MBFW Tbilisi 2019-’20FW
バレンシアガを手掛けるデムナ・ヴァザリアの故郷ジョージア。実は個性的な若手の宝庫だ。メルセデス・ベンツ・ファッションウィーク・トビリシ(MBFW Tbilisi)には、現在世界中からジャーナリストとバイヤーが集っている。
George Keburiaジョージ ケブリア
世界のセレブがラブコール
ベラ・ハディッドやリアーナなどセレブが、こぞってミニサングラスを着用したことで、知名度が急激に上昇。デザイナーのジョージは独学でファッションを学び2010年20歳でブランドを設立した。’19年春夏はジャケットのボタンやドレスのポイントに、ハートモチーフを多用。
Situationistシチュアショニスト
静かで強い服
今最も注目される若手デザイナー、イラクリ・ルサゼも独学でファッションを学び、2008年にブランドを開始。シルエットや細部に旧ソ連時代の影が見え隠れする。トビリシだけでなく、パリでもコレクションを発表している。ニットのバリエーションも印象的。
Matérielマテリエル
ジョージア最古のメゾン
1949年に設立。現在は若手デザイナーとのコラボレーションをベースに、生産とリテールの仕組みを持つプラットフォーム的役割を担う。今デザインを担当するのは、自身のブランドも各々展開するアレクサンドル・アクハルカトシシュヴィリとラド・ボクチャヴァ。
Akà Prodiàshviliアカ プロディアシュヴィリ
コンセプチュアルな新人
2018年にデビューしたばかり。今季はろうそくの灯る祭壇からバラの敷かれたステージまでモデルが歩きポーズを決めるというパフォーマンスが話題に。テーマは宗教儀式かと思えば、ショーの最後には女性モデルが絡み合い、レズビアンのウェディングを暗示した。
Gola Damianゴラ ダミアン
テクノカルチャーを体現
ジョージアのアンダーグラウンドカルチャーを服に落とし込む。トビリシには「バシアーニ」という、世界中から音楽好きが集まるテクノクラブがあるが、2019-’20年秋冬はそのクラブのあるスタジアムで発表した。90年代のクラブシーンを思わせる服をジェンダーレスに提案。
Lado Bokuchavaラド ボクチャヴァ
軽やかさとやわらかさと
2017年春夏にデビューした自身のブランドを手がける傍ら、ファッションハウス、アトリエ・キカラやマテリエルで手腕を振るう。同じくマテリエルを手がけるアレクサンドル(下)とは対照的に軽やかな素材使いが特徴。ドレープやギャザーといったディテールを好む。
ALEKSANDRE AKHALKATSISHVILIアレクサンドル アクハルカトシシュヴィリ
構築的なテーラリング
トビリシ・ステイト・アカデミー・オブ・アートを卒業し、2015年からマテリエルのヘッドデザイナーを務める。2018-’19年秋冬に自身のブランドをローンチ。美しいテーラリングをベースにした構築的な服に、スリットやメタル使いで動きを加える。レザーを多用。
COLUMN
Project ArtBeatって何?
ジョージアのアートシーンを牽引するのが、ナティア・ブキアが中心となり2014年に設立したプロジェクト。オンラインとアートフェアを通じて、ジョージアだけでなく、世界の若手アーティストの支援を行う。その一環がシッピング用のコンテナを使ったMoving Galleryで、ファブリカ(04にて紹介)や、国内における博物館やギャラリーのないエリアにも出没する。2017年には、1920年代に英国大使館だった由緒ある建物にギャラリーを開いた。
1・2 アートブックや写真集、気軽に購入できる作品も扱う
3 ヴァントサ・ジシュカリアーニの作品《Fountains not Working》と、ナティア・ブキアさん
4 ケティ・カパナゼのアート
5・6 英国の若手作家、ホリー・ヘンドリー(5)とポーランド人、カタリーナ・プシズワンスカ(6)のアートを展示。今後は外国人アーティストがジョージア人のアート作品をキュレートする展覧会を予定している
Project ArtBeat
14 Pavle Ingorokva St, Tbilisi
電話:32 299 64 03
1室$220〜
http://projectartbeat.com/en
営業時間:11時~19時
定休日:月曜、クリスマス、イースター
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