注目トピックスが満載の秋冬。ハイライトからそれぞれ気になった小ネタまで、モードインサイダーたちの視点を通して深掘り
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ジャーナリスト 市川暁子/ライター・エディター 大杉真心/ライター 栗山愛以/ジャーナリスト マスイユウ/ジャーナリスト 森 光世/SPUR編集長 並木伸子/SPUR副編集長 衣笠なゆた/SPUR編集 S・H・R
世界観を拡張するコラボレーション
異なる分野のアーティストや企業などと協働した演出にも、ブランドの個性が光った。ルイ・ヴィトンは「特殊な3D音響のセットが話題に。まるで街中に佇んでいるかのようにさまざまな方角から音が」(並木)。
ディーゼルの会場には20万個のDurexのコンドームが積まれ「強烈なインパクト! ショー後には世界の各店舗で配られたとのこと」(大杉さん)。
ADEAM ICHIのランウェイではミュージシャンのMIYAVIが圧巻のギター演奏を披露。「モデルとして歩く姿も印象的でした」(編集S)
展示会で震えたブランド
間近でアイテムに触れるからこその発見や驚きが。スキャパレリは今季、レディトゥウェアをお披露目。「ブランドらしいアイデアを、リアルに落とし込んだコマーシャルアイテムも豊作でした。シュールな意匠のボタンがついたカーディガンや、大ぶりなコスチュームジュエリーが狙いめ」(並木)。
逆にウェアラブルに見えながらも、卓越したメゾンの技を改めて実感できたのが、ディオール。「シワ加工やビーズの装飾、花の刺しゅうなど、クチュールテクニックが圧巻。力のある服に感動しました」(並木)
マーク ジェイコブス"3分のショー"の裏側
6月26日夜に開催されたランウェイの舞台は、ニューヨーク公共図書館。「120人ほどのゲストが期待感に包まれる中、モデルが足早に次々と登場。通常はひとりずつ歩くところ、一気に現れ、40mほどの回廊を一往復してフィニッシュ! 訪れた人々もしばし唖然としました」(森さん)。衝撃的な演出の一方で、服は「クレア・マッカーデルのロンパースをモダンにアレンジしたり、コルセット・ビスチェにブルマを合わせたり。若々しさとマークらしいグランジのミックスが素敵でした。特にドレープやギャザーといったクチュールテクニックは秀逸!」(森さん)。ショーノートはChatGPTで生成するなど、加速する社会やテクノロジーに服づくりを通して向き合ったシーズンに。
やっぱり気になる靴&バッグ
"ウェアラブル"がキーワードとなった今季。リアルクローズをモダンにアップデートする、キャッチーな小物も見逃せない。「服はシック、それが退屈にならないよう小物にトレンド感やインパクトを担わせるのは、日常的に取り入れやすいバランス。争奪戦必至の靴やバッグをいくつも見かけました」(並木)。
バッグはアクセサリーのようなものからビッグサイズまで、靴もブーツやパンプスなどバリエーション豊富な顔ぶれに。「イットな存在感のものが多く、それでいて画一的でない。小物を選ぶのが楽しい季節の到来です!」(編集H)
スリークなヘアが描く、モダンウーマンの肖像
フラッフィーなヘアが多く提案されていた前シーズンから変わって、濡れた質感で仕上げたタイトなスタイルが主流に。「芯の強さとたおやかな魅力、どちらも感じるルックスは新しい時代を生きるモダンな女性像に重なります。肩肘張らず、でも力強く新しい時代を進むイメージ。実はカジュアルからエレガントまで幅広いスタイリングに似合うので、個人的にもマスターしたいです」(編集R)。
スリークといえど、無造作感を出したヘアからクリーンにまとめたものまでブランドごとに異なる提案をしていたのも興味深い。「一方でドライでナチュラルなヘアも目立っていましたが、デイリーにマネしやすいのはこちら。秋冬はクールなまとめ髪が街に増えそう」(編集S)
注目の若手ブランドは"アップサイクル"がキーワード
モードインサイダーたちの注目は、環境に配慮した服づくりをする若手。"アップサイクル"で知られる DURAN LANTINK が、今シーズンよりパリでランウェイデビューした。「今までに比べ本格的な服づくりが見られた今季。リュックをアップサイクルしたボディスや、インパクト大のバルーンシルエットなど、アイデアに圧倒されました」(マスイさん)。
「気になったのは、 中国出身のデザイナーによるZIMO。毎回環境や文化、伝統など社会的な視点を服に落とし込んでいて、今季は"Hoarderism=ため込み"をテーマに、郷愁や愛着を感じさせるデッドストックやヴィンテージを再構築していました」(森さん)。
ロンドンのCONNER IVESもアップサイクルを強みにする気鋭デザイナー。「来場者もブランドの服を着ていて、さっそくコアなファンを増やしているようです」(大杉さん)
ランウェイを盛り上げたのはレジェンドモデルたちのカムバック
過去に一世を風靡したトップモデルたちがランウェイに返り咲き、大きな話題に。長年のキャリアで培った堂々たるウォーキングでファッションウィークに華を添えた。「10代から60代まで。幅広い世代のモデルが登場するショーは、現代の考え方に即していて好感を持った人も多いはず。年齢に基づく固定観念や偏見、"エイジズム"にとらわれない強さや美しさを表現したいブランドが増えたことの表れでしょう」(大杉さん)。
「アナ スイのショーに登場したジェシカ・スタム。エレガントな大人になったけど、可愛さも残っていて……。客席にいたマーク・ジェイコブスが、大声でジェシカに掛け声をかけ拍手をし、彼女を盛り立てていたのもほほえましかったです」(森さん)





























