クラシカルだけど新しい街でアート・クルーズを満喫

絵本作家 B子の一日

右手に和光の大きな時計、左手に三越の重厚なエントランス。 歩行者天国になった銀座4丁目の交差点に立つと心が弾むのは、母や祖母に連れられて来ていた小さい頃からかわらない。私にと っての銀座は、今も昔も大好きな大人の女性の街です。
今日は、 絵本作家として仕事を頑張った自分へのご褒美に、一日この街で 過ごす予定。最初に訪れるのは、「銀座メゾンエルメス フォーラム」 ①。1階フロアに広がるスカーフの華やかさに目移りしそうになる心を抑えて、エレベーターで8階へ。やわらかい朝の光が差し込むギャラリーで現代アートと向き合う静かな時間を過ごしてから、街の喧騒に戻ります。ソニービルに入っている「NADiff du Champ」②で、仕事の参考に……と言いつつ好きな写真集を物色しているうちに、おなかがすいてきました。「渋谷ロゴスキー 銀座本店」③で昔懐かしい味のロシア料理ランチをいただきます! ここの味つけはきっと祖母も好きなはず。今度は一緒に来よう。
にぎやかな中央通りをのんびり歩いて1丁目の方向へ。目指すは 「銀座奥野ビル」④のギャラリーです。レトロなビルはさまよっているだけでタイムスリップした気分。その後は「森岡書店銀座店」 ⑤で開催中の展示をチェック。いつか、私の描いた絵本が、ここで販売されたら素敵だな。新しい目標が生まれ、決意をもって再び4丁目の交差点へ。

リニューアルオープンした三越に新しく入った「TASAKI 銀座三越店」⑥で、新作リングを試しづけしたとたん、ぐっとモダンになった手もとに驚き、「自分へのご褒美にぴったり」と、思いきって買うことに!
浮き立った気持ちのまま、慢性的な肩こりを癒やすべく向かったのは「せんねん灸 showroom GINZA」⑦「レストラン よねむら 銀座店」⑧では、母からリクエストされていたクッキーを購入。 それに合わせて、「TORIBA COFFEE」⑨では、テイスティングしてコーヒー豆を購入し、店を出るとすっかり日が暮れています。今日最後の目的地は「ART FOR THOUGHT」⑩。アートを鑑賞しなが らカクテルを飲んでいたら、憧れのイラストレーターさんが偶然来店したので紹介してもらうことに。こんなうれしい出会いが用意されているのも、 銀座という街のもつ力。買ったばかりのパールの指輪が目に入るたび、うれしい気持ちが増していきます。

SPUR2016年4月号掲載
>こちらの特集は電子書籍でもご覧いただけます

FEATURE
HELLO...!