ピンク色のアクの泡も、おやつにアレンジ。福田さん流のジャム作りは乙女心をくすぐるアイデアが満載!
煮る途中でいちごの色が抜けて、再び赤くなったらでき上がりの合図
ジャムの王様といえば、いちご。「いちごは面倒な下処理の必要もなく、ジャム作り初心者でも始めやすい果物です。小粒で安価なジャム向きのいちごが出回る時期なので、ぜひトライしてみて」と福田さん。「大鍋でたくさん煮るイメージもありますが、家庭で作りやすいのは300g程度です。いちごは大粒でも小粒でも、1パックでだいたいそのくらい。1パック分なら家庭のお鍋で作れるし、食べ切るにも負担がかからないですよね」。いちごの種類は好みだけど、なるべく小粒のいちごを手に入れて粒の形を残すと見た目も可愛い仕上がりに。「いちごは途中色が抜けて白っぽくなり、さらに煮ると色が戻って赤く透明感が出てきます。それができ上がりの合図。鍋の表面に浮くピンクの泡はアクですが、実はおいしいので、捨てずにミルクなどに浮かべて楽しんでください」
Profile
お菓子研究家。約10年前に上梓したジャムの本が多くのリクエストを受け、5月に再販決定!『季節の果物でジャムを炊く 毎日おいしい63のレシピとアイディア』(立東舎)。
BASIC RECIPE
いちごジャム
[材料](約280㎖分)
いちご 約1パック(正味300g)
グラニュー糖または上白糖 150g
レモン汁(好みで)小さじ1~3
※鍋はホウロウか18−8ステンレス製を。アルミ製は不向きなので避けること。
[作り方]
1 いちごはさっと洗い、水気を切ってへたを取る。大粒なら2〜4等分に切る。(今回使用したいちごは写真下・左の紅ほっぺ)
2 ボウルに1と砂糖を入れ、軽く混ぜてラップでふたをする。そのまま常温で3 時間~半日置き、水分が出たら鍋に移す。好みでレモン汁を加える。
3 2の鍋を強火にかける。軽く木べらで混ぜながら加熱し、沸騰してアクが浮いてきたら、スプーンで茶こしに移して取り除く。アクも食べられるので、捨てずに取っておく。
4 中火にして、焦げつかないように木べらで鍋底からゆっくり大きく混ぜながら、とろりとするまで煮つめる。いちごから色が抜けて白っぽくなる。
5 約15分ほど煮て、煮汁がとろりとし、再びいちごに色が戻ったらでき上がり。冷えると熱いときよりもう一段階とろみがつくので、少しゆるい状態で火からおろす。
6 ジャムが熱いうちに、清潔な瓶にスプーンですくって詰める。冷蔵庫で保存し、1週間程度で食べ切る。
+ ADVANCED RECIPE
いちごバター&卵なしのふわふわパンケーキ
[材料](作りやすい量)
バター 100g
いちごジャム 大さじ2
A…薄力粉 100g
きび砂糖 大さじ2
ベーキングパウダー 小さじ1/2
塩 小さじ1/4
牛乳 120㎖
植物油 大さじ1
いちごジャム 適宜
[作り方]
1 いちごバターを作る。室温でマヨネーズ状に柔らかくしたバターに、軽くつぶしたいちごジャム大さじ2を混ぜる。オーブンシートで巻いて棒状に包み、冷蔵庫で固める。
2 パンケーキを作る。ボウルにAを入れ、泡立て器で混ぜて空気を含ませる。牛乳を注いでさっくりと混ぜ、植物油も加えて手早く混ぜる。
3 油(分量外)を引いたフライパンを火にかけ、薄く煙が立ったら、2 の生地を丸く流す。表面に穴がぷつぷつあいたら、フライ返しで返して両面焼く。
4 器に盛り、輪切りにしたいちごバターをのせ、いちごジャムをかける。
いちごジャム入りバターとふわふわパンケーキの夢のような組み合わせ。「いちごバターはオーブンシートで包んだ状態でプレゼントにしても。トーストにのせたり、軽く岩塩をふればそのまま酒の肴にも」
SOURCE:SPUR 2017年6月号「しあわせは瓶の中に 小さなジャムの宇宙」
photography:Nao Shimizu edit:Kaori Okuda
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