2023.02.08

【韓国最新エンタメ】多種多様な恋愛模様にハマる!? 『脱出おひとり島2』から『イルタ・スキャンダル』まで、話題の4作品をレビュー!

韓国の大人気恋愛バラエティショー『脱出おひとり島』のシーズン2や、現在マニアの間でジワジワと人気を集める『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』など、バレンタインにこそ観たい(!?)、驚きの展開で繰り広げられる人間模様と恋愛ドラマ、そして仕事の活力になりそうなヒューマン作品をぜひチェックしてみては?

最新韓国ドラマ Netflix チョン・ギョンホ イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜
Netflixシリーズ『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』独占配信中
最新韓国映画 Netflix 20世紀のキミ キム・ユジョン ピョン・ウソク
Netflixシリーズ『20世紀のキミ』独占配信中
最新韓国ドラマ 『今日のウェブトゥーン』  アマゾンプライム キム・セジョン
『今日のウェブトゥーン』 原作/松田奈緒子「重版出来!」(小学館刊) ©SBS ©Naoko Mazda/Shogakukan Prime Videoにて独占配信中

【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。

韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約20年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手俳優の発掘が趣味の領域に。

『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』/“王道”にエッセンスを加えた大人のラブコメ!

最新韓国ドラマ Netflix チョン・ドヨン イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜
Netflixシリーズ『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』独占配信中

またしても、邦題に惑わされてはいけないシリーズが誕生です。原題は『イルタ・スキャンダル』。韓国では人気の講師を「일타강사(イルタカンサ)」と呼ぶのですが、これは数字の1を意味する「일(イル)」と、スターと講師の言葉を掛け合わせた造語。『社内お見合い』がティーン向けのラブコメ大成功例だとすると(大人でもハマりましたが)、もっとも〜っと大人の恋愛物語。ベースの部分は王道ラブコメでありながら、韓国特有の教育論争の視点を取り入れ、講師、大学受験を控えた高校生、そしてその親を取り巻く環境をドドドンとリアリティたっぷりに表現していくと。『海街チャチャチャ』の監督と通称『恋のゴールドメダル』の作家のタッグとあって、話の進み方やテンポ、リズムがよく、1話目から楽しめます。“海チャ”の出演キャストも多く、脇を固めるアジュンマ(おばさん)や話題の若手俳優ノ・ユンソなど、高校生たちのキャスティングもいい!

江南の塾街を舞台に、世間一般から見たいわゆる「いい大学」に入学するために翻弄する受験生と教育ママが本作の大きな軸。大評判のイルタカンサことチェ・チヨル(チョン・ギョンホ)の授業を受講するためには親が朝から並んで整理券をゲットする必要があるとかなりの根気勝負で、もはやどちらが試験に挑むのか分からないほど、受験は親と子の二人三脚という社会が浮き彫りに。化学調味料を使用しない心身にやさしい惣菜屋「韓国代表 惣菜店」を営むナム・ヘンソン(チョン・ドヨン)は、姉が置き去りにした姪ナム・ヘイ(ノ・ユンソ)の「母親」として10年以上育てているわけなんですね、ハンドボールの国家代表選手という肩書を捨てて。「どうしても数学だけチヨル先生に習いたい」という受験生ヘイの望みを叶えるべく教育ママの道を歩むことになり、韓ドラあるあるアクシデントでチヨルと出会うわけです。

で、彼は彼で大人気のイルタカンサでありながら、とあるトラウマを抱えて摂食障害に。そんなチヨルが唯一食べられるのがヘンソンの料理と、この理由はずーっと昔の出来事が関係しているのですが、兎にも角にもチヨルの言動が愛らしく、そしてご飯欲が掻き立てられる! ギョンホの食事シーンは『賢い医師生活』やバラエティ番組のイメージが強いですが(笑)、本当においしそうに食べるんですよね。大人の恋と食事、そして現代社会の闇をバランスよくちりばめる構成力、すべてのハーモニーが交わってユニークな作品に仕上がっています。(エディターK)

最新韓国ドラマ Netflix チョン・ギョンホ イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜
Netflixシリーズ『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』独占配信中

『脱出おひとり島』/大人気恋愛バラエティショー、待望のシーズン2

Netflix 脱出おひとり島 シーズン2
Netflixシリーズ「脱出おひとり島」シーズン1~2独占配信中

昨年末、周囲の韓流仲間でもちきりだったのがこの番組。NetflixTOP10の常連だったので、視聴した人も多いのではないでしょうか。そう、ドラマではありません。実はみんな大好き恋愛リアリティショー。「地獄島」と呼ばれる孤島で、真実の愛を求めて集まった男女(最初は年齢も職業も明かされず、見た目と性格だけで勝負)が共同で生活しながら、両想いになれば、その日だけは「天国島」の夢のような豪華ホテルで一夜を過ごすことができるのでありますが、次の日は同じ人を指名できないとか、ゲームに勝った人のみ選択権があるとか、シンプルだけど、ちょっぴりエグめなルールが隠されていて、真実の愛を求めてそれはそれはくんずほぐれずするわけなのでございます。

で、そのこじれにこじれる愛の展開が見どころではありますが、それ以上に改めて学ぶことも多く。例えば、シーズン1のジアちゃん(番組終了後も色々物議を醸したシーズン1の目玉的存在)。マッチョなイケメンたちが軒並みかしずいちゃういかにもな“お嬢”的ビジュアル&キャラなのですが、もう、自然に身についた恋の手練手管(さりげに褒めたり、さりげに優しくしたり)が盗めるものなら盗みたいほど素晴らしく。ということで、楽しみにしていたシーズン2は、個人的にはシーズン1以上の面白さ。特に、改めて学んだのは、人の表情の思いの外の雄弁さ。初日の夜には、それぞれ気になった異性一人にメモを送る(無記名)というルールがあるのですが、当然、複数からもらう人もいれば、誰からももらえない人もいるわけです。で、メモの有無に関しては各自喋ってはいけないことになっていて、でも、やっぱり表情が物語っちゃうのですね〜。メモをもらった人は自然に笑みがこぼれちゃうし、ゼロだった人は、笑顔を見せながらも油断するとつい沈んじゃったり、とか。

昔から“もらえない”派だった私は、わかるなあ、その複雑な気持ち、なんて共感もバリバリ。さらに、幸せにはなれないとわかっていても危険なヤツに惹かれちゃう女心とか、意中の人に振り向いてもらえず絶望するも、他の人からの告白でちゃっかり立ち直っちゃうとか、振られても振られても思い続ける“一途”の底力とか、ドラマ以上に当然ですがリアルで、そしてドラマチック。で、不覚にも私、MCのイ・ダヒとともに、最終回で思わず感涙。カップルでぜひ。あーだこーだ言いながら盛り上がること必至です。(さすらいのライター山崎)

Netflix 脱出おひとり島 シーズン2
Netflixシリーズ「脱出おひとり島」シーズン1~2独占配信中

『20世紀のキミ』/大好きな人と見てほしい、淡い初恋

最新韓国映画 Netflix 20世紀のキミ キム・ユジョン ピョン・ウソク
Netflixシリーズ『20世紀のキミ』独占配信中

ドラマではなく映画です。視聴時間はわずか2時間ちょっと。たったそれだけで、きゅーっと締め付けられる切なさと清らかな甘さの心地いい余韻がずっとずっと。だから、バレンタインには、大好きな人と見てほしい。テーマは「初恋」。韓国では、通称『応答せよ』シリーズ以降、現在から過去を遡るエモい構成のドラマが人気を集めていますが(昨年の名作『二十五、二十一』もそうでしたね)、これもそのタイプ。放送局で働くヒロインのボラ(ハン・ヒョジュ)の元に1通の封書が届くところから始まります。封書の中身は高校時代の忘れようとして忘れられない思い出の品。ということで、場面は一気に1999年へ。

心臓手術で渡米する親友のヨンドゥ(ノ・ユンソ)から同じ高校に通う男子に恋をしたと打ち明けられたボラ(キム・ユジョン)は、彼女がいない間、その男子をリサーチして情報を送る約束をします。手がかりは、名札にあったペク・ヒョンジンという名前だけ。そして、見つけたヒョンジン(パク・ジョンウ)の行動を観察するうちに、ボラは彼の友人のウノ(ピョン・ウソク)に次第に惹かれていくのですが、そんな中、親友ヨンドゥが帰国して……という展開。これだけで、後のストーリーの予想がつく方も多いのではと思います。ボラの初恋にぎゅーっと絞った物語は、展開もモチーフもとってもシンプル。もちろん、目新しさもありません。でも、だからこそ、ボラの初々しい心に一点集中です。

とにかく、ボラを演じるキム・ユジョンが愛くるしすぎる。ほぼほぼすっぴんの顔を、心地いいくらいこれでもかと崩しつつ、必死で友のために情報を探すさまは、見ているだけで微笑ましい。この映画で初の一番手となったピョン・ウソク(ウノ役)もハマり役。モデル出身の長身と甘いマスクに、後を引かずにはいられないちょっぴり寂しげな存在感。『私たちのブルース』や『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』などで注目を集めるヨンドゥ役のノ・ユンソもやっぱり上手い。そしてそして、キム・ユジョンとハン・ヒョジュです。このコンビ、あの名作時代劇『トンイ』と同じ組み合わせ。それだけでも韓ドラファンとしては嬉しいのですが、この二人の相乗効果が素晴らしく。ゆえに、ラストのハン・ヒョジュの表情で号泣せずにはいられないという。ちょい役特別出演の垂涎のキャスト群も必見。(さすらいのライター山崎)

最新韓国映画 Netflix 20世紀のキミ ピョン・ウソク
Netflixシリーズ『20世紀のキミ』独占配信中

『今日のウェブトゥーン』/笑って泣いて、心温まる良作ヒューマンドラマ

最新韓国ドラマ 『今日のウェブトゥーン』  アマゾンプライム キム・セジョン
『今日のウェブトゥーン』原作/松田奈緒子「重版出来!」(小学館刊) ©SBS ©Naoko Mazda/Shogakukan Prime Videoにて独占配信中

本作主演のキム・セジョンは通称プデュからのワンピックなので多少(いや、かなり?)の贔屓目とはいえ、彼女の持つエンターテイナーとしてのパワーって凄まじいと思うんですよ。かの『社内お見合い』でお気づきかと思いますが、喜怒哀楽の表現が本当に豊かで、直向きに真っ直ぐ突き進む役がめちゃくちゃハマるんです。本作もまさに。日本の大人気漫画『重版出来!』の韓国版とあって、セジョンはじめ演技派俳優がゴロゴロと出演していることに加え、舞台がウェブトゥーン編集部になっていたり、得意の食事シーンがふんだんに盛り込まれていたり、韓ドラならではの味を薫らせている。他の3作に比べてラブ要素が少なく “バレンタイン”感は薄いやもしれませんが、パートナー、家族と観たいポイントが目白押しです!!!

ケガにより、柔道の韓国代表選手としての道が絶たれたオン・マウム(セジョン)。韓ドラ節の効いたミラクル法(笑)で就職したのが、大好きだったウェブトゥーン漫画のNEON編集部。これまでの人生は柔道一筋だったために社会人経験はなく、最初こそ「大丈夫か?」と心配されるものの、マウムの計り知れないエネルギーとポジティブさに、社員はもちろん作家からどんどん信頼されていく過程も爽快で、「頑張れ〜〜」と応援してしまうのが推し活みたいで楽しいのですよね。とはいえ、同じく新入社員のク・ジュニョン(ナム・ユンス)の葛藤も見ていて切ない。超優秀ながら別部署を希望していて「漫画なんて知らん」状態で配属されてしまい、熱量がなかなか入らなかったり、マウムと自分を比べてしまったり。何のために働くのか、何をして働きたいのか。「仕事」と向き合う良いきっかけになりますし、それが決して重たくないのがミソ。職場の先輩たちとの結束力に胸が熱くなり、マウムに柔道を続けてほしかった父の想いに涙し、母妹との絆にほっこり!

ただ正社員と契約社員の枠組みに苦しんだり、過去のしがらみが絡んできたりと、現代社会への問題提起もしている点がやっぱり心打たれる要因であり、良作なヒューマンドラマのスパイスになっている気がします。んでもって忘れてはいけないラブ要素ですが、常套句ながらまんまとときめく「同期or先輩」問題ですよ。これが、忘れた頃にいい塩梅でスルリと物語に入ってくるので想像以上に萌える……騙されたと思って観てほしい!(エディターK)

最新韓国ドラマ 『今日のウェブトゥーン』  アマゾンプライム キム・セジョン
『今日のウェブトゥーン』 原作/松田奈緒子「重版出来!」(小学館刊) ©SBS ©Naoko Mazda/Shogakukan Prime Videoにて独占配信中
FEATURE