背筋が凍る【家系ホラー】! 猛暑なのに家に居たくない!? インドア派こそ観てほしい、マイ・ホームの恐怖世界 #映画

「家系」と言われていちばん先に頭に思い浮かぶのは、「ラーメン」という人が多いはず。しかしながら本記事では、猛暑だから家に居たいのに、居たくなくなるような、身の毛のよだつ「家系ホラー作品」をご紹介! 大のホラー好きである人間食べ食べカエル氏が厳選するとっておきの3作品を観れば、暑さが吹き飛ぶかもしれない!?

『悪魔の棲む家』/2000年代ホラーの空気が色濃く感じられるアミティヴィルホラー!

『悪魔の棲む家』家系ホラー作品 U-NEXT視聴可能
『悪魔の棲む家』U-NEXTで視聴可能。

世界各地の事故物件にまつわる曰くの中でもトップクラスの知名度を誇るのが、アメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドのアミティヴィルで起きた一家惨殺事件だろう。この事件はこれまでに何度も映像化されてきた。1979年版『悪魔の棲む家』を皮切りに、雨後の筍のようにアミティヴィルホラー映画が作られている。最近は屋敷が宇宙に行ったりもしているらしい。

さて、今回紹介するのは2005年版『悪魔の棲む家』だ。マイケル・ベイ製作、主演はまだ真面目な頃のライアン・レイノルズ、娘役には小さいクロエ・グレース・モレッツと錚々たるメンツ。本編は、オリジナル版と比較すると超パワータイプのホラー映画に変貌している。ド直球のジャンプスケアを連発し、見せ方よりも幽霊のグロテスクなビジュアルに力を入れている。終盤の残酷お化け見本市のシーンはこれぞアメリカのホラー!!って感じで最高です。2000年代のホラー映画の空気が頭から足の先まで詰まっている。これはこれで結構好きなんだよなあ。

それ以外にも、ライアンが段々と霊に侵食され狂気に蝕まれていく様も良かった。なんといっても、息子への圧のかけ方が素晴らしい。息子に両手で丸太を抑えさせて、自身はそれに全力で斧を振り落とす。この一連のシーンがいちばん怖かったかもしれない。ちなみに吹替だとライアンの声は藤原啓治があてている。これが結構ハマっていたので、吹き替え版もおすすめです。

『喰らう家』/真面目で丁寧な怪談と豪快な人体破壊がコラボした、独創性あふれる怨念ホラー!!

『喰らう家』家系ホラー作品 U-NEXT、Abemaで視聴可能。
『喰らう家』U-NEXT、ABEMAで視聴可能。

「グゴッグゲエエエ」というふざけ倒したキャッチコピーで知られる家系ホラー。その中身は至って真面目で、それでいてパワフルなものとなっている。最愛の息子を亡くした夫婦が引っ越した家が呪われていた! そんなありふれた出だしから物語が始まる。だが段々と様子がおかしくなる。正統派と類を見ない独特の味付けが同期しつつ、次第に家に巣くう何かの正体が明らかになっていく。本作はスロースタータータイプであるが、とにかく雰囲気がいい。幽霊がちょっと直接攻撃タイプだなと思うところ以外は真っ当な怪談といった感じ。

また、夫婦やその周りの人となりが繊細に描かれており、凡作にありがちな会話パートのだるさがない。監督・脚本を務めたテッド・ゲイガンの丁寧な仕事ぶりが光る。舞台となる家の内側と夫婦、そして村の人々の思惑を丹念に描いたうえでいよいよ待ち受けるクライマックス! これが本作のレベルを何段階にも引き上げる。終盤の幽霊たちの暴れっぷりがマジですごい! 積もり積もった恨みがバーストし、人間どもを文字通り引きちぎる! それまでちょっと攻撃がダイレクトだな程度に思っていたが、そんなレベルではない。ひとりまたひとりと、いけにえになる人間たち。家の中は血で真っ赤に染まっていく。

これまでのお膳立てがあったからこそ得られるこのカタルシス! バーニング幽霊の燃えたぎる怒りと、最後に少しだけ滲み出る悲哀が痛いほど伝わってくる素晴らしい作品だ。

『ホーンテッド・サイト』/前代未聞、最強最悪のキメラ幽霊屋敷を目撃せよ! 事故物件モノの常識が覆る!!

『ホーンテッド・サイト』家系ホラー作品 U-NEXT、Prime Videoで視聴可能。
『ホーンテッド・サイト』U-NEXT、Prime Video(吹き替え版)で視聴可能。

引っ越した先がヤバかった!系のホラーは昔からある王道ジャンルだが、本作はそれとは少し趣が異なる。曰く付きの部屋がまるっとそっくり無くなるという謎の事象が発生! それを調べていくと、なんと世界各地から集めた曰く付きの部屋やアイテムを集めて作られた最強のキメラ幽霊屋敷に辿り着いた!!!という物凄い設定の作品だ。正直なところ、序盤から中盤にかけてはそこまで特筆すべき点はない。

とはいっても、調査パートがとても丁寧だったり、謎の村を訪れてからはリン・シェイ(『インシディアス』シリーズの霊能力者などホラー映画に欠かせない最高の俳優)が存在感を出しまくったりと、それなりに見どころはあるため退屈はしない。だがやはりいちばん強烈にインパクトが残るのは、本作の顔であるキメラ幽霊屋敷の存在だ。これがロマンの塊すぎて、それまでのすべてが吹き飛んでしまう。

まず森の中にポツンと現れる曰く付きの寝室。それを過ぎるといよいよ本丸の屋敷が姿を現すのだが、そのビジュアルは、ありとあらゆる部屋がぎっしりと積み上がった超バカデカ異形屋敷! ファンタジーチックで、でもしっかりと禍々しく、何もかもが狂った増改築。変な間取りにもほどがある! まさにキメラとしか言いようがない。内装も無茶苦茶で、至るところで幽霊が死の間際を再現する。何度も、何度も。この一連のシーンが素晴らしすぎて大満足! 屋敷ホラー好きにはぜひ観てほしい一作だ。



【ホラードラマ ナビゲーター】
人間食べ食べカエル
あらゆるジャンルのホラー映画・ドラマを網羅する敏腕ライター。人が喰べられる作品に目がない。的確なコメントと面白いつぶやきがクセになる「X」アカウントは、@TABECHAUYOをチェック!

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