リアリティとファンタジーが交錯する、ミラノコレクション。中でも今シーズンは、確固たるアイデンティティを持つビッグメゾンが示す、次世代への展望を垣間見ることができた、希望に満ちたショーが多数。年明けまで待てない「今着たい」ウィッシュリストを、現地から届いた『SPUR』エディターのレポートでチェックして。
【エムエムシックス メゾン マルジェラ】ジョン・レノンとオノ・ヨーコへオマージュを捧げた、甘美なるリフレイン
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ジョン・レノンとオノ・ヨーコの「ベッド・イン」から50年。センセーショナルなパフォーマンスを起点として、フォーマルとカジュアルなど正反対の要素を掛け合わせたエムエムシックス メゾン マルジェラ。結婚式を思わせるシチュエーションで、一人一人異なる音楽を放つスピーカーを持ちながらモデルが神出鬼没に現れます。ちなみに現在発売中の『SPUR』2019年11月号には、「ベッド・イン」にインスパイアされたストーリーが。オノ・ヨーコさんとも交流のある加藤登紀子さんの貴重なインタビューも掲載しています。
【フェンディ】故カールに捧ぐ、夢に溢れたコレクション
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カール・ラガーフェルドなき今、シルヴィア・フェンディが一人でフィナーレに登場したとき、会場はあたたかな歓声に包まれ、心からブラボー!と叫んでいました。可愛さ、ときめき。爆発していました。レトロなフラワー柄、ファンシーカラーのキルティング、キラキラビーズのちびちび “ピーカブー”…ローファーにはソックスを合わせ、ナローなファーショールをコートの裾からちらりとのぞかせ、アンダーラインにはシークインが輝いて。アイテムも、ちょっとしたディテールも可愛すぎてドキドキしました。ファッションの夢ってこういうことだなあと。
【ミッソーニ】折衷主義でフレッシュに見せる60年代スタイル
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プールサイドで開催されたミッソーニのショー。ブランドの象徴であるジグザグのニットを、フローラルモチーフやストライプを組み合わせて、折衷的な60年代スタイルを作り上げました。日本でもファンの多いブランドだけに、フロントローでも日本人のセレブリティがちらほら。アメリカのオーディション番組に出演し、世界的に話題を集めるゆりやんレトリィバァさんから、感激コメントをいただきました!
【グッチ】アレッサンドロ・ミケーレによるグッチ第2章へ
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ガガガガガー、とシャッターが上がる騒音とともに始まったグッチのランウェイ。冒頭クローンのような白装束のモデルたちがエスカレーターで運ばれていきます。?マークが脳内を占める中、突然の暗転。そしてショーが始まりました。不穏と興奮がないまぜになった私たちの前に登場したのは、美しいシルエットのミケーレ流ミニマルな洋服の数々。「#GUCCIORGASMIQU」 がひとつのキーワードになっていましたが、ニューエナジー、ニューワールドという意図を込めた言葉だそう。究極の折衷主義が第一幕だとすれば、トム・フォード時代を思わせるラインとフェティッシュさを復活させたこのコレクションは、ミケーレ劇場の第二幕。新たな地平に連れて行ってくれるグッチからますます目が離せません!ちなみに冒頭の白装束の販売はないそうです。