プロが直伝! ミッドセンチュリー名品図鑑【アメリカ】

ミッドセンチュリー期に生まれたデザインは、現行品として今も作り続けられているものも多い。アメリカ、日本、北欧のデザイナーによる名作をインテリアスタイリストの長山智美さんがセレクト。長く愛される理由とデザインの特徴を解説する

 

U.S.A.

明るい未来を想像させるポップな時代を象徴
「プラスチックなどの素材が開発され、自由な造形が作り出せるとともに大量生産が可能になったのが、第二次世界大戦後の1950年代から70年代。いわゆるミッドセンチュリーと呼ばれる時代のデザインの特徴です。なかでもアメリカは突出してこの時代を華々しく彩りました。その理由のひとつが、戦争で亡命した人も含めて実力あるデザイナーがアメリカに集結したことではないかと。また、国内が戦地にならなかったことで経済的な余裕もあったのだと思います。アメリカのミッドセンチュリーデザインを一言で表するなら"ポップ"。形や素材、デザインを裏づける思想も含めて、弾んでいる感じがそれぞれの佇まいからも伝わってきます」

U.S.A.

プロが直伝! ミッドセンチュリー名品図鑑の画像_1

1 エーロ・サーリネンによる、一本脚で支える構造は世界初。シェルが花弁のように見えることからチューリップという商品名に。
チェア¥254,100〜

Designer: Eero Saarinen
Item: Tulip Chair
Year: 1957

2 工業用素材を使用して優美なフォルムを作り出した。家具デザイナー、彫刻家、音楽家として活動したハリー・ベルトイアの代表作のひとつ。
チェア¥107,800〜/ノルジャパン

Designer: Harry Bertoia
Item: Bertoia Side Chair
Year: 1952

プロが直伝! ミッドセンチュリー名品図鑑の画像_2

3 東京を訪れたジョージ・ネルソンが、日本の小だんすにインスピレーションを受けてデザインしたといわれる。
チェスト¥620,400〜

Designer: George Nelson
Item: Nelson Miniature Chest
Year: 1952

4 デスクユニットとの組み合わせも可能。マルチカラーのほかナチュラルカラーもある。
ユニットシェルフ¥726,000〜/ハーマンミラージャパン

Designer: Charles & Ray Eames
Item: Eames Storage Unit
Year: 1950

プロが直伝! ミッドセンチュリー名品図鑑の画像_3

5 彫刻家イサム・ノグチによる、自然の造形物を連想させるフォルム。2002年に復刻。オットマンもある。
ソファ¥1,123,100/ヴィトラ

Designer: Isamu Noguchi
Item: Freeform Sofa
Year: Circa 1950

FEATURE