──あなたはマット・デイモン主演の「ボーン」シリーズのファンだったそうですね。ポール・グリーングラス監督とのランチミーティングで、本作の出演が決まったと聞きましたが、その時の感想は?
ワクワクしました。私は、ティーンエージャーの時に「ボーン」シリーズを観て育ちました。「ボーン」シリーズは、今まで観たことがない完全に新しいスパイ映画で、社会政治的な要素が織り込まれた知的な映画でありながら、楽しめるアクション大作映画でもある点が素晴らしいと思います。だから大好きな作品の現場に足を踏み入れられることにとても興奮しました。小さい頃から敬愛してやまなかったマットと共演できたり、本当に素晴らしいフィルムメーカーであるポールと仕事ができたりするチャンスがもらえて。たしか出演決定の電話がかかってきた時、私はどこかの通りを歩いて、すごい笑顔になった気がします。
──CIA捜査官ヘザー・リー役に扮する際に留意したことは?
脚本を読んでいると、ヘザーは野心家でありながら、努力家でもあるという印象だったんですね。CIAであんなに若くしてあのポジションですから。けれど同時に自分のことを声高に話すキャラクターではないというのが面白いなと思いました。自分の気持ちを周りに見せない…ということは彼女には隠されたバックグラウンドがあるんじゃないか、もっと掘り下げられる部分があるんじゃないかと思ったんですね。観客には「ヘザーは本当は何がしたいんだろう?」って思わせられるような演技をしたつもりですし、そのあたりをこだわりました。