ガラスの器をしつらえる

涼やかで美しい佇まいの作品を食卓に

ニュアンスのある色を選んで、ほどよい抜けと存在感を演出

 陶器や磁器のその先に追求したくなるのがガラスの器。食卓で普段使いができたら、どんなに素敵だろう。
「食卓にガラスのコップを置くだけで、そこに抜けや軽さが生まれますよね。形が違うだけで、ガラスの器でも同じ効果が期待できます。ただし無色透明のデザインは、飾ることに特化する場合は魅力が引き立ちますが、器として使うには難易度が高め。なぜならテーブルの色やクロスの質感をダイレクトに拾ってしまうため、ガラスの存在感が消えてしまうのです。おすすめはグレーやブルーなどとろみがある淡色やシックなスモーキーカラー。これならそうめんにオクラをのせただけのシンプルな料理でさえ、ぐっと映えます。
 光が反射したときの影にもうっとりするガラスの器。触感がやわらかく、みずみずしさと夏の涼しい癒やしを与えてくれる素敵な存在です。ぜひ、日々の食卓に取り入れてみてください」

1 鈴木努作の重ねられるモールグラス。さざ波のような揺れに色気を感じて。 〈φ9.5×H9〉¥3,500/ラ・ロンダジル

2 ガラス作家・黒川登紀子氏によるプレート。まろやかな肌ざわり、微妙に異なるミルキーな色が絶妙。
〈上:φ15.5〉¥4,000・〈下:φ19〉¥5,000/ドワネル

3 チェコの職人が作る、マウスブローグラス。自然の産物から発色した淡いグリーンに心酔。
グラス〈φ7.5×H 8 〉¥3,200・シュナップス グラス〈φ5.5×H6.5〉¥2,800/ドワネル

4 「フレスコ」のkasumiは、センシュアルな湿度をまとって。ボウル〈φ18×H 5 〉¥4,400/リビング・モティーフ

5 色や質感を繊細に再現するキルンワークを用いる八木麻子氏。ぽこぽことした触感や色は、氷菓子のような愛らしさ。カッティングボード代わりに使えば食卓が華やぐ。〈21.5×26㎝〉¥16,666/ドワネル

教えてくれたのは岩﨑牧子さん

スタイリスト。フードやインテリアを軸に雑誌や広告で活躍。アンティークとモダンを織り交ぜた洒落たスタイリングに定評あり。筋金入りの器好きで、自宅の巨大な食器棚にはあふれんばかりの器をコレクション。

SOURCE:SPUR 2017年9月号「夏にしたいこと、ぜんぶ!」
photography:Yumiko Miyahama edit:Yukino Hirosawa

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