『Eye Love You』で空前のヒョプ様ブームを巻き起こした、チェ・ジョンヒョプ最新ロマンス『偶然かな。』や、いわゆる“強面俳優”としてのイメージが強かった演技派オム・テグの初ロマコメ『遊んでくれる彼女』など、今季は心に刺さる良作ロマンスが目白押し! 連日の酷暑で疲れが溜るなか、心のエネルギーチャージに一役買う話題作をお見逃しなく。
『偶然かな。』ディズニープラス スターで独占配信中(全8話/初回4話、以降毎週月・火1話ずつ配信) (c) IOKCOMPANY Co.,Ltd. ※配信時間は変更になる可能性があり。
Netflix映画『ワンダーランド: あなたに逢いたくて』独占配信中
『遊んでくれる彼女』U-NEXTにて独占配信中 © SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.
Netflixシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』シーズン1〜3独占配信中
【韓国ドラマ ナビゲーター】 さすらいのライター 山崎敦子 『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班/エディターK 母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、20年間以上あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。ドラマを観るたびに推しの俳優が増えていく毎日です。
キム・ソヒョン×チェ・ジョンヒョプ『偶然かな。』/ドストレートな“初恋”を映し出す王道ロマンス
『偶然かな。』ディズニープラス スターで独占配信中(全8話/初回4話、以降毎週月・火1話ずつ配信) (c) IOKCOMPANY Co.,Ltd. ※配信時間は変更になる可能性があり。
王道という言葉があるけれど、最近はロマンスでもサスペンスをいい具合に絡めたり、ファンタジーを入れ込んでみたり、ヒューマン的な問題意識を下地にしていたり、かなり複雑かつ肉厚に入り組んだ作品が主流になってきていますが、そんななかシンプルに、ロマンス一本にキューッと的を絞ったこれは、もう久々の王道作品と言ってもいいのではないでしょうか(まだ4話までの視聴ではありますが)。原作は大人気のウェブトゥーンだし、しかも、主演は子役時代から人気のヒロイン俳優キム・ソヒョンと、日本大ブレイクのヒョプ様ことチェ・ジョンヒョプだし。ヒョプ様は『Eye Love You』以降、最初の韓国ドラマ主演となるわけで、彼推しの私的にも配信前からもはや胸がキュンキュン膨らみきっていた待望の作品なのでありました。 ジョンヒョプが演じるのはアメリカの本社で活躍する敏腕ファイナンシャルプランナーのカン・フヨン。支社のある韓国に10年ぶりで帰国したフヨンが、キム・ソヒョン演じる高校時代の同級生イ・ホンジュと“偶然”再会するところから王道のロマンスがスタートします。ドラマは、初恋が再燃するであろう現在の物語に、高校時代のふたりのエピソードをフラッシュバック的に挿入させながら進んでいくという、これまた王道の期待を増幅させる構成。高校時代のフヨンは数学オリンピックで金メダルを獲るほどの秀才かつツンデレタイプ。ホンジュはそんなフヨンに恋する親友のため、恋の橋渡しをするべく何かとフヨンにまとわりつくわけですが、計算通りにはいかない予測不能なホンジュにいつしかフヨンが惹かれていき……という経緯が。 現在のフヨンはそんな一方通行の初恋を胸奥に燻らせていたわけで、10年ぶりに会ったホンジュは変わらず予測不能でコミカルで、そして温かく、再び彼女への初恋を再燃させてしまうのですが、ホンジュには10年の間に負った心の傷となっている失恋の経験があり、その相手とも再会し……。ということで、高校時代の初恋、親友の想い人、10年後の偶然の再会、そして、切ない三角関係と、もう王道のあるあるモチーフ満載。この安心してきゅんきゅんに没頭できるロマンス、やっぱりいいなあ。観ながら知らない間ににやにやしちゃう至福。フヨンの「表現するのがちょっと不器用なところが似ているかも」とは、ヒョプ様ご本人談より。ヒョプ様のヒョプ様らしいツンデレぶりも、もう、たまりません。全8話中、私的にはあと残り4話。週刊少女漫画誌を毎週心待ちにしていた昔に戻った気持ちで、大いに楽しみたいと思います。(さすらいのライター山崎)
『偶然かな。』ディズニープラス スターで独占配信中(全8話/初回4話、以降毎週月・火1話ずつ配信) (c) IOKCOMPANY Co.,Ltd. ※配信時間は変更になる可能性があり。
ハン・ソナ×オム・テグ『遊んでくれる彼女』/ソ・ジファンが可愛すぎてつらい……! 大人がハマる斬新ロマコメ誕生
『遊んでくれる彼女』U-NEXTにて独占配信中 © SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.
6月〜7月配信開始ドラマでいちばんハマった作品は、迷わずコレ。ソン・ソックブーム以来の強面俳優のビッグウェーブと言っても過言ではありません。大人の皆さんは、オム・テグの熱にあてられる心構えをしてから観てください。これまで役柄的に「怖い人」のイメージが定着していたテグの新境地で、こんな愛くるしかったんですか!?と、してやられた気分。最高に萌える。コロコロ変わる表情とハイテンションの演技が似合う、ハン・ソナとのケミも抜群すぎます。タイトルからは想像できない大人の良質なロマコメでもあり、事情を抱えた前科持ちの人々の更生や生きづらさを描く社会派ドラマでもあり、今季イチだった!と強く強く推したい作品なのです。 韓国の人気ウェブ小説の実写化だけあり、世界観はかなり今どき。底抜けに明るい主人公のコ・ウナ(ソナ)はキッズクリエイター“ミニオンニ(お姉さん)”として、子ども向けの「遊び」動画を配信しているんですね。ひょんなことから、裏社会から足を洗い、食肉加工品会社「乾いたしか」の代表を務めるソ・ジファン(テグ)と出会います。冒頭の出会い方やふたりの距離の縮め方は従来の韓ドラスタイルで目新しさはそんなにないけれど、ジファンがとにかく終始可愛いのですよ!! 設定だけ見ると「怖い人」なのに、言動が終始チャーミング。そして天然。恋愛経験なしの36歳が恋をするとこんなに破壊力があるのか!?と、頭を抱えたくなるほど愛おしい。初ロマコメ出演というテグに、本作で沼落ちする人が続出しています。特にウナと公園で酔っ払いながら“遊ぶ”シーンはもう神回ですし、中盤〜終盤に向けて放たれるなんとも言えないダダ漏れの色気に、心なしか暑い。冷房バッチリの部屋なのに火照って暑い。 リアルなようで夢っぽさもある、そんな絶妙なラインを狙うふたりの恋愛模様が心に刺さるのかもしれません。加えてウナに想いを寄せる検事チャン・ヒョヌ(クォン・ユル)との王道の三角関係も楽しめちゃうお得感もありつつ、なんと言ってもジファンと共に暮らす5人の社員たちとの生活が尊い。何度笑って、泣いたことか。皆それぞれに事情を抱えながら、一生懸命仕事に向き合っている。けれど、なにかひとつ誤解を生む言動をすれば、すぐに足を引っぱられてしまう。社会復帰の難しさを、ユーモアを交えて表現するのが本当に韓ドラは上手いんですよ……。ふたりの過去にまつわる“ヒョヌオッパ”然り、心が温かくなる大人のためのヒーリングドラマです。(エディターK)
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ソン・ガン×コ・ミンシ×イ・ドヒョン『Sweet Home -俺と世界の絶望-』シーズン3/大人気作品の最終シリーズがついに配信
Netflixシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』シーズン1〜3独占配信中
ついにラストシーズンが配信されました。オンボロマンション「グリーンホーム」の住民と、突如現れた怪物との絶望的な戦いをエキセントリックな見せ方で繰り広げたシーズン1。「真の怪物はどちらか?」にスポットライトを当て、人に危害を加えない怪物さえも関係なく一律に抹消する人間の残酷な行為を通じて、現代社会の闇に踏み込んだシーズン2。物事の本質への問いも感じられました。そして今回のシーズン3。主演ソン・ガン演じるチャ・ヒョンスをはじめ、グリーンホームで離れた兄を待ち続けるイ・ウニュ(コ・ミンシ)、元特殊部隊の消防官で“怪物”の子を産んだソ・イギョン(イ・シヨン)など、それぞれのキャラクターたちの覚悟や決着のようなものがうかがえるシーズンになっている。大人気作品なので賛否両論のある終わり方ではあったものの、ほぼCGのなかここまでしなやかで迫真の演技を見せてくれた俳優陣と、勢いある演出で視聴者の感情を揺さぶった製作陣の気概には頭が上がりません。 まずシーズン2の終わり方がニクいですよね。怪物化したと思われたウニュの兄ウニョク(イ・ドヒョン)が「え、巨大な繭から誕生した……?」と目を疑う演出でエンド。見た目はウニョクそのままだけれど、果たして怪物なのか? 人間なのか? それともまったく違う新たな人種なのか––。そして“半怪物化状態”として惨い実験をされた特殊感染者たちの復讐劇も凄まじく、軍の特殊部隊が仕切る安全キャンプことスタジアムの偽りの安寧も崩れ去り、真の意味での絶望がまた降りかかってくるんです。名前で呼んだこともない、怪物として生まれた我が子(キム・シア)を育てるイギョンの葛藤も痛々しいものの、望んで怪物として生まれたわけではないのに、幽閉されたように暮らす幼い彼女の心の痛みもつらくのしかかる。我が子に、人間を怪物化させる能力があると気付いた時のイギョンの絶望と、次第に母や“人間”に対して怒りを募らせていく彼女。終着点が一体どこにあるのか、これは観る人によって解釈が異なりそうですが、決して現実離れした物語ではないことだけは確かです。 壮大なスケールで描いてきた物語もついにクライマックス。作品の演出方法としても観る人を選ぶ作品であることは間違いないけれど、単なる怪物VS人間の戦いではない、社会への強いメッセージを感じさせるドラマだけに、そのストーリーの全貌をぜひ確かめてみてほしい。(エディターK)
Netflixシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』シーズン1〜3独占配信中
ペ・スジ×パク・ボゴム『ワンダーランド: あなたに逢いたくて』/真理はどこにある? ひとりひとりに投げかけられる問い
Netflix映画『ワンダーランド: あなたに逢いたくて』独占配信中
AI技術が日進月歩で進化している今、ひょっとしたらこの仮想の物語は、すぐにでも実現可能な世界なのかもしれません。だとしたら、私だったらどうする? あなただったらどうする? 美貌の中国俳優タン・ウェイ(本作の監督は彼女の夫)のふわりとした何やら幻想的なシーンから、その物語は始まります。ウェイが演じるのはバイ・リー。世界を渡り歩くファンドマネージャーとして活躍していた彼女ですが、いるのは何やら病室のような空間。「そこでの私は死んだ自覚がないのですよね」と彼女。そして、場面が変わると彼女は、なぜか遺跡発掘に向かう考古学者になって空港にいる、という具合。そこでのリーは、母とも娘とも映像を通して普通に会話ができるのですが……。そう、実はこの考古学者リーが生きる世界こそAI技術が作り出した仮想空間“ワンダーランド”。 これ、AIにより蘇らせた死者と対話できるサービスなのですが、映画はその利用者にまつわる幾つかの物語を並行させながら展開。そのひとつとして登場するのがパク・ボゴム(役名はテジュ)とペ・スジ(役名はジョンイン)のカップル。CAのジョンインは宇宙飛行士の恋人テジュとことあるごとに通話しながら日々の生活を送っています。元気で優しいテジュは、いつでもジョンインの味方。落ち込んでも慰めてくれるし、探し物の在りかも正確に教えてくれるし。でも実は、現実のテジュは植物状態で入院中なのです。ところがある日、そのテジュが目覚めるという奇跡。仮想のテジュと現実のテジュ。その時、ジョンインは何を思うのか……。 キャストの豪華さも半端なく、チョン・ユミとチェ・ウシクもワンダーランドのスタッフという役どころで登場し、実はふたりにもワンダーランド利用にまつわる物語が。『ラケット少年団』でも高い演技力が評価されたタン・ジュンサンが扮するのはロンドンで俳優を目指す仮想の孫役。彼らが紡ぐそれぞれの物語のAIは、対話の積み重ねにより成長しているというのがミソでして。AIを否定的でもなく、かといって積極的な肯定でもなく描き出しているのがこの作品。その先に微かに見えてくるのは、果たして希望? 観終わった後に自分と深く向き合いたくなるような感慨にひたるというか。できれば映画ではなく、ドラマの形でも観てみたい。そう思わせる作品です。そうそう、言い忘れましたが、この作品でもあのコン・ユがカメオで登場。出番はわずかですが、これがまた後引くコン・ユなのですよね。さすがだなぁ。(さすらいのライター山崎)
Netflix映画『ワンダーランド: あなたに逢いたくて』独占配信中