード・ロウやジョナサン・リース=マイヤーズなんかは役柄上、ハゲキャラになるには勇気がいるのだろう。だけど、ベッカムは個人的にはあの深く刻まれた顔面のシワとともに自然にハゲになって、ショーン・コネリーのようにカッコよくなれる気がするんだけどな〜。

ハゲキャラの愛すべきスターとして忘れてならないのが、ニコラス・ケイジとジョン・ズラボルタ、おっと違ったトラボルタだ。特に出演作の多いケイジにいたっては、彼が今度はどういうヘアスタイルで現れるのかが作品のひとつの見どころにまでなっている。ハゲで客を呼べるスター。すごいことだ!

観るたびに、あらゆるハゲバージョンで私を楽しませてくれるケイジに、私は一生ついていくことを誓います!

イラストレーター&エッセイスト 石川三千花プロフィール画像
イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

https://twitter.com/michikaishikawa

 

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