1980年代に大ブレイクして以来、30年以上も愛され続けている伝説のドラマ「あぶない刑事」。夢中になった人も多いはずだ。そのラストとなる映画『さらば あぶない刑事』が1月末にいよいよ公開となる。前回の映画以来、10年ぶりのコンビ復活となるタカ&ユージ。ファッショナブルでハードボイルドな二人に期待が高まる!
――久しぶりの共演ということで、コンビネーションはいかがでしたか。
柴田 普段はあまり会ってないんですよ。たまにゴルフ場で会うくらいで。でも、現場で「おはよう」と言ったとたん、タカとユージになれる。
舘 そうだね。(浅野)温子にしろ、(仲村)トオルにしろ、会えばすぐに昔のテンションになれる。とにかく4人が集まると特別なパワーを感じます。
――今作のアクションもハードで、お二人とも60歳すぎと思えませんでした。何かトレーニングはしましたか?
舘 特にしなかったですね。ハーレーに乗ったのは10年ぶりだったけど、現場で乗り回してたら、すぐに勘を取り戻しましたね。
柴田 僕は羽生(結弦)くんを見ながら、4回転ジャンプを練習しました……というのはウソです(笑)。僕も特別なことはしてないですね。今回もかなり走ったけど、長年草野球をやっていて、盗塁のサインが出たら走らされてるので。
舘 相変わらず軽快でびっくりした。
柴田 まあ、舘さんより若いので(笑)。でも、さすがにボートと並走する場面は息が切れて死ぬかと思った。だからアクションシーンでテロップを入れてほしいの。「実年齢64歳」って(笑)。
舘 だけどさ、体力的にもう無理かなと思ったら、それなりにできちゃったよね。70歳でもできそうな気がする。
柴田 80歳すぎたら別な意味で、「あぶない刑事」になりそうだけどね(笑)。
――役柄と本人のイメージは、お互いから見て、一致する部分が多いですか。
舘 恭さまは現場ではいつも静かに台本を読んで、ずーっと研究してるんですよ。すごくマジメ。ユージのいい加減で一気呵成でいく感じとは相当違う。
柴田 舘さんはタカそのもの。ハードボイルドだけど、根っこのところがすごくあったかいんです。僕がどんなむちゃぶりしても受けてくれるし。「あぶない刑事」のクールだけど、どこか温かい雰囲気は、舘さんが醸し出すやさしさが作っているんです。
舘 やさしいです、僕。特に女の人にやさしいです(笑)。
――そんなお二人がどんな化学反応を起こすか。それがやっぱり「あぶない刑事」の最大の魅力ですね。
舘 僕にとっては柴田恭兵という俳優と出会って、いろんな影響を受けたことで役者としての可能性が広がったと思っています。恭さまのアドリブひとつとっても本当に毎回刺激になったし。
柴田 舘さんの演技の引き出しを最初にいっぱい開けたのは僕ですね。
舘 そう。僕は恭さまの手のひらで転がされてるだけ(笑)。恭さまと出会えてよかった。
柴田 その言葉、そっくりそのままお返しします。僕のアドリブは舘さんにウケるにはどうしたらいいんだろうっていうことしか考えてないですからね。舘さんと出会わなかったら、こんな素敵な作品にならなかった。
舘 とにかく今回も大笑いしながら現場で過ごせたのは幸せだったね。タカとユージのはちゃめちゃっぷりを見て、みなさんもちょっと元気になってくれたらうれしいなと思います。
――では、最後にSPURの読者にひと言メッセージをお願いします。
舘 美しくいなさい、ということかな。すぐに「可愛い」に逃げようとするけど、30歳すぎてそこに逃げちゃダメ。
柴田 人生、前に飛べ!
映画『さらば あぶない刑事』
横浜港署の刑事、鷹山敏樹=タカ(舘ひろし)と大下勇次=ユージ(柴田恭兵)。あと5日で定年退職になる二人の前に、世界の闇市場を暴力で牛耳る中南米マフィアが現れる。史上最強の敵を前に、命を賭けた闘いにタカとユージが挑む。二人の雄姿はもちろん、奇抜ないでたちの真山薫(浅野温子)や、上司となった町田透(仲村トオル)など、おなじみのメンバーの活躍も見逃せない。※ 1 月30日より全国ロードショー。
http://www.abu-deka.com/
PROFILE
(左) 舘ひろし
たち ひろし●1950年愛知県生まれ。’76年、俳優デビュー。代表作に「西部警察」「なるようになるさ。」など。歌手としても活躍。デビュー40周年の記念アルバム『ANTHOLOGY』には「あぶない刑事」の主題歌「冷たい太陽」も収録。
(右) 柴田恭兵
しばた きょうへい●1951年生まれ。’75年、劇団「東京キッドブラザース」に入団。’77年、映画デビュー。代表作に「はみだし刑事情熱系」「ハゲタカ」「64」など。映画『半落ち』(’03)では、日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞。
SPUR2016年3月号掲載
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