未成年者の悪事と法の在り方を訴えた『未成年裁判』をはじめ、警察学校で繰り広げられる学生たちの青春をベースとしながら、巨悪に立ち向かう姿に心がグッと熱くなる『キミと僕の警察学校』など、最後の最後まで観る手が止まらない新作韓国ドラマをピックアップ。寝る間も惜しんで観たい良作4選は、沼視聴必至です!
悪の心を読む者たち/主演キム・ナムギルを筆頭に、演技派俳優たちの演技に魅せられるサスペンスドラマ
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韓国初のプロファイラー、クォン・イルヨン元警察官の話を基にしたノンフィクションルポがベースとなる本作。1話からガツンと脳内に響き渡る台詞と演出と、演者の本気度に、心臓の音がドクンドクンと鳴り止まない! 実際の事件が根底にあるので想像の通り、憤りを覚えるシーンが多々あります。毎話と言っても過言ではありません。凶悪な連続殺人者たちが次から次へと現れ、嘘だと思いたい残忍な理由で人をおもちゃのように弄び、亡き者にする……そんな悪人たちを捕まえるために“悪の心”を読み解くべく、ソウル地方警察庁の科学捜査係 犯罪行動分析チームのプロファイラーたちが奮闘していきます。
まだプロファイリングという言葉さえなかった時代。犯罪行動分析の必要性を訴えるヨンスチーム長(チン・ソンギュの存在が本作の癒し)がハヨン(ナムギル)をプロファイラーの道に引き込み、唯一の部下ウジュとともに部署を新設。それこそ世間は「悪人の話を聞くなんて」と刑務所に出向くハヨンたちを白い目で見ていましたが、次第にプロファイリングの正確性に、内部の刑事さえ心を動かされていきます。その過程だけで目頭が熱くなりますが、特筆すべきはナムギルの熱演っぷり。ハヨンは一見感情がない“カオナシ”のように見えるけれど、実は誰よりも優しい心を持ち、物事の本質を深く、深く、見極めるタイプ。それは物語が進むにつれて視聴者サイドに伝わるのですが、そこになにか大きな出来事や演出を盛り込むわけでもなく、あくまで繊細な演技力のみで魅せている。まさに圧巻。
だからこそ犯人と日々向き合うことで次第に“悪”が心を蝕み、壊れていくハヨンを観るのがなによりつらい……と同時に「負けて欲しくない」と画面越しに本気で応援してしまう。それほどまでにのめり込めます。もう、ハヨンという一縷の望みにすがるような気持ちでした。視聴者をここまで巻き込むナムギルの演技と、脚本と演出の素晴らしさは言うまでもなし。
想像を絶する犯人がゴロゴロ湧き出てくるということは、多くの被害者が存在するということ。正直心が重く、苦しいです。ただこれがノンフィクションベースだと思うと、事実と向き合わなければという一種の使命感に駆られます。全12話とコンパクトではあるものの、秘められたメッセージは数知れず。1話観たらもう止まれません。後世に受け継がれるべき良作です。(エディターK)
学校2021/韓国スター俳優の登竜門“ハッキョ”シリーズの最新作
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「学校」と書いて「ハッキョ」と読む。1999年に最初の作品が放送されたハッキョシリーズも、今作で8シーズン目。このドラマが新人俳優の登竜門的作品であるのは周知の通りですが、チャン・ヒョク、ペ・ドゥナ、チョ・インソン、コン・ユ、イ・ジョンソク、ナム・ジュヒョクなどなどなどなど(まだまだいますが割愛)、いや〜、まさに錚々たる顔ぶれ。つまり、ハッキョシリーズは明日のスター俳優の宝庫というわけで。韓ドラ好きとしては、やっぱり見逃すわけにはまいりません。ということで、本作。
舞台となるのは「特性化高校」。耳慣れない名前ですが、建設や機械など特殊な分野の職業教育を行ういわゆる実業系の高校で、生徒の目的はそのほとんどが就職。とかく過酷な大学受験ばかりがクローズアップされる韓ドラではありますが、実は2018年、特性化高校の生徒が実習先で死亡事故に巻き込まれ、その劣悪な労働実態が浮き彫りにされるなど、特性化高校をめぐる問題も大きな社会問題の一つとなっているのです。そんな事実を踏まえたモチーフを盛り込みながら、お受験ばかりではない、夢に向かう生徒たちをキラッキラに描くのが本作。大人たちの勝手な思惑に阻まれながらも純粋にひたむきに夢と希望を探し出そうと前に向かう高校生の姿は、疲れ切った大人のカンフル剤になるのはもちろんですが、それを演じる明日のスター俳優たちにもぜひ、ご注目を。
負傷によりテコンドー選手の夢を断たれ、目標を見失う主人公のギジュンに扮するキム・ヨハン。すでにトップアイドルではありますが、ドラマは『美しかった私たちへ』に続くまだ2作目。ペンとしては彼が演技する姿を見られるだけでも眼福ではありますが(プデュからの推し)、『美し〜』から格段に進歩したその表現力にも感涙しきり。で、ギジュンの初恋の相手となるのがジウォン。進学塾経営の母の反対を押し切って大工の夢を追うジウォン役には、『今、私たちの学校は…』ですでに世界的な注目を浴びるチョ・イヒョン。憂うる委員長役とは180度違う溌剌キャラが可愛らしく、ヨハンとの胸キュン初恋ロマンスも必見です。他にも訳ありの転校生ヨンジュ(チュ・ヨンウ)、名門大学を目指すソヨン(ファン・ボルムビョル)などなど、唾を付けたくなるようなお宝、ザックザク。明日のスター発掘としても大いに楽しめます。(さすらいのライター山崎)。




