【雪×恐怖世界】ホラー好きの度胸を試す!? 身の毛がよだつ極寒ホラー作品３選！

『コールドプレイ』／登山道具で若者狩り！ ノルウェー発の極寒スラッシャー！！

世界各地で作られ続けるホラーの一大人気ジャンル、スラッシャー。ノルウェーが放つスラッシャー映画『コールドプレイ』は、北欧らしい寒々しい空気感に満ち満ちた作品となっている。雪山でスノーボードを楽しむ若者たち。だがその一人が怪我をしてしまう。やむなく近くの建物に避難するが、そこに殺人鬼が現れる！ ストーリーはド直球の殺人鬼サバイバルだが、この映画の特色として画がとにかく寒い！ 寒冷系の青々しい色使いで、画面から常に冷気が漂ってくる。夏に観たらクーラー代わりになるんじゃないかと思うほどだ。舞台が屋内メインなので登場人物はそこまで寒がらないが、だんだんと観ているこちらの方が寒くなってくる、そんな映画である。

殺人鬼はバリバリの寒冷地仕様で、全身ブ厚いアウターを着こみ寒さ対策はバッチリ。メインウェポンが登山用の斧やツルハシなのも個性が出ていて好感が持てる。これらの武器で若者たちを狩るシーンはグロさ控え目ではあるが、時折出てくる痛々しい描写が素敵だ。知名度はあまり高くないが、観て損はない良作である。ちなみに本作には『ザ・コールデスト』という続編も存在するのだが、これが更にパワーアップというか、完全にブチ切れたバトルホラーに仕上がっている。こちらもかなり面白いのでおすすめだ。

『30デイズ・ナイト』／ヴァンパイア×極夜=無間地獄！ 超過酷設定で送るバトルホラー！！

限定された舞台の中でサバイバルを繰り広げるタイプの映画は好きだけど、この作品は特にお気に入り。アメリカの北の果てに位置する小さな町。そこでは極夜と呼ばれ、１ヶ月程度日が昇らない期間が存在する。もし、この期間に、闇夜で蠢き人の血を喰らう凶悪なヴァンパイアたちが襲撃してきたら……。どうですか。この設定だけで勝ちでしょう。こんな素晴らしいアイデアに大金を注ぎ込んで映像化した贅沢な映画が『30デイズ・ナイト』だ。最高なのは設定だけでなく、キャラの描き込みやアクションも同様だ。

雪に閉ざされ、逃げ場のない町中で隠れつつ戦う展開は、とてつもなく恐ろしくてスリル満点。見どころは多いが、中でも住民がヴァンパイアたちに襲われて、雪で真っ白な町の至るところが血で真っ赤に染まる様を上空から映すショットは本作の白眉だ。ようやく見つけた餌場なのに後先考えずに殺しすぎだろとか思わなくもないが、そんな考えを吹き飛ばすくらい画にパワーがある。それだけでなく、前面にでっけえ刃がある車両で敵を文字通り粉砕するなど、アドレナリンの出るエネルギッシュな見せ場もあり、恐怖と爽快感の両方が味わえるのも嬉しい。そして終盤は想像以上に激アツ展開になり、最後は美しさと哀しみを残して静かに終わる。なんて良く出来た映画だろうか。映る景色は極寒そのものだが、凄まじい熱量に満ち溢れた傑作だ。

『世にも奇妙な物語 映画の特別編』／“世にも”史上最恐エピソード！ 精神的にも物理的にも凍り付く壮絶ホラー！！

世にも奇妙な物語=ホラーというイメージを持つ者は少なくないだろう。近年はあまり怖い話は無いが、それでもまだまだこの印象は根強いかと思う。その一因になっていると考えられるのが、『世にも奇妙な物語　映画の特別編』の最初のエピソード「雪山」だ。

飛行機が雪山に墜落。僅かに生き残った生存者たちは、吹雪で大荒れの中を徒歩で移動する。途中で、足を怪我した女性をやむなく置き去りにし、残りの人たちは古びた小屋に入るが、そこで想像を絶する恐怖体験をすることになる……。『世にも～』の恐怖エピソード「急患」や「影の国」などを手掛けた落合正幸監督によるこの話、評判通りメチャクチャ怖い。開始早々、飛行機の残骸とともに転がる損壊した乗客の死体を映すところから、絶対に容赦しないという気概を感じる。寒さの表現も素晴らしく、こっちまで遭難してる気分になってくる。小屋にたどり着いた後の、有名な四隅移動の話をベースにした展開も背筋を凍り付かせる。もう木の板の染みをまともに見られませんって。怖すぎて。一人ずつ息絶えていく絶望的な展開の果てに待ち受ける衝撃のラスト。からのもう一段踏み込んで恐怖を与えて終わる構成。文句のつけようがありません。このレビューを書くにあたり再見したら、久々に電気をつけたまま寝る羽目になりました。だって電気を消すと、暗闇にスコップを食らったあの顔が脳裏に浮かんでしまうから……。

【ホラードラマ ナビゲーター】
人間食べ食べカエル
あらゆるジャンルのホラー映画・ドラマを網羅する敏腕ライター。人が喰べられる作品に目がない。的確なコメントと面白いつぶやきがクセになるTwitterアカウントは、@TABECHAUYOをチェック！