次から次へと良作の韓国ドラマが生まれていくなか、今絶対に見逃せないNetflix、U-NEXT配信の最新韓国ドラマ4作品を、韓ドラマニアが熱量たっぷりにリコメンド! イ・ビョンホンやシン・ミナを筆頭に、名だたる名優たちが登場するだけでなく、主人公総勢14名で贈るヒューマンドラマ『私たちのブルース』や、芸能事務所の裏側を舞台に、恋愛脳を活性化させる最新ラブコメ『流れ星』など、観始めたらノンストップ視聴必至!
【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手女優&俳優の発掘が趣味の領域に。
私たちのブルース/大物韓流スターが大集合!
鳴り物入りで始まったドラマです。主人公はなんと14人。イ・ビョンホン、シン・ミナ、キム・ウビン、ハン・ジミン、チャ・スンウォン、イ・ジョンウンなどなど、名だたる大物がズラリ。これだけでも観る価値ありありなのですが、ドラマはのどかにして活気あふれる済州島を舞台に、いくつもの物語を重ね合わせながら綴られるオムニバス変形パターンで、14人の豪華俳優陣は、ある時はメインの主人公に、ある時は脇役に、という一粒で二度どころか無限に美味しい、観なきゃ損的贅沢キャスティングなわけでして。
その最初のエピソードとなるのは、私の韓流初恋のチャ・スンウォン(役名はハンス)と、おばちゃん役といえばこの人イ・ジョンウン(役名はウニ)が主人公のお話。済州で鮮魚店を営むウニは、貧しい家に育ちながらも必死に働き、今では銀行残高20億ウォン以上を有するたくましい女性。スンウォン演じるハンスはウニの初恋の同級生なのだけど、銀行の支店長として故郷の済州島に戻ることになり、ふたりの物語が動き始めるという。実はハンス、アメリカに美人の妻とゴルファーを目指す溺愛の娘がおり、その費用のために方々で借金するものの、いよいよどこも手詰まりになってきて……という事情が。ドラマは、ふたりの高校時代のエピソードを交えつつ展開していくのだけれど、ウニの心に残る高校時代のハンスのカッコよさと、お金に振り回され続ける現在のハンスの情けなさとのギャップが切なく、その微妙かつ複雑な姿を絶妙に演じるスンウォンの上手さにも改めて惚れ直させて頂いたという次第。
ということで、序盤エピソードの充実っぷりはもちろん、今は犬猿の仲の幼なじみホシクとイングォンの、まだ高校生の一人娘と一人息子の妊娠エピソードをはじめ、キム・ウビンとハン・ジミン、イ・ビョンホンとシン・ミナのそれぞれのこじれロマンスなどなど、どれもこれもほんのり苦く、ほんのりジンと温かさを匂わせる仕立て。まだまだドラマ中盤ではありますが、ハンカチを握りしめつつ今後の展開に備えています。それにしてもキム・ウビンです。闘病から復帰し、久々に戻ってきてくれた彼の眼差しは相変わらず意味深でセクシーでカッコよく、それだけでも感涙。そして、その同じ画面には、実生活で彼の闘病を支えたであろうシン・ミナが映る奇跡。感無量です。(さすらいのライター山崎)
明日/泣いても、泣いても、また泣ける
韓国で深刻な問題となっている、出生率の低さと、自殺率の高さ。このふたつをうまく物語に組み込みながら、1話ごとにその他の社会問題に関する“問い”が投げかけられている本作。細かなディテールを丁寧に描くのが韓国ドラマの流儀ではありますが、一歩間違えると興醒めしてしまう危険もあるファンタジーの世界観で、これらをしっかりと表現しているのが圧巻。あの世の企業「走馬灯」と、そこで働く死神たちを物語の軸にしながら、今の時代になんの違和感もなくマッチさせる創造性に富んだ原作と制作陣のパワー、主演のキム・ヒソンや、良作に欠かせないキム・へスクを筆頭とした演者の実力。毎話、毎話、感情移入して号泣しています。これはハンカチなくして観られません。
就職難で面接に落ち続ける日々を過ごしていたジュヌン(ロウン)はある日、橋から飛び降りる自殺者を助けようとして、手違いで“半分人間、半分幽霊”の存在に。元の体に戻る条件は、半年間あの世の企業「走馬灯」で働くこと。ジュヌンが配属されたのは、自殺願望者を助ける「危機管理チーム」という変わった部署で、メンバーはピンクヘア&メイクがトレードマークのクールなク・リョンチーム長(キム・ヒソン)と、なにがあっても定時で帰るイム代理(ユン・ジオン)の3人だけ。このふたりも序盤では怪しさ満点(ジュヌン視点)なのですが、少しずつ見えてきたふたりの壮絶な過去を前に、言葉が出ない……さらに自殺願望者にフォーカスされていく構成なので、あらゆる事情を抱えた人たちの人生が物語を通して自分の中に入ってくるような感覚を覚えるんです。いじめの後遺症に苦しむ女性、何年も公務員試験に落ち続けるジュヌンの親友ジェス、最愛の人と死別した男性、飼い主のために死を選ぶ老犬、性暴力被害に苦しむ双子など。いろんな思いが隠されていて、喉の奥が熱くなるほど泣けます。
特に心を突き動かされたのは、朝鮮戦争に赴いた一人のハラボジ(6話)と、体型のコンプレックスを抱えたふたりの女性(7話)。自分の選択をずっと後悔しながら生きてきたハラボジが最後に見せた笑顔、走馬灯社員全員の敬礼。そして、「太っても痩せても人に評価される」と苦しむイェナに、部下のボラムが語る真っ直ぐな思い。ドラマを観ていて身震いするってなかなかありませんよね。残り4話。本作を骨の髄まで味わい尽くしたいと思います。(エディターK)
私の解放日誌/名作ドラマのスタッフが贈る、唯一無二のヒューマンドラマ
思えば、毎日充実した日を過ごしている人って、きっとものすごい少数派なのでしょうね。何かしらの閉塞感にうんざりしながら、日々鬱々と過ごしている……という人がほとんどなのだと推測します。もちろん、この私も。ドラマは、そんなどんよりな人生からも自分からも“解放”されたい3姉兄妹(きょうだい)の物語。普通の人の鬱々な毎日を綴っていくスタイルは、一見地味ではありますが、何せ、愛してやまない『まぶしくて』の監督と『マイ・ディア・ミスター』の脚本家の作品。私の周囲では生粋ドラマ好きほどどっぷりなわけでして。
で、舞台となるのは3人の職場のあるソウルと、ソウルから片道1時間半の彼らの住まいサンポ村。私も学生時代に東京まで往復4時間かけて通った口で、「毎日旅行だね」と友人からはからかわれ、とはいえ親のしがらみや金銭的理由からなかなか家を去れないジレンマもあり、その3人のうんざり感にもメチャ同感。まあ、それはどうでもいいのですが、まずは、末っ子ミジョン(キム・ジウォン)です。職場では上司からダメ出しされまくり、彼氏は行方をくらまし借金まで肩代わり、自分に自信のない内向的な性格は、キャパい同僚たちにもなじめない……といった現実。
そのミジョンが興味を持ったのが、いつからかサンポ村にやってきた、毎夜酒浸りの謎の男ク氏。演じているのは、『D.P.』や『恋愛体質』でのクセのあるキャラが印象的だったソン・ソックなのですが、汗みどろで働く姿といい、三白眼の眼差しといい、ちょっとニヒルな口もとといい、セクシー度数かなり高め。で、ロマンス始まる?なんて、淡い期待の私をギョッとさせたのが、ミジョンが彼に言った台詞。「私を崇めて。愛じゃダメ。崇めるのでなければ」……。スゴイ、スゴすぎる。鬱々を溜め込んだ大胆思考に唖然。なのに、妙に共感。そうよ!みんな崇めてほしいのよ(個人的見解です)。なので、今後の2人の恋の行方が楽しみすぎるのでありますが、なかなか昇進できないグチ三昧の兄(イ・ミンギ)ももちろん、目が離せないのは、男に見向きもされない40歳目前の長女。自分のことは棚に上げ、大半の男は存在しないも同然の高飛車 “白馬に乗った王子待ち”キャラは、とっても人ごととは思えません。なので、今、まさに始まりそうな(9話)彼女の恋愛を息を潜めて見守っている次第なのですが……。(さすらいのライター山崎)
流れ星/心から笑ってときめく、新たなラブコメが登場
主人公を貶めるサイコパスな役柄から、クールな医師役、スポーツ少女役まで、どんな役も自身にフィットさせる繊細な演技力で視聴者を虜にする俳優ソンギョン氏(推しです)がヒロイン。そこに『偶然見つけたハル』や『ペントハウス』シリーズでグイッと注目を浴びた期待の星キム・ヨンデがジョイン。この化学反応で、とんでもない良作ラブコメを生み出しているんですよ……早くもネクスト『社内お見合い』現る!といった感じ。
韓国好きであれば(なくても?)気になるであろう、韓国芸能事務所の裏側。本作は芸能事務所スターフォース エンターテインメントに勤める会社員と、事務所に所属するスターたちの日常を描いた物語なので、知られざる世界を覗き見できるというわけです。広報チーム長ハンビョル(ソンギョン)が星屑(所属芸能人たちの数々の問題)をものすごいスピードで片付けていくさま。まあ、かっこいい。と同時に、あの美しい姿からは想像もできないソンギョンワールド全開の演技が笑える! その笑いを牽引するのが、事務所のトップスター、テソン(ヨンデ)との絡みです。実はふたりは大学の同級生でして、最新話の6話で少しずつ過去が明らかになってきたところ。ふたりの驚くほどに熱くとろけるロマンスシーンを求めてはおりますが、正直今はそれよりもコメディのような掛け合いが最高に面白い口喧嘩シーンをいつまでも拝んでいたい……。元祖ラブコメの要素は残しつつも、新たな笑いとときめきをちりばめるそのセンス(脚本)、そして演技力。世代関係なく楽しめちゃう秘密はここにあったのねと納得です。特にハンビョルが6年前に犯した痛恨のミス、その内容、テソンが取る珍行動をぜひともお見逃しなく。ヨンデは間違いなく演技派だ!!と確信します。思い出し笑いが止まらない。
さらに注目したいのが、豪華なキャスト陣。ヨンデに、敏腕マネジメントのユソン(ユン・ジョンフン)、事務所の理事チェ・ジフン(ハ・ドグォン)と、あの伝説のマクチャンドラマに出演した“チームペントハウス”が勢揃い。マニアにはウッハウハな世界観ですよね。しかも追加でペントハウスメンバーがカメオ出演するとか! どんな笑いを届けてくれるのか、今からわくわく。さらに元祖韓流姫チェ・ジウの特別出演に、チェ・ジョンヒョプもカメオ出演と、ストーリーの中にサプライズが多すぎて語り尽くせません。(エディターK)