2020.05.10

これからのヴィンテージは?

デザインの優れた現行品の椅子から、時代を超えていくであろう名品をセレクト。いつの日か、ヴィンテージ家具として脚光を浴びるかも!?

01 Faye Toogood の『Spade Chair』

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〈W44×D48×H86〉¥60,000/リヒト(プリーズ・ウェイト・トゥ・ビー・シーテッド)

ミニマルに研ぎ澄まされた構造が、きわめてスタイリッシュな印象を与える一脚。デザインしたのは、編集者やスタイリストの経歴をもつ異色のイギリス人デザイナー、フェイ・トゥーグッド。妹と共同でファッションブランドも運営するユニークな存在だ。このブラックのモデルはリヒト別注の特別色。

02 Per Holland Bastrup の『Triangolo Chair』

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〈W48×D40×H69.2〉¥150,000/ドワネル(フラマ)

センスのいい新進ブランドが次々に出現しているデンマークの中でも、ひときわ注目を集めるフラマ。ペル・ホランド・バストルップが1989年にデザインした知る人ぞ知る椅子を、彼らが最近になって新たに製造した。手仕事の跡が残るスチールの仕上げと、幾何学的なフォルムのコンビネーションは、忘れられないインパクトがある。

03 Michael Anastassiades の『Spot stool』

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〈Φ35×H76〉¥226,000/ハーマンミラージャパン(ハーマンミラー)

現在のインテリアシーンで最も活躍しているデザイナーが、キプロス出身のマイケル・アナスタシアデス。ポエティックな照明が特に知られているが、家具も優れたものが多い。普遍的な素材やフォルムだけを用いるのが彼の流儀であり、このスツールもウッドと真鍮の簡潔な組み合わせによって彼の世界観を伝える。

04 石上純也 の『Family』

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〈W75×D50×H75〉¥122,000(クッション含まず)/エ インテリアズ(リビング ディバーニ)

建築家による椅子は、その活躍とともに名作として認められていくものが少なくない。世界中で斬新な建築プロジェクトが進行中の石上純也がデザインしたフリーフォームの椅子は、生き物を思わせる佇まいが魅力的。しかも「ファミリー」という名のとおり、座面の形状には計5種類のバリエーションがある。

05 Jasper Morrison の『Fugu Lounge』

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〈W60.4×D64.2×H70.4〉¥144,000/マルニ木工

2000年代以降の椅子デザインの名手といえば筆頭格はジャスパー・モリソン。ウッドのボリューム感を生かした「フグ」シリーズのラウンジチェアは、丸みを帯びたパーツのコンポジションに個性がにじみ出ている。日本のメーカーとのコラボレーションも豊富なモリソンらしく、レベルの高い木工技術を巧みに使いこなした。

06 Aldo Bakker の『TRIANGLE』

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〈W35×D35×H42〉¥132,000/カッシーナ・イクスシー青山本店(カラクター)

何の変哲もない四角い箱のようだが、12個の三角柱を組み合わせてできている。オランダ出身のアルド・バッカーは、たっぷりの時間と手間をかけて完成度を追求するデザイナー。無垢のアッシュの素材感も美しい。カラクターはデンマークのブランドで、独自の審美眼を生かしたデザイナーの起用が光る。

07 David Thulstrup の『ARV』

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〈W50×D41×H80〉¥200,000/アクタス(クルーガーブラザーズ)

デンマークの人気レストラン、ノーマが2018年に移転した際、インテリアを担当したデイヴィッド・トゥルストルプが店内で使うためデザインした椅子。伝統的な木工技術を継承するクルーガーブラザーズが製造し、20世紀の名作椅子にも似た存在感がある。ウッドはオイル仕上げで、座面は手作業によるペーパーコード張り。

08 Maarten Van Severen の『LL04』

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〈W85×D250×H114〉¥1,023,000/エ インテリアズ(デ パドヴァ)

マールテン・ヴァン・セーヴェレンはベルギー出身。2005年に夭折したが、家具の本質を見極めたかのような作風は現在も広く支持される。晩年にデザインされた寝椅子は、磨き抜かれたステンレスのフレームに、厚いレザーを張った潔い構造で、一 点もののような風格すらある。レザーの経年変化も楽しみにしたい