[vol.69] ダンゼン、ゼンデイヤ!リアーナの後を継ぐオサレクイーン は彼女で決まりでしょう

ドレスは人ではないけれど“ドレスに愛されるセレブ”は確かにいるのだ。スタイリストが用意したドレスでも、ピタッと自分の体とテイストに馴染ませて、誰よりも輝いて見える人。ゴージャスなドレスは勿論のこと、一風変わったデザインのコスチュームから白の何でもないTシャツまで、とにかくその人らしさを出しつつも、誰よりもカッコよく着こなしてしまう。リアーナはそういう、ドレスに愛されるセレブだ。そして、リアーナの後釜を担うのは、ダンゼン、ゼンデイヤだ!と、あえてカタカナつながりで書いてみる。

ゼンデイヤがLAにあるジュエリーブランドのお披露目イベンドに登場した先日。彼女はマーク ジェイコブスの鮮やかなフェザードレスで現れた。そのドレスはピンクとオレンジのオーガンジーに3段のフェザーがふんだんにあしらわれていて、まるで一気にオサレな春風を運んで来たかのような

ゼンデイヤ。淡いピンクのリップといい、まあるいハンドバッグといい、足元のピンクのルブタンといい、カンペキに彼女に似合っている!こういう軽やかだけどボリュームたっぷりのフェザーは、彼女くらいの身長(180センチ)がないとバランスがとれない。トレンドファッションを、これほど自分のものにして着こなすゼンデイヤに見とれてしまった。

ゼンデイヤはアフリカ系アメリカ人の父とオランダ系アメリカ人の母の間に生まれた22歳。ディズニー・チャンネル出身だが、『スパイダーマン:ホームカミング』、『グレイテスト・ショーマン』と映画界の話題作に立て続けに出演して、その個性的なルックスと歌って踊れる実力でめきめきと存在感を増している。黒人のルーツや自分の体型に誇りを持ち、以前、雑誌に掲載された自分の写真が勝手に修正されたのに抗議して、オリジナルの写真とその修正版を並べて公開したりした。その賢くも強い意志が顔面に表れている。そういう性格でありながら、オサレってとこがいい。今年のMETガラでのジャンヌ・ダルク風なコスチュームもかなりのインパクトを残したものだが、来年もゼンデイヤのファッションが楽しみだ。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

https://twitter.com/michikaishikawa

 

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