中里真理子さん(スタイリスト)
フードからインテリアまで幅広く活躍。1980年代の名建築である集合住宅の広いリビングには、名作家具から名もなきヴィンテージ、イケアのものまでが、分け隔てなく慈しまれている。
写真中央のテーブルは、エーロ・サーリネンによる1956年のデザイン。ネイビーの一脚は、’50年に発表されたチャールズ&レイ・イームズによる「シェルチェア」。中里さんが座るのは、ハリー・ベルトイアが’52年にデザインした「ダイヤモンドチェア」
大きなテラスと窓があるスタイリスト・中里真理子さんの家。遠くまで広がる空の景色を眺められるリビングダイニングに置かれているのは、アメリカで活躍したフィンランド人デザイナー、エーロ・サーリネンによるノルのラウンドテーブルだ。
「ずっと欲しくて、友人にいただきました。なによりも気に入っているポイントは、白の天板の無機質さです」
ダイニングテーブルとして使用しているので、日々の食事はここでとる。
「民芸の器が好きなのですが、木のテーブルに置いてしまうと、ハマりすぎてしまう。それが白と合わせると不思議とモダンに見えるんです。丸形だと、人数が増えてもフレキシブルに座ることができるのもいい」
テーブルを囲んでいる椅子のひとつはチャールズ&レイ・イームズによるハーマンミラーの「シェルチェア」だ。中里さんが2005年から3年間アメリカに住んでいた頃、ロサンゼルスにある〈イームズハウス〉をよく訪れたという。そこで目にしたミックス感もインテリアのヒントになっている。
「イームズの家っていろいろなテイストが混ざっていて、かっこいいんです。私も”出合ったときに買えるもの”をテーマに、うんちくにとらわれず、好きなものを好きなように組み合わせるようにしています」
写真で中里さんが座っている「ダイヤモンドチェア」も、偶然ノルのセールで見かけて衝動的に購入したものだ。
「家具を選ぶときは、これがあったら部屋が気持ちいい風景になるかな、という感覚を大切にしています。そのなかのいくつかにミッドセンチュリーの名作があった、という感じですね」