12月は『還魂』や『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』といった話題作のシーズン2配信に加え、若手注目株がここぞと出演したティーンの復讐劇『代理リベンジ』など、チェックしておきたい作品が山積み! イッキ観にぴったりな良作韓ドラ4作品をぜひ年末年始にコンプリートしてみては?
【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約19年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手俳優の発掘が趣味の領域に。
『還魂』/大人が涙する、切ないファンタジーロマンス
ついに始まりました。シーズン2。シーズン1のえ、え、え〜〜!!という仰天のラスト以来、首を長〜くして待っていた人も多いのではないでしょうか。チャン・ウクは、ナクスの魂が入ったムドクは、どうなっちゃうの〜〜。ということで、まずはシーズン1のおさらいから。
舞台となるのはテホ国という架空の国の架空の時代。人々は魂を入れ替える還魂術によって生き永らえる“還魂人”の存在に怯えて暮らしているのですが、なぜなら還魂人は見た目は普通の人と同じなのに、暴走すると人の魂を吸い取る怪物になってしまうから。そんな還魂人を取り締まるのがチャン・ウク(イ・ジェウク)をはじめとする“水の気”を操りながら戦う術士たち。ウクは術士の名家の長男ですが、その出生に曰くがあり、気門を封じられ術を使えない。その気門を命懸けで開いたのが、凄腕暗殺者ナクス(コ・ユンジョン)の魂が入ったムドク(チョン・ソミン)。ムドクの瞳にナクスの魂を読み取ったウクは禁を犯して還魂人のムドクを侍女にし、彼女を師匠に術を磨いていく……というのがシーズン1の大まかなあらすじ。命をかけた師弟の関係はやがて互いがなくてはならない存在となり、最後に結ばれることを誓うのですが、その矢先、ムドクがある企みにより暴走、最愛のウクを刺し殺し、自らは湖に身を投げてしまうという! なのに死んだと思ったウクは“氷の石”の力でなんと復活、シーズン2へというわけです。
2で描かれるのはそれから3年後。氷の石の力で命と最強の強さを手に入れたウクですが、最愛の人を失い、悪霊には付き纏われ、人々からは恐れられ、ただただ還魂人を退治する日々。これがマジ切ないわけなのですね。一方、ムドクはといえば、実はその体が神女ブヨンだったことがわかり、それを知った母の願いにより助けられるのですが(よかった!)、魂がナクスのままブヨンの体を生かすか、魂がブヨンのまま体もろとも死なせるかの二択しかなく、しかも、顔はナクスとなり、記憶も神女としての力も失うしかない……。かくして、顔と魂はナクスのブヨンが生き残るわけですが、ここからはもう「何万乗」の切なさ。ナクスの顔を知らないウクと記憶を無くしたナクスと。存在してはならないのに、存在している二人。だからなのか、そうとは知らず惹かれ合っていく二人。早く、ナクスに気づいてほしいぞウク。早く記憶を取り戻してほしいぞナクス。まだ4話までの視聴ですが、固唾をのんで二人の行方を見守るしかなく……。帰ってきたファン・ミニョン演じるユルも切なさ倍増。切なさ洪水に1週間がもう待ちきれない!(さすらいのライター山崎)
『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』/大人気作品のリメイク版、待望のシーズン2が配信!
大人気スペインドラマの韓国リメイク版! 本国に負けず劣らずの圧倒的なスケールでたちまち話題となりましたが、待望のシーズン2が配信開始となりましたね。安定の徹夜ですぐに観終わってしまったのですが、これはシーズン1から2まで一気に観たかったな……という気持ちに駆られるほどスリリングな展開続きなのと、こういう登場人物の多いストーリーやバトルの勢いも重要になる物語こそ、間髪いれずにドラマの世界観と空気感にひたすらのめり込む「沼視聴」がおすすめかなと思う次第です。ということで、フレッシュな気持ちになって観られるかはさておき、年末年始にもう1周してきたいと思います(笑)。
具体的なシーズン1のあらすじはこちらの記事を観ていただけたらと思いつつ、シーズン2はあらゆる人間関係が浮き彫りになったり、各キャラクターたちの過去が明らかになったりと、伏線回収も多いんですよね。強盗団の真の目的な何なのか? その裏に隠された思いとは? この背景に心を動かされてしまうのは視聴者だけではなく、教授ことソノ(ユ・ジテ)と恋仲にある警察ウジン(キム・ユンジン)も然り。決して交わらないふたりの終着点は何処か……。そしてシーズン1からソノを怪しんでいた警察特殊部隊のムヒョクとの頭脳戦、体力戦も見どころですし、ベルリン(パク・ヘス)も安定に物語を掻き乱してくれる存在ですよね!! 扱いにくさ満点で仲間からも距離を置かれるベルリンですが、まんまと騙された……なシーンがやってくるんですよ〜。演技派の彼にとことん振り回されながら、トーキョー(チョン・ジョンソ)への想いが一層強くなるリオ(イ・ヒョヌ)の姿や、色気ムンムンのナイロビ(チャン・ユンジュ)の知られざる一面など、強盗団メンバーひとりひとりに愛着が湧く見せ方と展開もシーズン1よりもグッと濃密になっておりグッドでした。
本作の個人的な推しはデンバー(キム・ジフン)と父モスクワ(イ・ウォンジョン)。デンバーが好きな人はぜひ同じくNetflix配信の『エージェントなお仕事』の8話を観ることを強くお勧めします!! 本人役としてキム・ジフンが出演しているのですが、本作で再び話題となった俳優だけに、ドラマへの思い入れを感じる場面もありますし、これはドラマペン(ファン)必見です。(エディターK)
『代理リベンジ』/正義とはなにか? を追求したティーンの復讐劇
ヒロインのオク・チャンミ役には、大人気WEBドラマ『A-TEEN』シリーズの主演で一気に注目を浴びたシン・イェウン、同級生のチ・スホン役には、ゾンビドラマの質をこれまた爆上がりさせた『今、私たちの学校は…』で「このイケメンはどなたですか!?」と世間をざわつかせたパク・ソロモンと、その他若手実力派と若手注目俳優がわんさか集結した本作。自殺として処理された双子の兄の死の真相を突き止めるために釜山から転校してきたチャンミを主軸に、真実を追い求める中であらゆる事件が交差していることに気づくんですね。高校というひとつの小さな世界を中心として、互いへの疑念、信頼、裏切りが蔓延るなか、真実を見極めることができるのか? ティーンならではの精神的、肉体的な危うさも相まって、リアリティを感じさせながらも超スリリングな展開に仕上がっているわけなんです。
世界観の箱が小さい分、登場人物は至ってシンプルなので、物語にサッと入り込めるのが魅力かなと思う次第です。海外ドラマのように大規模なスケールで描いている作品は、誰がどの人だっけ!?(私がそのタイプ)となりやすいのですが、本作はそういった部分をかなり削ぎ落とし、ギュッと凝縮させているイメージ。
韓国だけの問題ではありませんが、いじめに関しても深く描かれていて、考えさせられるシーンも多い。この社会問題に繋がるのですが、ボクシング経験者で圧倒的な力を持つスホンが弱者のために復讐代行を担うことになるんですね。そこでチャンミの兄に加え、事故後に記憶喪失になってしまったソク・ジェボム(ソ・ジフン)や、いじめの加害者で何者かに大怪我をさせられたサ・ジュンギョン(チン・ホウン)など、すべての事件の犯人がスホンなのでは?と疑われたり、と思ったら新たな容疑者が出てきたりと、チャンミとともに常に振り回される感覚! 『模範タクシー』のティーン版ではないですが、類似したものは感じます。正義とは何なのか?に一歩踏み込んでいる作品です。
ひとつだけ超個人的意見ですが、最終回の見せ方にはすこーし疑問を感じてしまったかも。調べてみるとやはり本国でも賛否両論があったようなので、確かに異なる展開も観てみたかったかもな…などと思いましたが、とはいえ未来の大物スター大集結のドラマなので、それだけでもチェックしておいて損なしです! ラストの行方もぜひご自身の目で確かめてみてほしい。(エディターK)
『弁論をはじめます。』/予想を裏切る面白さに一気見必至案件!
思わずググってしまいました。主人公の弁護士ノ・チャッキに扮するチョン・リョウォン。ちあきなおみをまろやかにしたようなお顔立ち(喩えが古くてすみません)が、味わい深く印象に残るのですが、なんとデビューが2002年の41歳。かなりな中堅です。しかも、あの名作『私の名前はキムサムスン』で、サムスンのライバル役だったらしい(思い出せない……)。もちろん主演作も多々。なるほど。今までノーチェックですみません。作品、観ているのに覚えておらずすみません。今後必ずや出る作品を追いかけます! と、いうくらいリョンウォンに魅了されてしまったのが本作。
彼女が演じるノ・チャッキは、大手法律事務所「張山」で勝率トップを誇る剛腕弁護士。ほんわりとした見た目ではありますが、勝訴のためなら何でもしちゃうガツガツ強引タイプ。ところが、ある訴訟でミスを犯し、「張山」代表弁護士チャン・ギド(チョン・ジニョン)に命じられ、地方の国選弁護人として働くことに。実は、チャッキ、幼い頃に父に捨てられ、「張山」の会長宅で家政婦をする祖母ともども世話になりながら成長してきた経緯があり、その息子であるチャン・ギドには逆らえないという背景も。ブランド三昧に高層マンション、弁護料は6分4万5千ウォンと豪語していたチャッキは、いきなり勝率わずか3%の国選弁護人に成り下がり、住まいは貧しい屋根部屋。一緒に働くことになった同僚のシベク弁護士(イ・ギュヒョン)は、誠実そうだし優しいけれど、何かつかめないヤツ……。扱う案件もお金とは無縁の弱者の依頼人ばかりで心訴訟にあらずという感じ。
なのにです、渋々ながらも右往左往しつつ体当たりで訴訟に取り組んでいくチャッキに少しずつ変化が……。そして、それらの案件は、やがてチャッキにも関わる過去の隠された事件へとつながっていき……。高慢チャッキが目を白黒させながらお金にならない案件に取り組むさまが楽しいし、次第に本来の自分を取り戻していく姿も微笑ましく、そして痛快。それにしても同僚シベク。一癖も二癖もあるイ・ギジュンが演じているだけに、彼は果たしていい人なのか、味方なのか、それとも……。チャッキの変化と、シベクの存在と、そして、隠されていた事件と。派手派手しいスターは登場しておりませんが、予想以上の面白さ。年末の一気見に、ぜひ!(さすらいのライター山崎)