ドラマのビンジ・ウォッチングには、どっぷり酔えるような興奮がありますよね。でも、毎週次の回が待ち遠しくて、それが期待以上だったときも充実感がすごい! いまそれを味わっているのが、『ビッグ・リトル・ライズ』のシーズン2です。2017年に始まったシーズン1ではまず、ニコール・キッドマンやリース・ウィザースプーンら豪華出演陣と、美しい映像にびっくり。アメリカ西海岸のセレブライフの作り込みにも感動しました。キャラクターに合わせたファッション、ヘルスコンシャスな生活、センスのいいインテリア。いちいちチェックしたくなること請け合いです。
でもストーリーは、そんなライフスタイルを満喫するセレブママにも悩みや秘密がある、というドロドロしたもの。ただこれまでの同様のドラマと違うのは、一人ひとりがパワフルなだけじゃなく、出てくる女性たちがお互いの苦しみに共感を抱いているところ。たとえ対立していても共通理解があり、それがサスペンス劇としても新たなひねりになっています。シーズン2ではシーズン1で生まれたさらに大きな秘密を、彼女たちがどうするかが見どころ。
しかも毎回、それぞれの女優の見せ場となるような、キレキレの演技がある。新キャストとして加わったメリル・ストリープは、頼れるけどゾッとするような義理の母親役。怖い! ニコールはDVの依存性をさらに掘り下げてみせます。人には良い面も悪い面もあり、それが切り離せないことが実感できる。普段抑えていた感情が意外なところで爆発する――その演技に圧倒されます。
あと、各局面で女性がちゃんと「ノー」と言えるところがカッコいいんですよね。むしろこんな強いキャラクターがぶつかり合ったらどうなるんだろう、とハラハラしっぱなし。現代的にアップデートされ、ゴージャスにアップグレードされたソープオペラの展開から、しばらくは目が離せません。
『ビッグ・リトル・ライズ』
クリエイター/デヴィッド・E・ケリー
出演/リース・ウィザースプーン、ニコール・キッドマン、シャイリーン・ウッドリー
シーズン2は「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」で配信中(https://www.amazon.co.jp/channels/starch)
本誌で映画のレビューを手がける。ライター、エディター、翻訳もこなす。趣味は散歩と、猫と遊ぶこと、フットボールを見ること。