大ヒット韓ドラ『イカゲーム』シーズン２がついに配信スタート。豪華すぎるキャストで注目を集めていただけに、賛否両論の声も!? 『ムービング』で一躍時の人となったカンフルが脚本を務めた話題作『照明店の客人たち』とともに、韓ドラ好きのライター&エディターがレビューします！
大ヒット韓ドラ『イカゲーム』シーズン２がついに配信スタート。豪華すぎるキャストで注目を集めていただけに、賛否両論の声も!? 『ムービング』で一躍時の人となったカンフルが脚本を務めた話題作『照明店の客人たち』とともに、韓ドラ好きのライター&エディターがレビューします！
【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班／エディターK
母の影響により、第１次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、20年以上あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。ドラマを観るたびに推しの俳優が増えていく毎日。
イ・ジョンジェ×イ・ビョンホン『イカゲーム』シーズン２／主演級キャストが集結した大人気作の続編！
欧米では酷評している映画専門誌が多かったり、視聴者の中でも賛否両論の声が上がっていたりしますが、個人的には普通に楽しめてしまった……！ 確かにシーズン１よりグロさやゲームの内容の過激さはスローダウンしていることはインジョン（認める）。さらにキャストが豪華すぎて「え!?尺これだけ!?勿体無い〜〜!!」な部分が多いこともインジョン。今回７話という不完全燃焼でシーズン３まで引っ張るんかい！とツッコミしたくなることもインジョン。しかしながら以前のゲームで456億ウォンを手にした唯一の生存者であり、勝者であるギフン（イ・ジョンジェ）が、新たなゲームに参加したからこそ起きる別次元のバトルや問題点が浮き彫りになっていき、いわばシーズン２は種まき状態。シーズン３でどこまで回収してくれるのが大ヒットの分かれ道になりそうな予感です。
とにかく今シーズンで注目すべきは物語序盤。地下鉄でメンコ勝負をふっかけてきて、負けるたびにものすごい勢いでビンタしてくる謎のセールマン（コン・ユ）と、ギフンの再会です。正直ここがいちばんハラハラドキドキさせられた！ ゲームに参加した人たちの命の代償である456億ウォンを使って、３年もの歳月をかけてようやくセールスマンを見つけ出すのですが、やはり向こうが一枚上手。しばらくは、じゃんけんとロシアンルーレットという言葉に反応してしまいそうです。ギフンvsセールスマンの闘いと、なんと言ってもふたりの名演技が素晴らしい。シーズン１を経て身も心も変わり切ったギフンを繊細に演じているジョンジェに加え、あまりシーズン１では見られなかったコン・ユの怪演っぷりが怖すぎて。なかなかに貴重なシーンかと思う次第です。仲間ができたギフンが再度ゲームに参加することになる経緯や、そこで出会う欲望まみれの人間たちのおぞましい罠。シーズン３はフロントマンとの直接対決が見どころになるはずなので、とにかく早く配信してくれ！
そして本作の見どころとして欠かせないのは、やはり主演級キャストがゴロゴロ出演していること。カン・ハヌルやイ・ジヌク、イム・シワン、本作で名バイプレイヤーに躍り出たパク・ソンフン（残念なニュースは流れてしまいましたが……）、カン・エシムのオンマ演技も最高なんですよ。それぞれがいいエッセンスになっていて、シーズン３ではもっと活躍してくれることを期待。（エディターK）
『照明店の客人たち』／ホラー？ サスペンス？ ミステリー？ これは名作ヒューマンドラマだった！
しんと静まり返った薄暗い路地は何処か異様な雰囲気に包まれている。そこを恐る恐る抜けた先にボーッと見えてくるのがタイトルにある照明店。白熱電球の灯りの数々が温かに店内を照らしている深夜だけの営業というその店は、夜なのになぜかサングラスをかけている店主（チュ・ジフン）がポツンとひとり。店にふらっと入ってきたのは、さっき病院で霊安室を探していた男。「なにかお探しで？」と店主が問うても、店を意味なく見回しただけで、またふらりと出て行ってしまう……。そしてまたひとり。やってくるのは、犬の鳴き声がうるさくて眠れないとイラついている男。やっぱり何も買うことなく店を出ていくその男……。いったい彼らは誰なのか？ なんのために店にやってきたのか。
そうなんです。このドラマ、なにやらあやしげな世界に紛れ込んでしまったような不思議が満ちているとでも申しましょうか。もしやこれ、ホラーもオカルトも得意ではない私としては、このまま途中下車したほうがいいのか？ なのに、なにかに魅入られたかのごとく目が離せない不可思議。どうやら、このドラマ、人を驚かすことが目的ではないらしい。では、なにを私たちに伝えようとしているのか。2023年韓ドラファンを大熱狂させたあの『ムービング』の作家カンフルが贈る新作は、生と死の境界線を彷徨う人々のそれぞれの物語を描いたちょっと異色な作品。かの“照明店”こそ、まさしくその境界線。前出の男たちの他にも、深夜のバス停でなにかを待つ白ワンピースの女（ソリョン）と彼女が妙に気になる乗降客の男（オム・テグ）、母親（イ・ジョンウン）の使いで毎晩電球を買いに来る女子高校生（シン・ウンス）、なぜか一軒家にこだわる物書きの女性（キム・ミンハ）、独居老人の死の真相を探り続ける刑事（ペ・ソンウ）などなど。いったい彼らに何があったのか？ 彼らはなぜ、そこでうごめいているのか？
電球の小さな灯りが少しずつ少しずつ彼らの物語を映し出していく4話以降は、胸がギュッと締め付けられ、じわじわと温められ、かと思えば深く考えさせられたりと、いろんな感情が押し寄せてきては胸震わせるという寸法です。伏線のちりばめ方も絶妙で、そのひとつひとつが繋がっていくラストにかけての展開は、もう見事としか言いようもなく！ 特にジフン演じる店主。彼がなぜサングラスをかけているのか、なぜ、そこにいるのか、それが明らかになっていく展開には涙が止まらないわけでして。ちなみに最終話のエンドロール。嬉しいサプライズも待っているので最後までお見逃しなく。（さすらいのライター山崎）
