[vol.114] ヘザー・グラハム。故ヒース・レジャーとの写真で話題を作るより、本業で頑張ってくれい!

このところ、やたらと自撮りの水着姿やヌードに近い下着姿をSNSにアップしている女性セレブが多い気がする。コロナ禍でメディアへの露出が減っているせいか、または巣ごもりトレーニングの成果が出た身体を披露したいのか、見せたがりやが一様にスマホをおのれに向けてポーズして、それを鏡で写してインスタにアップ。見せるのが商売ですから、まあ仕事熱心と言えなくもないが、正直、自分が人に見せたがるものほど、そのセレブのファンの方以外はさほど見たいとも思っていないんですよね。

 

そういう見せたがりやと少しニュアンスが違うけれど、ヘザー・グラハム(『ブギーナイツ』、『キリング・ミー・ソフトリー』)が20年も前に一時期つき合っていた故ヒース・レジャーとの頬寄せ合う2ショットの写真をインスタで公開した。「この写真を見つけて、思い出しているところよ。ヒース・レジャーは特別な人だった」とコメントつき。そりゃあヒース・レジャーは映画界にとっても特別な人だった。亡くなってから『ダークナイト』でアカデミー賞の助演男優賞を受賞した今や伝説の俳優だ。そういう俳優と短い間でもロマンスがあったのは、ヘザー・グラハムの誇りでもあっただろう。でもねー、ヒース・レジャーを父親とする思春期の娘が現実にいるわけですよ。そして、その娘の母親であり、ヒースと婚約していた(娘が誕生して約2年後に婚約解消)ミシェル・ウィリアムズや、ヘザーと別れた後に交際していたナオミ・ワッツ等の誰1人として自分からヒースとの2ショットのプライベートな写真を公開などしていない。

つまり、特別な思い出なら、なぜ自分だけの秘事に留めておけないのだろうということだ。本当に大切な人であればあるほど、無防備に大衆の前に晒したくないと思うのが普通の感覚だという気がする。ヘザー・グラハムは可愛くてグラマーな容姿で、潔いラブシーンも厭わないことから売れっ子だったが、40代は苦戦していた。51歳になった今、紆余曲折を経た彼女が俳優としてどう進化しているのか見てみたい。

 

 

 

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

https://twitter.com/michikaishikawa

 

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