[vol.64] ケイト・モス、もう肥えてもヨシっ!だって、娘のライラの将来は約束されたも同然なんだから

いうまでもなく、時代はすでに二世セレブのものである。初々しい二世セレブの少年、少女たちは、16歳頃から満を持して本格的に業界で始動することが多い。セレブなママやパパと一緒にファッションショーのフロントロウや、映画のプレミアのレッドカーペットや、ショービズ界のあらゆるイべントに同伴されて顔を売ってもらったプレ営業期間は、これでおしまい。例えば、カイヤ・ガーバーのように「シンディ・クロフォードの娘」と最初の1、2年はいわれるけれど、そのうちシンディーの方が、「カイヤ・ガーバーのママ」と逆転していわれるようになるだろう。

そこで登場したのが、スーパーモデルの中でもダントツで異端児ぶりを発揮して、今なおカリスマ的な人気を誇るケイト・モスの娘のライラ・モスだ。彼女はつい先日16歳になったとたんに、いきなりマーク・ジェイコブス・ビューティの広告塔に抜擢された。はっきりいって、もうライラの将来は約束されたも同然だろう。ママのケイトほどに顔に個性がないけれど、いかようにも化けられる透明感がある。プロの手で磨かれて、彼女がどんなふうに変化していくのか楽しみだ。ケイトママのようにパーティガール的なライフスタイルをするようになりはしないか、そのあたりも気になるところだ。

ところで、昨今のケイトママの肥えっぷりは、まだまだモード界での彼女の需要を考えると驚きだ。だが、そんなことはおかまいなく、ビーチで戯れるケイト・モス。文字通り、太っ腹!ビキニ姿のボディラインに親近感を抱かずにはいられないが、なあに仕事となったら少しは体重を戻すだろうし、どのみち今どき、写真の修整は当たり前。いかようにも加工すれば済むこと。15歳からハードにモデル業をこなしキャットウォークは卒業。子育ても一段落して、娘の稼ぎも問題なし。ケイトが禁酒禁煙でスポーツジムに通うなんて想像できない。スーパーモデルだった全員が、いつまでも痩せて若作りじゃなくてもいいじゃない。元々ケイトは異端児の魅力なんだしね。よ〜し、ケイト・モス、もう肥えてもヨシっ!

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

https://twitter.com/michikaishikawa

 

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