ミック・ジャガーが心臓弁膜手術後に素早く復活して、ザ・ローリング・ストーンズの北米ツアーをスタートさせた。75歳のサー・ミック・ジャガー、長きに渡って、さすがはエクササイズの達人だ。体力の衰え知らずに驚かされる。しかーし、私が注目したのは、ステージのミックの傍らでいつの間にかトレードマークの額のバンダナを取っ払って、長いデコをむき出しにしたキース・リチャーズだった。キースに何が?そして、ロッカーの衣装について考えてみた。
ストーンズ・サウンドの支柱、キース・リチャーズはミックと同い年の75歳。若い頃の酒、たばこ、ドラッグがたたってか、顔面に深く刻まれたシワと縁取りした目周りがヤワなロッカーではないことを物語っている。ジョニー・デップが敬愛するキースをイメージして、あたり役のジャック・スパロウの役作りをしたのは有名な話だ。だが、いかにも荒くれな伝説の海賊然としたキースも、今ではソフト帽などをかぶれば、あら、エレガント!それもただのエレガンスじゃなくて、人生の重みを経験した人間が醸し出す味わい深いエレガンス。しかし、ここにきて何故ステージで額のバンダナ巻きを辞めたんだ?
ロッカーだって歳をとれば髪の毛がなくなる。それをワイルドに隠せるアイテムとして額のバンダナが存在するわけだ。今は亡き内田裕也だってそうだった。ところが、バンダナ巻きで縦に長くなった額を隠すなんて、老齢のロッカーからしたら小細工なんでしょうね。もうムキダシで勝負できるのが最強。この顔だけで自分十分。ミックも復活して、ロックレジェンド、ストーンズの最終章の始まりなわけですよ。首や腰につけたジャラジャラやヒラヒラもぐっと少なめで、スネークスキン・ジャケットがシブかっこいい!第一ねー、首のジャラジャラなんて重たくて邪魔で、汗なんかかいたら最悪なのよ。それをかっこつけて我慢するのは、まだ若い証拠。いつかデップもジャラジャラを卒業する日が来るのだろうか。