【ホリデー×ホラー映画】大人の年末年始にぴったり!? ホラーマニアが厳選する12月のおすすめ映画3選

ひと癖ある大人の年末年始におすすめしたいスペシャルホラー映画を、ホラーマニアの人間食べ食べカエル氏がご紹介! クリスマスとホラーを掛け合わせトンデモナイ世界観で繰り広げられる3作品。ホラー好きにも初心者にもぜひともおすすめしたい! これまでに感じたことのない恐怖とシュールな笑いが待ち構えているかも!?

『クランプス 魔物の儀式』/まるで観るオモチャ箱!可愛くて恐ろしいドス黒クリスマス映画!

クランプス 魔物の儀式 ホラー映画
『クランプス 魔物の儀式』Amazon Prime Video、GYAO!で視聴可能

クリスマスの夜。親戚が集まってパーティを開くも、周りにいじめられてしまう少年。「もうクリスマスなんていらない!」彼がそう願ってしまったが最後、サンタではなく恐ろしい魔物クランプスがやってきてしまう!! 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』でゴジラ狂信者っぷりを披露したマイケル・ドハティ監督による、ファンタジック・クリスマス・ホラーの傑作である。本作は、可愛げがありつつもドギツイブラックな面白さに満ちている。『グレムリン』に近いハチャメチャな内容だ。

この映画の何が一番好きかって、クランプス以外にもモンスターがたくさん出てくるところ!キュートな姿で小賢しく暴れるジンジャーブレッドマンに、キモイ天使人形、そして殺人クマ人形に、人食い巨大ピエロ等々……。まるでオモチャ箱をひっくり返したかのように次々とバラエティ豊かな敵が襲ってくる。その出し惜しみのない大騒ぎがとにかく楽しいのだ。こいつらがアニマトロニクス中心で描かれているのがまた良い。グロいシーンはないが、その一方で物語は最悪な方向へと突き進んでいく。外は吹雪で、不気味な雪だるまが至る所にあり、クランプスが行く手を阻む。家から出られないままモンスターたちに襲われ、少しずつ絶望が増していく展開は、賑やかな映像とのギャップも相まってなかなか恐ろしい。ラストも容赦なさすぎて笑ってしまう。やっぱりドハティ監督はヤバイよ!

『サタンクロース』/観れば思わず笑顔になる殺人サンタ大暴れムービー!!

サタンクロース ホラー映画 TSUTAYA
『サタンクロース』TSUTAYAでレンタル可能。

サンタクロース、並び替えたらサタンクロース!僅かな字の違いでとんでもないモンスターが誕生してしまった。奴はプレゼント爆弾で子供の頭を吹き飛ばし、家に侵入してツリーの飾りで人をブッ殺し、おまけに口から火を噴く大暴れをかましてくれる。サンタだけでなく、トナカイ代わりの人食いバッファローも大活躍。そんなやりたい放題の大惨劇をコミカルに描いており、終始ニコニコしながら楽しめる作品だ。

サタンクロースを演じるのは元プロレスラーのビル・ゴールドバーグ。これがメチャクチャにハマってる。もちろん、アクションシーンのキレもバッチリだ。レスラー現役時代の得意技スピアータックルもお見舞いするサービス精神旺盛さで映画を盛り上げる。しかも、振り付けを担当しているのが、『スコーピオン・キング』や『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』、そして近年では『シャン・チー テン・リングスの伝説』の殺陣にも関わったアンディ・チェンという隙のない二段構えの組み合わせ。作風はふざけつつも、こういうところで手を抜かないのに好感が持てる。陰惨になりすぎず程よく笑えて、かつ異様にテンポが良いバランスの効いた展開で魅せる。そこにサタンクロース自身の魅力が加わり、唯一無二の殺人サンタムービーに仕上がった。エンドロールまで遊び心を忘れないクリスマス必見の快作!これなら、ホラー苦手な恋人ともギリギリ鑑賞可能かと思います。多分!!

『ナイトメア・オブ・サンタクロース』/聖ニコラスがアムステルダムを血に染める!オランダ発、異色のダークファンタジー!!

ナイトメア・オブ・サンタクロース ホラー映画 TSUTAYA
『ナイトメア・オブ・サンタクロース』TSUTAYAでレンタル可能。

殺人サンタ界隈に、オランダから乗り込んできたのが本作である。この映画に出てくるのは、正確にはサンタクロースではなく、サンタの起源として知られる聖ニコラスだ。コイツがメチャクチャ気持ち悪い化け物を従えて、現代のオランダ・アムステルダムによみがえり、次々と人を襲っていくのだ。そのファンタジックな佇まいと現代の街並みのギャップが独特な味わいを生んでいる。

監督が『悪魔の密室』や『小さな目撃者』などのクセつよ映画職人ディック・マースなので、本作も当然一筋縄ではいかない。ユニークな見せ場が多いが、中でも、聖ニコラスが馬に乗りながら屋根から屋根へと走り飛んでいくのを警察がパトカーで追いかけるチェイスシーンが大のお気に入り。そんな映像、見たことないよ! 疾走感が抜群でアクション演出も冴えている。それ以外にも、聖ニコラスが特殊部隊を殲滅するサービスシーンなんかもある。個々の見せ場はもうちょっとボリュームがあると良かったが、それは贅沢かな。ともかく、他の殺人サンタ映画とは一線を画す作品だ。これからも、サンタロボが暴走して人を殺しまくる『Christmas Bloody Christmas』などの殺人サンタ映画が控えている。もはや普通のサンタ映画よりも殺人サンタの数のほうが多いような気すらするが、そんな中でも埋もれない光るモノがあると感じる。レンタル屋等で見かけたら、手に取る価値のある1本だ。

【ゾンビドラマ ナビゲーター】
人間食べ食べカエル
あらゆるジャンルのホラー映画・ドラマを網羅する敏腕ライター。人が喰べられる作品に目がない。的確なコメントと面白いつぶやきがクセになるTwitterアカウントは、@TABECHAUYOをチェック!

FEATURE