KEYWORD1:ハイパー・エクレクティシズム
わかりやすいアイコンやディケイドをあげるだけのトレンドキーワードが成立しにくくなってきた昨今。いろんな要素を引っ張りだしてスタイルをミックスするにしても、問われるのはネタ元の豊富さと切り口の意外性、モチーフを組み合わせるセンス。その意味で飛び抜けて面白いのはグッチでした。花や動物柄、トロンプルイユやカリグラフまで、過剰なテイスト同士を掛けあわせまくって作りあげられたキメラの数々。こんなの見たことないと思うと同時に、どのルックも不思議に懐かしく、ノスタルジアをかきたてる。
KEYWORD2:デヴィッド・ボウイ
このアンケートに回答しているのはデヴィッド・ボウイの訃報に接したばかりのタイミングですが、これより先、おそらく16年秋からコレクションにはボウイ・オマージュが多く登場し、スタイル・リバイバルが起こることでしょう。そこで「もしアラジン・セイン期のボウイが今季ウィメンズの服を着るとしたら?」と勝手に問いを立てて思いを巡らせた結果が、このロエベのシースルールック。スペーシーでスキャンダラス。ジョナサン・アンダーソンも北アイルランド出身とはいえ、デヴィッド・ボウイと同じく英国人だし。
KEYWORD3:アスレジャー
スポーティであっても、単にエフォートレスなだけでは飽きたらなくなってきているのは事実。友達と集まって酒を飲めば、健康の話ばかりになってしまう今だからこそ、もっとシリアスなアスリートっぽさが欲しい。クロエのシルク製ジャージ上下は「アスレジャー」ルックの中でも、世界最高クラスにリュクスであり、かつハイブランドならではのハズシが効くのもいい。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のチャス(ベン・スティラー)っぽいダサ可愛さもツボ。
編集長・山崎
2016年春夏シーズンはニューヨークとパリへ。コレクション取材に行くときは、ショーのBGMを調べるためのShazamと買い物用外貨換算アプリをiPhoneホーム画面のベストポジションに配置します。