続々と新作韓国ドラマが登場するなか、新年の一気観に加えたい2作品をセレクト。“Netflixの息子”ことソン・ガン主演の世界的大人気作品『Sweet Home-俺と世界の絶望-』のシーズン2は、本格スリラーアクションが見どころ! 一方隠れ名作としてゴリ押ししたい『輝くウォーターメロン~僕らをつなぐ恋うた〜』は韓国お得意の繊細なヒューマン×ロマンスドラマとなっており、旬俳優をキャスティングすることでブロマンス要素もたっぷりと楽しめる! 年始から徹夜視聴になること間違いなしです。
【韓国ドラマ ナビゲーター】
韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約20年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。ドラマを観るたびに推しの俳優が増えていく毎日です。
『Sweet Home-俺と世界の絶望-』シーズン2/真の怪物は果たしてどちらか?
韓国のSNSをチェックしていてもシーズン2を待ち望む声が多く、本当に人気作品だなと改めて実感させられます。入隊前(涙)にあらゆるジャンルの作品に出演するソン・ガン主演作です。同時進行で『マイ・デーモン』が配信されるという異例の事態も“Netflixの息子”ならば納得。
シーズン1は、オンボロ高級住宅“グリーンホーム”の訳あり住人たちにフォーカスされていて、突如現れた怪物との血塗れバトルや、人間の深層心理と欲望がこんなに生々しく……(涙)と悲しくなるくらい残酷に描かれていました。が、シーズン2は、「真の怪物はどちらなのか?」にスポットライトを当て、登場人物もマシマシ、情報もマシマシで、世界観が壮大になっている……! ソン・ガン主演だっけ?と忘れそうになるくらい画面に映る時間が少なく、キャラクターが急増したことで全体的にスローテンポ。それもあってか、韓国では評価に対して賛否両論の声があるけれど、私個人の感想としても「シーズン3が楽しみだ!!」というテンション。なぜならシーズン2のラストが衝撃すぎたから。むしろあのワンシーンで次作への期待を底上げさせられたと思うと、制作陣の手練れっぷりには頭が上がらない。
ワクチン開発が進むパムソム特殊災難基地で実験台にされるチャ・ヒョンス(ソン・ガン)。グリーンホームを脱出し、「安全キャンプ」なる場所へ向かうイ・ウニュ(コ・ミンシ)たち。軍の特殊部隊が仕切るスタジアムで身を潜めることになりますが、すべて偽りの安寧……。シーズン2のキーパーソンとなるのは、元特殊部隊出身の消防官ソ・イギョン(イ・シヨン)です。住人たちが移送されるトラックには乗らずに別行動をしていたイギョンですが、囚われの身の夫には会えるのか? お腹の中の子は、果たして人間か怪物か? 彼女を通して語られる物語の本質的な部分に、心が痛くなる瞬間も多々。
そしてシーズン3では、シーズン2で問題提起された「真の怪物とは?」という問いに対するアンサーや、“怪物化”の真実、“半怪物化状態”として惨い実験をされた特殊感染者たちの復讐劇がはじまると……。『五月の青春』然り、切ない世界線でしか交わらないの!?と悲しくなるコ・ミンシとイ・ドヒョンの結末も気になるし、軍人役の元B1A4 ジニョンがどう絡んでくれるかも楽しみだし、兎にも角にもシーズン3を早く観せてほしい。(エディターK)
『輝くウォーターメロン~僕らをつなぐ恋うた〜』/タイトルに惑わされるべからず! 名作ヒューマン×ロマンス
タイトルを見て「なんだそれ?」と避けそうになりません? かくいう私も「ただの青春メロドラマなのかな〜というかなんでメロン?」と頭に疑問符たっぷり状態でなんとなく観始めたクチですが、見事に沼落ち。終盤でもちろんウォーターメロンの伏線も回収されます。その経緯もいい。ネタバレになるので深く語れないのがつらいほどいい! “家族”をベースにロマンスをうまく絡ませ、「ああ、なんてことない日々が青春だったのね」と過去を思い出してはジーンと心が温まる。これは親子でハマれますし、騙されたと思って観てほしい隠れた名作ヒューマンなのです。
主人公ハ・ウンギョルを演じるのは、今ノリに乗っている若手俳優リョウン。『コッソンビ熱愛史』に続く主演です。個人的には『コッソンビ〜』より俄然本作のリョウン推し。おそらくウンギョルの父親ハ・イチャン(青年時代)を演じているのが、若手実力派のチェ・ヒョヌクだから。彼は『ラケット少年団』『弱いヒーロー Class1』など、とにかくブロマンスの見せ方が秀逸で、ケミストリーがどれもこれも最っ高にいいんですよ! とある怪しい楽器店に足を運んだウンギョルが、父イチャンが自分と同じ高校生だった頃の1995年にタイムスリップしてしまう!というファンタジー要素の強い物語を何倍も面白く、リアルに見せてくれる秘密のひとつだと思っています。
父イチャン、母ユン・チョンア、兄ハ・ウノは聴覚障害者で、ウンギョルが家族と世界を繋ぐ“耳”として、3人を支えてきたという設定。頭脳明晰で周囲からの期待も大きいウンギョルですが、実はギターと音楽がなによりも好き。それを両親にどうしても言い出せずにいたところ、不運にもライブ会場でバレてしまい……悲しくギターを売りに行った楽器店で1995年にワープ!! ここからはウンギョルを通して、同世代の父・母に会うってどんな気持ちだろう?と想像上で楽しめます。チョンアが初恋の人だと言っていたのになにやら違うみたいだし、勉強は苦手みたいだし、お調子者だし、そして健常者であったという事実も知る。“父”の姿とはまるで違うイチャンに戸惑いながら、タイムスリップの真の理由に近づいていきます。その過程を繊細に描いているために、突飛的な設定もすんなり受け止められるし、なんなら感情移入ガンガンしちゃってますけど!?状態。安定的な演技力のソル・イナと、「カン・ドンウォンの相手役」で注目を浴びた若手シン・ウンスもいい化学反応を起こしているんですよ。年始の一気観は迷わずこちらを!(エディターK)