先週末に全米で公開されたディズニー映画『アラジン』のオープニング興行成績は8600万ドルをたたき出し、ぶっちぎりの首位をキープしている模様。日本公開を6月7日に控え、一足先に試写室で鑑賞したが、いや〜、空飛びもの(魔法のじゅうたん)で砂漠の異国ときたら、それはもう単純に画面を観ているだけで楽しい。砂漠の王国で出会った貧民の青年アラジンと、今どきの強い意志を持った王女ジャスミン。2人が魔法のじゅうたんに乗って「ホール・ニュー・ワールド」を熱唱するのは確かにディズニー的な感動頂点だが、やっぱり、魔法のランプから出てきた青いウィル・スミスね。「いよっ!待ってました!」みたいな、もう彼のエンターテイナーとしての実力とチャームが全開。パッと場が華やいで、ウィル・スミス、やっぱりスターだわ!
アニメ版の『アラジン』と違い、こちらの魔人ジーニーはウィル・スミスのパフォーマンスとあって、ヒップホップのノリの群舞が見せ場だ。スミスが歌って踊るシーンは、完全にアラジンより彼が主役って感じ。陽気で存在感がバツグンで人情味があり、周りの人間を巻き込んでハッピーにしてしまう。ガタイがいいので、キレのあるダンスも迫力満点だ。誰しもが知っている砂漠の国のおとぎ話『アラジン』だが、ウィル・スミスが出演したことで、作品はぐっとモダンでゴージャスになったと思う。
ウィル・スミスは常にマネーランキングの上位に位置するAリストのスターだ。いつもコミカルな作品ばかりというわけにもいかず、シリアスな作品で演技の評価を受けたりすると、ついそちらの方向に走ってしまいがちだ。一度、浮気がバレて円満にみえた妻ジェイダ・ピンケット=スミスからきついお灸をすえられたであろう50歳は、今では業界で活躍する3人の子どもと共に見るからに芸能一家の大黒柱だ。ファンとしては、演技力とか何とかよりも、彼のスター性を活かせる『アラジン』のような作品をまたお願いしたいものだ。