ミッドセンチュリー期に生まれたデザインは、現行品として今も作り続けられているものも多い。アメリカ、日本、北欧のデザイナーによる名作をインテリアスタイリストの長山智美さんがセレクト。長く愛される理由とデザインの特徴を解説する
Scandinavia
欧州の歴史の流れを汲んだ、洗練されたデザイン
「北欧は、ミッドセンチュリー期でも日々の暮らしに根づいた落ち着いたデザインを得意としていました。戦争でリセットはされたものの、ウィーン工房の設立やバウハウスといった戦前に花開いたヨーロッパのデザインの流れが途切れていない印象を受けます。ポール・ケアホルムに代表される、工業用素材と自然素材の組み合わせや、ヴァーナー・パントンが好んだプラスチックなど、時代の潮流に乗った、これまでにない素材の可能性なども積極的に追究されました。文化的成熟度が高く、洗練されたデザインは、さすが北欧ならではだと思います」

