配信されてからわずか1日でNetflix視聴ランキング世界1位に躍り出た韓国ゾンビドラマの新境地『今、私たちの学校は…』など、近年目まぐるしい勢いで新たなエンターテインメントとして変化し続ける“ゾンビドラマ”の数々。怖くても、グロくても、一度観たら続きが気になって到底やめられない! 今回はそんな究極のゾンビドラマ3選をホラー映画・ドラママニアの人間食べ食べカエルがスペシャルゲストとしてご紹介します。
今、私たちの学校は…/韓国が放つゾンビドラマの集大成的作品!
近年凄まじい勢いで発展を遂げている韓国ゾンビ界から、集大成的作品が登場した。それが『今、私たちの学校は…』だ。ある日突然、学校でゾンビが大発生! それは瞬く間に校内中に広まる! 僅かに生き延びた生徒たちは、ゾンビから逃げながら決死の脱出を試みる……!
メインストーリーは学校を舞台にしたサバイバル劇だが、見せ場は校内だけに留まらない。感染は速攻で街中に広がり、ハリウッド大作に匹敵する大規模なスペクタクル映像が待ち受ける。学校、警察署、ビル、そして屋外とあらゆる場所でのゾンビサバイバルが詰め込まれている。まさにゾンビ全部入りだ。なんて贅沢なドラマだろうか! ただ様々な場所でゾンビ騒ぎをやるだけでなく、大惨劇をワンカットで描いたりと、今までに見たことのないものを見せてやる!という制作陣の強い気概を感じるシーンが沢山ある。過去作の模倣ではなく、更なる進化を目指す志の高さを評価したい。また、韓国エンタメお得意の魅力的なキャラ描写も健在だ。主要キャストの中では、ムードメーカーの役割を行うデス(イム・ジェヒョク)が特に好き。コミカルな演技や高い歌唱力で魅了する、最高のバイプレイヤーであった。
Zネーション/ユニーク屍が大行進! アサイラム発ゾンビドラマ
数々のモックバスター(大作の模倣映画)や、サメが竜巻に乗って飛んでくる『シャークネード』などの奇抜なパニック映画を乱造することで、主にポンコツ映画愛好家の中で知名度のある映画製作会社アサイラム。この会社が手掛けたゾンビドラマが『Zネーション』だ。
ビジュアルを見れば一発で分かると思うが、本作は『ウォーキング・デッド』のモックバスターである。ただ、頭からつま足まですべてを模倣するだけでなく、ちゃんとアサイラム味を付けているところにクリエイターの矜持を感じる。彼らが『シャークネード』で編み出した、災害と生物を組み合わせた見せ場は本作でも健在。やっぱり今回も竜巻に乗るゾンビネード、津波のように折り重なりながら襲い来るゾンビ津波と、アサイラムのノウハウが活かされたユニークな見せ場が満載で飽きさせない。話が進むにつれ人間関係もだんだん複雑になってくるが、あくまでゾンビファーストの姿勢を貫いてくれるのが嬉しいところ。キャストでは、DJクオールズを起用しているのがナイス。モニターを見ながら色々指示してくれるキャラを演じさせたら、この人の右に出る者はいないと思う。
キングダム/陰謀とゾンビウイルス渦巻く史劇ゾンビドラマの傑作!!
本作は朝鮮王朝時代を舞台にしたゾンビ時代劇だ。王が倒れたという噂が国中に飛び交い混乱が訪れる中、更に謎の疫病までもが広がる。民を救うために立ち上がった王子は、想像を絶する光景を目の当たりにすることとなる!
『アシュラ』や『神と共に』シリーズ等で知られるチュ・ジフンや、日本でも高い知名度を誇るペ・ドゥナを始めとした実力派のキャストが、韓国お得意の政治を巡る濃密なドラマを作り上げる。時代劇単体としても十分に楽しめるが、そこにゾンビが投入されることで凄まじいカオスが誕生した! 欲望が入り乱れる権力闘争、それに翻弄される人々、そして猛ダッシュで襲い来るゾンビ!! 精神的にも物理的にもドロドロな地獄絵図の中、目まぐるしく状況が変化する怒涛の展開からまったく目が離せない。2016年の『新感染 ファイナル・エクスプレス』が公開されてから韓国エンタメ界でのゾンビムーブメントは熱狂の一途を辿っていたが、本作の誕生が韓国ゾンビレベルを更に数段上に引き上げた。まさにエポックメイキングな作品である。
【ゾンビドラマ ナビゲーター】
人間食べ食べカエル
あらゆるジャンルのホラー映画・ドラマを網羅する敏腕ライター。人が喰べられる作品に目がない。的確なコメントと面白いつぶやきがクセになるTwitterアカウントは、@TABECHAUYOをチェック!