ドラマを見ていて胸が高鳴るあまりに思わず目を覆ったり、思わず叫んでしまったり。そんな瞬間ってありませんか? 今回は、私たちの心を弾ませてくれるもの。そう、恋愛脳がバンバン刺激されるような、官能的な表現もはらむ、ドラマティックでロマンティックな韓国ドラマ4作品をご紹介。大ムーブメントとなった『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』や、今話題沸騰の『わかっていても』など、大人にだってときめきのカンフル剤となるエモーショナルなシーンが多々ある恋愛ドラマが必要!
【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界にどっぷり浸かり、気付けば韓流ドラマ歴18年。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手女優&俳優の発掘が趣味の領域に。
よくおごってくれる綺麗なお姉さん/年下ムーブメントを巻き起こした代表作
恋愛の一番エッチな瞬間って、ひとそれぞれあるとは思いますが、どんなときだと思います? 胸の高鳴りや鼓動がどんどん大きくなって、ヤバっ、周囲に聞こえちゃうかも……なんてドクンドクンしちゃう、そんなとき? 私的には、相手の気持ちがわからない……からの、ひょっとして私のこと好き?……からの、今日はキスしちゃうかも……といった、いい仲になるまでの過程が一番エッチだなあって思うのですが、どうでしょう。で、このドラマです。そんな乙女心を興奮させる恋愛の瞬間を切り取る上手さにマジで感服するほどの傑作。主人公は、会社では上司のセクハラ、プライベートでは彼氏の浮気からの破局と冴えない日々を送っている35歳のジナ。そんな鬱々とした日常のなかで、ジナは海外赴任から帰国した親友の弟で幼なじみのジュニに再会。会社が同じビルにあったふたりは、たびたび一緒に御飯にいくようになり……という展開です。
お互い気になりながらも、幼なじみということもあってなかなか進展しないふたりの関係。ドラマは、そんなふたりのもどかしい吐息や期待ではずむドキドキまで聞こえてきそうなリアルさを絶妙の演出と小洒落た映像と音楽で綴っていきます。ジナを演じるのはご存知『愛の不時着』のソン・イェジン。まるで他人の恋愛を覗き見しているような、イケナイことをしているようなドキドキ感は彼女のじとっとした湿り気感があってこそ。それに対するジュニを演じるのは、このドラマで一気に大ブレイクしたチョン・ヘイン。年上のジナを守ろうとする年下男子の頼もしさっぷりが胸キュンもので、放送された2018年は韓国で年下彼氏ブームが巻き起こるほど話題に。ドラマを1話観進めるごとに「ねぇねぇ、あのシーン観た!?」ときゃあきゃあやりたくなるくらいエッチ。もちろん、つきあうまでも垂涎ですが、付きあってからのイチャイチャぶりの名シーンも多々。
特にドラマ中盤の病院でのお着替えシーンは意味深感ひしひし。もちろんエッチだけでなく、職場でのトラブルや元カレの嫌がらせ、親の猛烈なる反対などなど、リアルかつちょい過激な心折れる事件も度々勃発。それをどうふたりが乗り越えていくかにもご注目を。(さすらいのライター山崎)
じれったいロマンス/“追われる”恋愛を疑似体験
白状します。最初はこれっぽっちも乗り気ではなかったんですよ、このドラマ。厄介な財閥息子と苦労娘の恋模様って「おなかいっぱい」でしたし、そもそもタイトルからして「じれったい」とな……。0か100派の私には苦手領域だなと鑑賞スイッチはオフ状態。だったんですが、リサーチがてらと観始めたら、まあ枯れ葉状態のカラッカラの心が満たされて内なるフェロモンが渦を巻いているとでも言いましょうか。中盤になるにつれ、「私、恋してますっけ!?」並の高揚感が生まれたんです……。
仕事はせずに遊び三昧。恋愛癖の悪さは天下一品。そんなチャ・ジヌク(ソンフン)に父の堪忍袋の緒が切れ、系列のリゾートホテルでベルボーイとして働くことになり(無一文)、そこで母の2度目の結婚式のためにホテルを訪れたイ・ユミ(ソン・ジウン)と再会(※実は一度会っている)。ハプニングの経緯はすっ飛ばしますが、お酒の雰囲気に酔いしれてなんと1話目でワンナイト。まさかのイン ザ カー。ジヌクと違って純粋無垢のユミは朝目覚めた途端、慌てて逃げ去ってしまいます。当然今までベッドインした相手に置き去りにされる経験など皆無のジヌク。恥をかかされたと怒りながらも、残された一枚の“ブラパッド”を大事に取っておくという一見理解に苦しむ行動さえ、のちに可愛く思えるという(笑)。盲目スイッチ稼働中です。そして3年後に改めて再会するのですが、その後のジヌクの“追い”かけっぷりが、もう、もう! その色気、只者ではない。
特に8話と9話。両手の塞がったユミに「これは前菜」とジヌクが何度もキスするシーンや、プール際にいるユミに「上がるから手を貸して」と、手を掴んだ瞬間に一緒にプールにバッシャーンと落ちていくシーン。文字にすると一見チープに思えますが、観た人ならば共感いただけるはず。例えるならば、まるで幼い子供が知らなかった大人の世界に手を伸ばしてしまったときの気恥ずかしさ、好奇心、ときめきみたいなものを感じられるんですよね。官能的ながら、決していやらしくない。まさかここまで翻弄されるとは……。(エディターK)
わかっていても/この恋の終着点が“わかっていても”止められない
大学生の頃の恋愛、とっても微妙なところがあるなあって思いません? 年齢的にも結婚はまだ先のこと。だから、将来に縛られることなくお互いに自由といえば自由。そのせいなのか、例えば、好きと思っても、その人自身を求めているのか、単に肌の温もりだけを求めているのか、相手の気持ちもそうだけど、自分の気持ちでさえわからなくなっちゃう……なんてこともなきにしもあらずで……。人気ウェブ漫画をドラマ化したこの作品も、そんな大学生という青いお年頃の、微妙だけれども当人たちにとっては真剣な恋愛模様を描いたもの。
舞台は自由な気風の美術大学。彫刻科4年のナビは、恋人に手ひどく裏切られて失恋。以来、“愛は信じないけれど恋愛はしたい”という心境に。そんなナビの前に現れたのが、同じ美大に通うジェオン。人を惹き付けるルックスをもつジェオンに一目惚れに近い状態で惹かれ始めるナビ。でも、このジェオンが実にやっかいな男でして、ちゃんと恋愛するのは面倒、でも、恋の駆け引きは嫌いじゃないという(しかも、悪気ゼロ)……そう、完璧なナップンナムジャ(悪い男)。そんなジェオンに誘われるまま、ナビは「愛ではないとわかっていても」関係を持ってしまうのですが……。
ナビを演じるのは『夫婦の世界』で主人公の夫を奪う女性を演じて注目されたハン・ソヒ。今回のナビは同級生たちからも慕われる明るい女子大生役なのですが、彼女自身のどこかしどけない雰囲気がにじみ出ていて、そこがなんとも言えず。一方、ジェオンに扮するのは、今最も旬なイケメン俳優ソン・ガン。悪気なく人の気を惹いちゃう説得力バリバリ。ドラマ前半は、そんなふたりの濃厚シーンが、思わず息止めちゃうほど匂いたつように綴られていくのですが、割り切っているつもりでもなかなか割り切れないのが恋愛。そして、人を求める心。そんなナビの前に、今度はナビ自身を大切に思う幼なじみのドヒョク(チェ・ジョンヒョブ)が現れるという……。心と脳とカラダの一致がなかなか至難なお年頃の恋愛。さて、その行方は? 生唾ごくんごくんと飲みつつ、もはや見届けるしかありません。(さすらいのライター山崎)
都会の男女の恋愛法/リアルを追求した3組の恋愛
kakaoTV配信のウェブオリジナルドラマで、フェイクドキュメンタリーという新たなジャンルに挑戦したのが、『サイコだけど大丈夫』のパク・シヌ監督と、『ロマンスは別冊付録』『ロマンスが必要』シリーズを手がけた脚本家チョン・ヒョンジョン。さらに主演にチ・チャンウクやキム・ジウォン(推しです)、キム・ミンソクなど俳優陣は演技派でしっかり固めており、個人的に観る選択肢以外になく。そして回が進むごとに、序盤に感じた「これ、面白いんか……?」という疑念が払拭され、気付けば、それぞれのキャラクターの恋愛を覗き見しているような感覚に。
というのも、序盤「おやおや?」感が満載だったんです。6人の主要キャストがカメラに向かって、まるで独り言のように“話す”ことで物語が進んでいくドキュメンタリー形式。まだ個々のキャラクターに感情移入できていない状態、尚且つ、話の時系列もバラバラ。単純に「分からない」点が多いんですよね。挫折しそうになりました。が、少しずつ3組6名の恋愛模様や関係性がわかってくると、そこから一気に夢中になれちゃいます。特に、最初から艶っぽさムンムンだったこの方たち。建築会社のチーム長でカメラが趣味のパク・ジェオン(チャンウク)と、社員は自分のみのマーケティング会社代表イ・ウノ(ジウォン)です。このケミがまあ素晴らしい。バケーション地で出会ってひと夏の恋に落ちるんですが、大人のリアルな恋愛のいきさつを見せながら、恋に夢中になる子供のような無邪気さも感じさせる。好きな人の前では子供のように振る舞ってしまうという意味がわかるな〜と微笑ましい気持ちにさせつつ、なめらかでどきっとする大人のシーンを入れ込んでくる。キャンピングカーで過ごす夜が、なんともロマンティックで……(※決して車フェチではございません)。その強弱にやられっぱなしで、いつの間にか恋愛脳が活性化されているんですよね。
全体を通して、恋愛バラエティショーを観ている感覚に近いかもしれません。少し焦ったい駆け引き、体を重ねるまでの官能的な時間、通い合ったあとの幸福感などなど。思わず少女のように「きゃっ」と照れてしまう自分に、今ひとりでよかった〜と安心したことが何度あったか(笑)。(エディターK)