今では考えられないビッグスターの共演で制作された元祖学園ロマンス『乾パン先生とこんぺいとう』や、現韓流スターたちがこぞって出演している大ヒットドラマ『相続者たち』、そして韓国をはじめ世界各国でリメイクされている不朽の名作『花より男子』など、何年経っても色褪せない王道の“学園ドラマ”をピックアップ！ 難しいことを考えずに笑って、泣いて、ときめける。そんな良作の学園ロマンスドラマ４作品は、何度でも見返したくなるポイントが目白押しです。
【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班／エディターK
母の影響により、第１次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手女優&俳優の発掘が趣味の領域に。
乾パン先生とこんぺいとう／大物スターが贈る王道の学校ロマンス
「6年でも60年でも600年でも6000年でも6万年でも死ぬまで先生が好き」と叫んじゃうコン・ユ、愛する乾パン先生に毎朝喜々としてバラを届けちゃうコン・ユ、先生が困っているとどこへでも駆けつけちゃうコン・ユ、先生への片思いに切なく涙を流しちゃうコン・ユ……。そんな純真一途なコン・ユさまって、観たことあります？ 今や韓国を代表する素敵大人男子コン・ユさまの貴重な高校生キャラをたっぷりと魅せてくれるのが本作。
そして、高校生コン・ユに激愛されちゃう乾パン先生ことナ・ボリを演じるのが、逆境に生きる健気な女性を演じさせたら右にでる者がいないコン・ヒョジン。韓国ドラマ界ではもはや大物のこのふたりという組み合わせも、今考えれば超貴重な2005年放送作品です。
伝説のスケバンだったナ・ボリ（コン・ヒョジン）は、暴行事件を起こして高校を中退。当時、心の支えだった憧れのヒョヌ先生との再会を夢見て、教師になるため必死に勉強し、なんと条件付きで念願の母校の臨時教師として赴任することに。その条件とは、高校の問題児テイン（コン・ユ）の監視をすること。案の定テインにさんざ振り回されるボリですが、どんなことをされても真正面から向き合おうとするボリにテインは次第に心を開き、そして生まれて初めての恋心を抱くというのが序盤の展開。ところがボリのヒョヌ先生への片思いが実ってしまい、さらにヒョヌ先生の昔の婚約者が現れて……と、さすが昔懐かしのベタベタな展開ではありますが、コン・ユのあけっぴろげなやんちゃな可愛さはマジで必見です。
そして、コン・ヒョジン。ヒョヌ先生への想いが成就していながら、自分を一途に慕っている教え子に、「ラミョン モグレ？（ラーメン食べていかない？）」と悪気なく誘っちゃう魔性といい、いったいヒョヌなの、テインなの？と無意識な思わせぶり態度といい、コン・ヒョジンでなかったら多分袋叩きものキャラであるのにもかかわらず、ボリを応援せずにはいられない不思議マジック。周囲の偏見、親の反対、入り乱れる４角関係。はたして高校生コン・ユの真っ直ぐな愛は成就するのかしないのか、そして逆境コン・ヒョジンは幸せになれるのか。2005年の時代の郷愁を感じながら、学園舞台のそのクラシカルなラブコメ顛末を、どうぞじっくりご堪能あれ。（さすらいのライター山崎）
相続者たち／現韓ドラスターたち大集合の歴史的ドラマ！
『天国の階段』での演技に魅せられてどっぷり韓ドラ沼に落ちたゆえ、パク・シネの結婚式に心の奥底から感動してしまいました。豪華すぎる著名人ゲストや歌のパフォーマンスに感激しつつ、なにより嬉しかったのはイ・ミンホがキム・タンの名前で結婚式に出席したこと！ インスタではドラマの名台詞「俺、君が好きなのか？」のパロディ、「俺、君を祝うのか？」との言葉を添えてスーツ姿を披露。もうもう、『相続者たち』ペン大興奮の瞬間でしたね。そんな今でも多くの人たちに愛される不朽の名作です。
ストーリーはこれぞ韓ドラ！なポイント押さえまくりでして、帝国グループの御曹司タン（ミンホ）と、母を支えながら生きる、幼い頃からの苦労人ウンサン（シネ）を筆頭とした帝国学園に通う高校生の若き“相続者”たちに焦点を当てた青春ロマンス。
しかしタンは悠々自適な坊っちゃまではなく、婚外子ゆえに異母兄ウォン（チェ・ジニョク）に鬼の如く疎まれている設定。立場は違えど、苦しい思いを胸に秘めているのはウンサンと同じ。そんなふたりが出会うのがなんとアメリカ。タンは家族から逃げるように海外留学しており、ウンサンは結婚すると家を出た姉を探しに渡米。異国の地で出会ったふたりが急速に惹かれていくのは言わずもがな。なんですが、現実はそう甘くない。ウンサンの母はタンの家の家政婦。その娘との恋沙汰など財閥一家が許すはずもなく、ウンサンにパワハラ&モラハラ1000%の勢いで圧力をかけまくるタン父。それでも一途にタンを思い続けるウンサン……ドロドロドラマの主人公がいい子すぎるとそれだけで泣けますよね。そしてタン父や身分の差からウンサンをいじめまくる同級生に本気で憤怒する自分。とにかく感情移入が止まらないんです！
最初は引くほど嫌な奴だったタンのライバル、ヨンド（キム・ウビン）が次第に……ってのはロマンスの醍醐味ですが、彼の後半の巻き返しが尋常ではなく、「ウンサン、ヨンドにしてよ〜」と願う瞬間も。タンの婚約者で清々しいほど嫌味ったらしいラヘル（キム・ジウォン）、同級生ミョンス（ZE:Aヒョンシク）、生徒会長ヒョシン（カン・ハヌル）、ウンサンの数少ない親友チャニョン（CNBLUEミンヒョク）、その彼女ボナ（f(x)クリスタル）と、キャストを今改めて振り返ってみると主演クラスがゴロゴロ。ものすんごいメンバー！ 現Kドラマ界を担っているスターたちの原点を改めて観るのも面白いですよ！（エディターK）
花より男子～Boys Over Flowers／世界各国でリメイクされる不朽の名作
このドラマこそ、庶民女子高校生の永遠の夢。そう断言しても、過言ではないかもしれません。ご存じ、日本の人気漫画を原作に、韓国でも中国でもリメイクされた、胸キュン学園ドラマのもはや伝説的名作です。多分、日本のドラマを含めたら、観ていない人のほうが少ないんじゃないかと思える、言わずもがなの大ヒット作。
タイムスリップも九尾の狐も一切出てきはしませんが、このドラマはもはや完全なるファンタジー。なにせ、舞台となるトップセレブしか通うことができない超金持ち高校・神話学園からして別世界だし、学園を牛耳るイケメン御曹司グループ「F４」も、現実には絶対存在しない異次元のかっこよさだし、一庶民でしかない私なんぞは、その他大勢高校生と同様、柱の陰からため息つきながら憧れることしかできませんから。まさに夢の世界。
なのに、そんなF４を骨抜きにしちゃうのが、なんと自分とおんなじ一庶民の女子高校生。自殺しようとした男子生徒を助けたことから、特待生として神話学園に通うという設定ですが、早速、F４からの執拗なイジメの洗礼を浴びながらも、お金にも権力にもイケメン力にも負けずに立ち向かう地に足ついたタフな姿に、私とは似ても似つかないキャラではありながらも、庶民という唯一の共通点を拠り所として自分をすかさず投影。そうすれば、もうこっちのもの。
韓国版道明寺となるク・ジュンピョを演じるのは、今やアジア人気ナンバー１のイ・ミンホ。当時は、ほとんど無名に近かったところを大抜擢され、一躍スター俳優に。道明寺のトレードマークでもあるパーマヘアも麗しく、その天然キャラ的俺様ぶりも、ジャンディ（日本版はつくし）への純愛ぶりも眩しいほどにキラッキラ。ジュンピョがジャンディに惚れ込んでからというもの、ジャンディをいじめる生徒たちはF４たちが蹴散らしてくれるし、突然豪華なドレスを着せられてセレブパーティに招かれちゃうし、いきなり自家製ジェットで南の島へ連れて行かれるしと、キュンキュンめくるめくファンタジー世界を生々しく体感できちゃうというわけです。そう、もはや私こそヒロイン。その後の数々の胸を締め付けられる試練も持ち前のたくましさと前向き精神で、時にはくじけそうになりながらも、乗り越えてみせますとも！ ヒロイン気分にどっぷりと浸れる全25話。現世での悩みなんて、すべてふっとばしてくれること請け合いです。（さすらいのライター山崎）
ドリームハイ／“リアル”スターたちの原点に立ち戻って
歌手を夢見てキリン芸能高校に入学したヘミ（スジ）、ピルスク（IU）、ベクヒ（T-ARAウンジョン）、グク（2PMテギョン）、ジェイソン（2PMウヨン）、そしてサムドン（キム・スヒョン）の６人をメインに、高校生たちがさまざまな現実の壁にぶつかりながら、恋愛、友情、将来の夢と本気で向き合う定番学園もの。なんですが、今考えると“リアルに未来のスターだった！”なキャスト陣に胸が熱くなる『ドリームハイ』。ヨン様とJ.Y.Parkの共同プロデュースで制作され、ふたりとも出演していることや、2PMニックンに通称スジュのイトゥクまで特別出演していることも本作の旨み！
才色兼備でなにをやっても負け知らずの天才ヘミの夢はソプラノ歌手。ところが父の事業が失敗し突如借金まみれ&借金取りに追われる生活に。地獄のような日々から抜け出すためにアイドルになって稼ぐことを決意し、キリン芸能高校のオーディションを受けるもまさかの不合格。子分のような存在と下に見ていたベクヒが合格したことで、ヘミのプライドはズッタズタ。家も差し押さえられたゆえに因縁の相手であるキリン芸能高校の問題教師オヒョク（オム・ギジュン）の元で渋々暮らすことに。
理事長（ヨン様）のとある目論見から、ヘミ、グク、サムドンの３人を特待生として連れてくることを命じられたオヒョク。そのおかげで（？）入学できたものの、想像以上に厳しい現実を前にもがき苦しむヘミや、若き才能の原石たち。
サムドンは一目惚れしたヘミを振り向かせるために興味のなかった歌手を目指すことに。ただ次第に惹かれていくのはヘミ&グク。このトライアングルラブが切ない。田舎出身のサムドンの初々しい言動が面白くて可愛くて、「サムドンにして〜！」と思いつつ、グクの家庭環境や心の傷を知ると「いやでもやっぱりグクだよね……」ともはやなに目線か自分でもわからなくなります。ピルスクとジェイソンの恋模様も見どころですが、劇中で披露されるキャスト陣のパフォーマンスが本作の醍醐味！ 私のお気に入りは、何年経っても頭のなかでリフレインするサムドンとピルスクのアカペラ曲「愛してはいけないだろうか」。田舎者と周囲に嘲笑われてきたサムドンと、体型のせいで自分に自信が持てなかったピルスクが、これでもかというほどの最高のハモリっぷりを披露（サムドンの歌を顔芸で邪険にするジェイソンも必見）した瞬間に涙……。『ドリームハイ』同窓会求む！！（エディターK）
