視線を奪われて、目が離せなくなってしまう。 注目の才能×モードの化学反応を楽しむ当連載。 今号は、ドラマや映画に多数出演し、さらなる 可能性も秘めた、細田佳央太にフィーチャー
ロンドンのモッズやスキンズのカルチャーに由来するドンキージャケットを主役に。現代的に着るなら、ドレッシーな表情のTシャツと、ゴブラン織りのパンツを合わせて。短めのネックレスでエレガントに。
しなやかな感性をもって、前進する
「髪をストレートにおろすのも、ネックレスを二重につけるのも初めて。普段身につけないアイテムばかりで、自分は本当にファッションに疎いんだなと知ったし、贅沢なことをさせてもらっているなという気分になりました」
そう感想を口にするのは、俳優・細田佳央太。世代屈指の演技派は、パブリックイメージを覆すモッズ・ルックも、まるで演じるように自らに引き寄せる。
「今一番興味があるのは、アクセサリー。シンプルなスタイルでもリングをつけているだけで華やぐし大人に見える。せっかく買うなら、いいものを選びたくて。いつかカルティエあたりを身につけられたらなと憧れています」
ドラマ「家庭教師のトラコ」では、お笑い芸人を目指す高校生・上原守を演じた。
「映画よりもテクニカルなことを求められるのがドラマの世界。自分が映っているわずか数秒でどれだけ面白いお芝居ができるかが重要です。そういう意味でも(母親役の)鈴木保奈美さんはすごい。顔の筋肉の使い方が本当にお上手で、片目だけきれいに上がるんです。どうやったらこんな技ができるんだろうって、モニターチェックのたびにこっそりまねして勉強させてもらっていました」
現在20歳。そのきらきら輝く瞳には、無数の夢と未来が映っている。
「以前ご一緒したスタッフの方がアメリカで仕事をされたことのある方で。お話を聞いて面白いなと思ったんです。日本とは台本の書き方も撮影スタイルも労働環境も全然違う。チャンスがあるなら僕も海外で仕事をしてみたいですね」
また、いずれ自らが映画を撮るという夢も胸に抱いている。
「こういうシーンを入れたいなと思いついたら、携帯で脚本を書いて保存しています。やりたいのは、日常を描いた作品。僕自身が日々生きている中で感じる疑問を題材に、自分なりの答えを映画の中で提示できたら」
温和な笑顔に秘めた、鋭い感性。細田佳央太はやっぱりタダモノではない。
SRUR.JP限定! 細田佳央太さんをもっと知るQ&A
Q. 『家庭教師のトラコ』で高校生を演じていた細田さん。細田さんの青春っぽい思い出といえば?
テスト終わりにファミレスでダベッたことです。まあ、全員男子ですけど。でもなんかそれがいちばん楽しかったんですよね。最長で5時間くらいいたかな。昼過ぎにテストが終わって、夕方から事務所のレッスンがあったので、それまでずっといるみたいな。だから、あえてみんなバラバラに時間を置いて注文していました。まとめて注文すると、食べたら出ていかなきゃいけない雰囲気になるじゃないですか。なので、単品を少しずつ頼んで、お店にいていい権利を稼いでいました(笑)。
Q. 20歳になりましたが、お酒は何が飲めるようになりましたか。
基本、甘いお酒が中心です。ワインはダメ、ビールもあんまり好きじゃない。テキーラとかウイスキー系もアウト。ってなると、レモンサワーとか、カクテルとか、そういうものしかないんですよね。今のところお酒が好きというよりは、みんなでお酒を飲んでいる空間が好きです。それこそ仕事の話もするし、悩み相談もするし、そういう時間が楽しいですね。
Q. 仲良しの鈴鹿央士くんとは飲みに行きましたか。
行きました。と言ってもお店ではなく、央士くんのお家にお邪魔してですけど。夜の23時ぐらいから朝の5時までずっと喋ってて。大学生っぽいなって感じがしたし、楽しかったです。
Q. この連載のタイトルは「タダモノじゃない彼」。細田佳央太のタダモノじゃないところは?
汗っかきなところ。そこは誰にも負けないと思います(笑)。撮影の現場に着くと、まずは汗を乾かすところからスタート。だから舞台とかやったらヤバいと思います。以前言われたことがあるんですよね、「汗を顔にかく人は役者に向かない」って。でも、汗を止めることなんてできないので、だったら汗をかきまくるいい役者になってやろうと思います(笑)。
Profile
ほそだ かなた●2001年、東京都生まれ。2019年、『町田くんの世界』で映画初主演を務め、一躍注目を集める。ドラマ「家庭教師のトラコ」に出演。10月21日より映画『線は、僕を描く』が公開予定。