ジョニー・デップ #24

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『オリエント急行殺人事件』より ©Everett Collection/amanaimages

「どうせ悪役を演じるのなら、とことんイヤな奴にしたい。“実はこういう事情があって悪いことをしていた”という言い訳がましい役じゃなくて」。かつてこう語っていたジョニー・デップ。例として、『黄金』(’48)のボギーことハンフリー・ボガードや、「スターなのに迫力がある」とリチャード・ウィドマークの名前を出していたが、偶然か必然か。43年ぶりにリメイクされた『オリエント急行殺人事件』 でジョニーが演じている“被害者”の実業家ラチェットを前作でやったのがリチャード・ウィドマークだった。嫌われ者を本当に楽しそうに演じていて、クセになってしまったのでは? とファンは不安になるほど。でもオールスター・キャストでも埋もれないのはさすがか。

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 直接的なからみは少ないが、『オリエント急行殺人事件』では、名女優ジュディ・デンチと『ショコラ』(’00)以来の共演を果たしている。ジョニーとデンチは、以来相思相愛で「ロンドンでジュディの出ていた舞台を観に、パリからユーロスターでかけつけたよ。案外、普通にしていると見つけられないものなんだ(笑)」と、意外なフットワークの軽さぶり。ただデンチが「私、ジョニーとヴィン・ディーゼルの大ファンで、食器棚の扉の裏に2人の写真を貼ってあるわ」と教えてくれたとジョニーに告げると、「ヴィン・ディーゼルも!?」と少し不満気。男心って複雑なのね。

 昨今ネットニュースなどで取り上げられているジョニーの破産騒動。世界中に家が14軒あるとか、1ヶ月のワイン代が何百万円とか、凄い数字が並んでいたが ジョニー本人は「根がアメリカの田舎者だからさ(笑)」と、今もコーラとハンバーガーが一番という風情。あのドタ靴だって、いっつも同じだし。

 「確かにお金は入ってくるようになったけど、ジョニーには『ファンタズム』を絶対映画化したいという20年来の夢があるし、私も何とか実現させたいと思っているのよ」とは、ジョニーの実姉で付き人兼映画プロデューサーのクリスティーン・デボウスキーの発言。その夢を、あえて自らこわしちゃうようなバカな真似はしないと思うけど。ちなみに『ファンタズム』は、刑務所脱獄をテーマにした、『ミッドナイト・エクスプレス』(’78)のように男くさい物語だとか。観たい!

 「別に嫌いになって別れたわけではないから、ヴァネッサ(・パラディ)とは今も友だちだよ」。
 いくらジョニーの言葉とはいえ、正直、あまりにきれい過ぎないかな、と思っていたら、思いがけないところからこれが真実であると証明された。例のアンバー・ハードから「DVを受けた」と告発された時のこと。何とヴァネッサが直筆で「ジョニーはそんな人ではない!」とステートメントを出したのだ。
「ヴァネッサの出演映画『カフェ・ド・フロール』(’11)は良かったよ。彼女もいい形で仕事が出来て、イキイキしていたし」と言っていたジョニー。「僕を父親にしてくれたことに関しては、ヴァネッサに感謝しても、したりないよ」は本音だろう。

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ジャーナリスト佐藤友紀

映画や舞台、ダンスに造詣が深く、独自の視点で鋭く切り込むインタビューに定評が。ジョニー・デップから指名されることも多々。

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