【最新海外ドラマ】Netflixの超人気シリーズ『YOU －君がすべて－』新シーズンほか、海外ドラマ好きエディターが選ぶ、この春観たい激推し３作品

以前、イッキ見確定ドラマとして激推しした『YOU ー君がすべてー』 のシーズン４が２月より配信されました。今回の舞台はイギリスのロンドン。シーズン３で結婚をし子どもも生まれたのにすったもんだしてしまった主人公ジョーがなぜロンドンにいるのか。第一話のプロローグで明かされますが、これまでのジョーの行いを顧みると同情厳禁です（笑）。シーズン４がこれまでと大きく異なるのは、ジョーが追う（つまりストーカー）のではなく、追われる立場になるということ。その“追っ手”の正体が今シーズンを理解するためのカギとなります。

今回も、ジョーの自分語りは健在。他のラブサスペンスやスリラードラマでは登場人物の心情や動機が徐々に明らかになることが多いですが、本作ではジョー自らが心の内を独白というかたちで明かします。素直で自分勝手でご都合主義。しかもときに詩的で知的。「やれやれ」と思いながらもどこかで惹かれているのが悔しい（笑）。

話が進むにつれジョーが新たな恋愛対象を追い求める物語が展開されますが、彼にも“追っ手”が迫り過去が追いかけてくる中で、それらの人間関係と向き合っていくかが見どころです。

なお今作は、過去シーズンに比べてサブキャラクターたちのバックストーリーや人間関係がより詳細に描かれている印象。今回ジョーが属するのはイギリスの上流階級なのですが、ストーリー展開の巧みさや登場人物の魅力が高いクオリティで描かれていて、独自の世界観が際立ちます。没入感がすごい“引力”の強いドラマだといえるかも。ただ、思わず目を背けたくなる残酷なシーンもしっかりあるので、その手が苦手な人は覚悟を。

なお、続編はなく、今作で完結といわれています。この作品らしい終わり方で、思わず「上手いな」とこぼしていました。独特の世界感をもった稀有な恋愛ドラマ。スピンオフなどでまたハチャメチャぶりを観たいような観たくないような気分です（笑）。

STORY
ジョナサン・ムーアと名を変え、ロンドンの大学で教授となり文学を教えているジョー。静かな生活を送っていたが、同僚の恋人を助けたことをきっかけに事件に巻き込まれ……。

U-NEXTで独占配信中の『ファーストレディ』は、大統領夫人が、自身の人生やアイデンティティと向き合いながら、社会的な問題や政治的な課題に立ち向かっていく物語。オスカー俳優であり、エミー賞、トニー賞の受賞歴もあるヴィオラ・デイヴィスがアメリカ初の黒人大統領夫人となるミシェル・オバマ（第44代大統領夫人）を、ジリアン・アンダーソンがエレノア・ルーズベルト（第32代大統領夫人）を、ミシェル・ファイファーがベティ・フォード（第3８代大統領夫人）をと、豪華キャストたちが演じます。

女性を主人公にしたドラマですが、女性の主義主張などに焦点をあてるのではなく、また、夫の三歩後ろから支えてといったものでもなくあくまで「大統領夫人」というひとつの役割からみた、ニュートラルな視点で当時の様子が描かれます。政治家の妻が抱える悩みや苦悩も夫の身の安全だったり出世だったり、大切な人を思う気持ちはどの地位にいても同じで、感情移入しやすい。また、大統領に近い距離にいながら政治家ではない彼女たちから見る政治や社会問題は示唆が多く、深い洞察力に感心することも。

ドラマの演出も秀逸。大統領選挙や国家の危機など、重要なシーンでは緊迫感を演出するため、ときには、当時の記録映像やテレビでの放映された映像が流れるなど、リアリティもばっちり。

３人のファーストレディの過去と現在が描かれるので最大で６つの時間軸が交差しながら話が進むから、第１話で登場人物の相関図を理解しておくことがこのドラマをもれなく楽しむコツです。え？めんどくさい？ ご安心ください。第１話から濃密で何度も観たくなる面白さなので、２〜３回おかわり視聴してちょうどいいくらいです（笑）。 第１話は３人がファーストレディになる前からはじまり、話が進むにつれて、涙腺が潤むシーンあり、勇気をもらえるシーンあり、心を打ちます。

私的見所は、Netflixオリジナル『ザ・クラウンで』でのマーガレット・サッチャー役が大・大好評だったジリアン・アンダーソンの名演アゲイン。政治家の女性を演じたら今一番の俳優ではないでしょうか。強さと美しさと知性を携えて“ブレない”佇まいに、今回もぐいっとひきこまれました。また、ベティ・フォードの娘としてダコタ・ファニングが登場。重要な役割を果たしながら、物語に新たな息吹を添えていて、こちらも必見です！

STORY
3人のファーストレディ、ミシェル・オバマ、ベティ・フォード、エレノア・ルーズベルトは、ホワイトハウスを舞台に、どのような日々を送ったか。ときは、2008年、ミシェルの夫・バラクが合衆国史上初の黒人大統領に選ばれるが葛藤が募り……。

春になり新しい出会いや別れの機会が増えます。春を恋の季節とするならば、推しに推したいのが、ラブ＆ロマコメの天才ポール・フェイグが仕掛ける『LOVE LIFE』。シーズン１のヒットを受けて、シーズン２はさらに深みを増しました。心浮き立つ今の季節に観て欲しい作品です。

舞台はシーズン１と同じNY。シーズン2では、新たな主人公が恋愛を繰り広げる様子が描かれています。夫婦関係がマンネリ化していた主人公マーカス。ひょんなことから出会った女性にときめきアプローチするも失敗。さらに、それが妻に知られてしまい離婚することに。その後、家庭教師をしていたときの教え子に会うなどあの手この手で新しい出会いを求めますが、どの関係も煮え切りません。

SNSなどデジタルコミュニケーションが当たり前となった現代においても、運命の人と出会い関係を継続させるのがいかに難しいことなのかを、主人公マーカスのあたふたぶりがリアルに伝えます。全体的に親しみにあるムードなので、なんだか仲のいい男友達の恋愛話を聞いているような気分で、自然と応援モードに。「わかるよ。ほんっっと、恋愛って簡単ではないよね」と、マーカスに同情しつつ、好きな人がいること、好きな人を思う尊さ、文字通り“愛ある人生”の素晴らしさを魅せてくれます。30分尺でサクッと観られる秀逸なラブ＆ロマコメ、一日の終わりにいかがでしょうか。

STORY
出版社の編集者として働くマーカス・ワトキンズは、妻のエミリーと２人暮らし。ある日、結婚パーティで偶然出会った魅惑的な女性ミア・ハインズにどんどん夢中になり……。