ミッドセンチュリー期に生まれたデザインは、現行品として今も作り続けられているものも多い。アメリカ、日本、北欧のデザイナーによる名作をインテリアスタイリストの長山智美さんがセレクト。長く愛される理由とデザインの特徴を解説する
U.S.A.
明るい未来を想像させるポップな時代を象徴
「プラスチックなどの素材が開発され、自由な造形が作り出せるとともに大量生産が可能になったのが、第二次世界大戦後の1950年代から70年代。いわゆるミッドセンチュリーと呼ばれる時代のデザインの特徴です。なかでもアメリカは突出してこの時代を華々しく彩りました。その理由のひとつが、戦争で亡命した人も含めて実力あるデザイナーがアメリカに集結したことではないかと。また、国内が戦地にならなかったことで経済的な余裕もあったのだと思います。アメリカのミッドセンチュリーデザインを一言で表するなら"ポップ"。形や素材、デザインを裏づける思想も含めて、弾んでいる感じがそれぞれの佇まいからも伝わってきます」


