ようこそ、エルメスの“夢”へ

顧客の夢やスタッフのアイデアをかなえたユニークなスペシャルアイテムの数々。そして大プロジェクトで一から立ち上げたヨットをはじめ、車や飛行機といった乗り物まで。歴史あるメゾンが、経験を積んだ最高の職人が、そのプライドをかけて取り組んだ仕事は、用途に合った最高のデザインをまとう。夢のオブジェとなって見る者をも魅了する珠玉の宝物だ。

ようこそ、エルメスの“夢”への画像_1

気持ちのいい青空の広がる休日に、ピクニックへ出かけたくなるふたつきのバスケット。
ビバリーヒルズ、ハンブルク、マーストリヒトのスタッフのアイデアから誕生したアイテム。防水加工した柳素材と、なめらかなカーフスキンのシックなコンビネーションは、ヴィンテージのような味わいと上品さを醸し出す。
ピクニックバスケット〈H24.5×W50〉¥1,760,000/エルメスジャポン(エルメス)

ようこそ、エルメスの“夢”への画像_2
Table soccer: ©Charly Gosp

遊び心あふれるテーブルサッカーは、ジュネーブ店とフォーブル・サントノーレ本店が企画し、複数のアトリエが協力して制作したアイテム。プレイヤーは彫刻家のクリスチャン・ルノンシアが手がけたモデルから、フランス唯一のテーブルサッカー・フィギュア専門のメーカーが制作。オールレザーのピッチで熱い戦いを繰り広げる。

ようこそ、エルメスの“夢”への画像_3
©Woody Van Tassel

飼い猫と出かける際、「マキシボックス」を愛用していたマダムF。一番小さな子猫のために、特別な「マキシボックス」をオーダー。トワルH(コットンキャンバス地)とヴォー・スウィフト(カーフスキン)の組み合わせで、ファスナーを開けると左右が全開し、子猫が出入りしやすいデザイン。猫の頭の形をした開口部から子猫が頭や脚を出すこともできる。いたずら好きの子猫が遊ぶ姿が目に浮かんでくる。

ようこそ、エルメスの“夢”への画像_4
Aston Martin DB4: ©Alexis Goure

C氏は、愛車のアストン・マーティンDB4の内装を依頼。DB4のオリジナルを思わせる、レザー仕様のスペシャルな一台ができ上がった。シートはゴールド色のカーフで整え、床はニュージーランド産のウールカーペットを敷き詰めて。C氏へのサプライズで、トランクには消火器と傘が収納可能な専用スペースとファスナーポケットが施された。

ようこそ、エルメスの“夢”への画像_5
©Vincent Leroux

フランス式ボクシング(ボックスフランセーズ)は、護身術から進化した格闘技。趣味として楽しんでいるマダムDのために作られた専用のグローブは、一般的なボクシンググローブとは異なり、フォルムはやや縦長。ルージュカラーのボディも、白いストリングも、しっとりとスムースなヴォー・スウィフト製で、とてもラグジュアリー。

ようこそ、エルメスの“夢”への画像_6
Sac à Malices: ©Cleo Charuet

バッグ「マリス」の「ホンコン・バイ・ナイト」は、2018年に香港のランドマーク・プリンス店がリニューアルオープンした際に作られた、メモリアルなもの。約80のレザーパーツを組み合わせる、マルケトリー(象嵌細工)で描かれるのは、香港のゴージャスな夜景。素材はヴォー・スウィフトやリザードのレザーを使っている。※展覧会では異なる柄を展示予定

ようこそ、エルメスの“夢”への画像_7

名古屋のスタッフから浮かんだ理想の釣り道具のアイデアをもとに、パンタンのアトリエでさまざまなフィッシングアイテムが制作された。このフライ(毛鉤)やフライボックス、竿(下の写真)などもその一部。3つのフライはサーモン用で、メープル材のボックスの中にはマス用のフライが収められている。ボックスのふたは単色の濃淡のレザーを使ったマルケトリー仕上げ。
フライボックス〈H11×W16×D4〉¥860,000(フライとセット価格)/エルメスジャポン(エルメス)

ようこそ、エルメスの“夢”への画像_8

釣り愛好家のフランス人職人が手がけたのが、フライフィッシング用のリネンファイバー製の竿。持ち手にはレザーが巻かれ、道具でありながら見た目にも美しいオブジェとして作られている。釣果を収めるバスケットは、柳細工の職人の手によるもので、編み上げるのにかかる時間はなんと20時間。フラップとショルダーベルトはレザー。
釣り竿(250㎝)¥1,070,000・フィッシングバスケット〈H15×W30×D17〉¥1,350,000/エルメスジャポン(エルメス)

ようこそ、エルメスの“夢”への画像_9
Jukebox and disk bags: ©Alexis Goure

スペシャルオーダー部門が、オーナーの依頼によりインテリアデザインを手がけた26mのボート。船内の部屋の家具やライティング、エルメスの家具用ファブリックがあしらわれた36枚のブラインドスラットに至るまで、一つひとつのディテールにクラフツマンシップが感じられる。ヨット制作は、ドゥ・ボーフォール氏がエルメスに参加することになった契機でもある。
※展覧会ではこのボートの展示はされない予定