「美しく、同時にワイルドで気取っていない。そんな私の家が、大好き!」
こう語るマリー=フランス・コーエンの家は、緑にあふれた庭をとり巻く、2フロア。これまで亡き夫と手がけてきたショップ、「ボンポワン」と「メルシー」は、いずれも“面積あたりの稼ぎを計算せずに、広くて心地いいこと。家のように感じられること”をコンセプトとしてきた彼女。インテリアへの情熱は、計8人の子だくさんで、家づくりに熱心だった父から受け継いだという。
パリ15区の閑静な住宅街にあるこの家を見つけて最初にしたのは、ピカピカだったフローリングを漂白剤で洗い、年季が入った質感に仕上げたこと。さらにエントランスからひと続きの大きな部屋は、今ではリビングとオフィスのスペースに仕切られ、無数のランプが配されている。
「私のインテリアづくりに、ルールはないの。さし色も含め、大切なのは、フィーリング。リビングにグリーンのシェードが顕著なのは、単に植物が好きだから。オフィス・コーナーでは結果として赤がアクセントに」。ここではブリュッセルの友人のショップ「デューン」や南仏、またはパリの蚤の市で見つけた、16世紀から50年代までのアンティーク、つまり時代もスタイルも異なる家具やオブジェが共存している。「美しさには、いろいろな形がある。シンプルなものに美しさを見いだし、完璧なプロポーションで融合させること。それが私の信条ね」
PROFILE
マリー=フランス・コーエン1975年に、夫と共に子ども服「ボンポワン」をスタート、2007年に売却。2年後にはコンセプトストア「メルシー」を立ち上げ、4年後に売却。昨年はサロンドテ「ミス・マープル」をオープンし、この秋インテリア・ブランド「デモデ」でライフスタイル・シーンにカムバックした。
着たい服はどこにある?
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