創造性を刺激する、ジャイプールでの日常
「このアパルトマンからは、ナライン・ニワス・パレスを見渡せるの。初めてこの街を訪れたときに宿泊したのがこのクラシック・ホテルだから、舞い戻って来た感じよ」。と、テラスの向こうに目をやる、マリーエレーヌ・ドゥ・タイヤック。彼女の顔を照らし出すのは、K22YGの丸い形のイヤリング。そして指を飾るのは、まるでキャンディのようなピンクトルマリンのリング。ころんとした形の石がむき出しになった、彼女特有のデザインだ。
ジャイプールに移住してジュエリー・ブランドを立ち上げたとき、あらゆる種類の職人の工房があるこの街で、彼女はジュエリーだけでなくインテリアでもすべてがオーダーメイドできることに楽しみを見いだした。と同時にその創造力を養ってくれるのは、ここで享受できるライフスタイルだ。彼女の日課は朝、庭を散策する孔雀やリスたちを眺めながらホテルのプールで泳ぐこと。その後は自宅に戻り、ハマム風のバスルームで身支度を。カラフルなキッチンで朝食を取ったら、車で10分ほどのアトリエへ向かう。夕方ナライン・ニワスに戻ると友人のブティック「イドゥリー」(マリーエレーヌの愛するジャイプール案内 →)に寄って新作を見たり、隣人と落ち合って「パラディオ」(マリーエレーヌの愛するジャイプール案内 →)で軽いディナーを取ることも。ちなみに隣人とは、ドレスのブランド「トッカ」の創設者で、数年前にインテリア・デザイナーに転身したマリーアン・オーディエンスのこと。夜は早めに、ピンク色のベッドルームにて就寝する。
数年前にベースをパリに移して以来、こんな毎日をジャイプールで過ごすのは一年のうち4カ月ほどだが、「今でも昔ながらの魅力があり、世界中からクリエイティブな人々が集まるジャイプールが、大好き」と、マリーエレーヌは断言する。彼女にとってこの街での日々は、初心に帰ってクリエイティビティを刺激される、大切な期間なのだ。