心地よい衣食住の形を肌で感じる
茶室アレンジのブティックホテル
長い小上がりを設えた「M.ミディアム」ルーム。段差に腰掛けると縁側に座っているような感覚を得られる
老舗ホテルに惹かれるのと同じほど、業界新規参入のホテルにも感興が湧く。異なる業種から試行錯誤を経て独自のスタイルを築き、それが後のスタンダードとなる例が多くあるからだ。
衣類や雑貨を扱うライフスタイルブランド「koé」が、渋谷パルコ パート2跡地にオープンした「hotel koé tokyo」は、衣食住が密接に結びついた旗艦店。カフェつきブティックは定番化しているけれど、ホテル併設は新しい。1階は代官山のフレンチレストラン「Ata」の掛川哲司シェフが監修するブレッド&ダイニング「koé lobby」、イベントスペース、ホテルレセプション。2階はアパレルと生活雑貨のショップ。3階にホテル客室とホテルラウンジ。サポーズデザインオフィスの設計で、ゆったりとエレガントな空間が広がる。
全10室のホテル客室は4タイプあり、広さごとに「S、M、L、XL」と名付けられているのがアパレルブランドならでは。ルームウェアやスタッフウェアもオリジナルで、シーツやタオルなどのリネンからは、肌に触れる物への確たるこだわりが伝わる。石や木を素材に使い、日本の茶室を現代風にアレンジした客室には小上がり風の段差があり、“縁側効果”とでも呼ぶべきか、田舎の家のように妙に落ち着く。
着ること、食べること、寛ぎながら眠り心地よく目覚めること。この場所で過ごすうち、自分にとって快適な衣食住の形が、くっきりと見えてくる。
住所:東京都渋谷区宇田川町3の7
03-6712-7251
hotelkoe.com
※ Sルームで¥36,000〜(税・サービス料別)