NY、ロンドン、ミラノとやってきてコレクションサーキットもついに終盤へ。初日の目玉となったのはディオール。今季の着想源はアーティストのニキ・ド・サンファル。彼女の作品をあしらったニットや、アイコニックな市松模様などがそこかしこに。女性へのメッセージを胸にあしらったカットソーは、今季も健在。
初日の夜のサンローランのショー会場は、エッフェル塔が目の前にそびえるロケーション。キラキラと輝くエッフェル塔の前をモデルたちが闊歩する仕掛け。マラケシュ&パリにテーマを絞ったのは、最近この地にイヴ・サンローランのミュージアムがオープンした影響か。
ラコステはNYを離れて、今季初めてパリでコレクションを発表。ブランド85周年を祝福した。前回の秋冬が記念すべきショー100回目だったドリス ヴァン ノッテンは、さらなる進化を見せる。20年代から80年代までのあらゆるスタイルを自由にピックアップしてコラージュ、オプティミスティックな女性を描いた。
今シーズンはデザイナーの交代も多く、新デザイナーが見せるコレクションにも注目が集まった。コレクション前半戦ではランバン、クロエ、カルヴェンの3ブランド。ランバンは、フランス人デザイナーオリヴィエ・ラピドス氏がアーティスティック・ディレクターに就任して初のコレクション。「LANVIN」のロゴがびっしりとあしらわれたプリントのドレスや、バッグが目を引いた。
クロエの新ディレクターはナターシャ・ラムゼイ・レヴィ。ルイ・ヴィトンで経験を積んだ彼女が見せたのは、メゾンのコードを踏まえつつも、従来より強くて現代的な女性像。メタルリングのディテールや、目、ヘビ、馬のモチーフなども。
カルヴェンのセルジュ・ルフューはディオールのデザインチームを率いていた人物。“新しいパリ”を物語の舞台に、エレガントなムードにスポーツやサファリなどの要素を自由にミックス、フレッシュなパリジェンヌの姿を描いた。
空港にいるかのようなアナウンスからショーが始まったのはメゾン マルジェラ。ふとした瞬間に見えてくる「アンコンシャス・グラマー」をキーワードにトラベルスタイル、風呂上がりのバスローブスタイルなどを再解釈。ふかふかの枕のような「グラム・スラム」は新たなitバッグになりそう。
EDITOR'S MEMO
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毎回趣向を凝らしたランウェイで知られるリック・オウエンス。パレ・ド・トーキョーの会場に着くと、席にはブランド名をプリントした黒いビニールのポンチョが置いてある。ランウェイは中庭の池を囲むように作られていたのだが、ショー中盤からその池から巨大な水柱が噴出!! モデルのみならず、客席もびしょ濡れに。一瞬、ここは水族館のイルカショー会場かしらん……と思う出来事でした。
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ケンゾーのショー会場に登場したのは、なんと「ヤマタノオロチ」! 広島からこの日のためにやってきた神楽団体のメンバーのみなさんによるもの。ダイナミックなパフォーマンスがショーを盛り上げた。