PVも一緒に楽しめるLapaluxのLAビート
こんにちは。今回は、LAビートの入門編にぴったりなアーティスト、ラパラックスを紹介します。まず聴いてもらいたいのは彼の新譜『Ruinism』。彼はブレインフィーダーというLAのレーベルのビートメイカーなんですけど、そのレーベルのなかでもかなり好きなんです。新しさを感じさせる音色の使い方と、崩れていくようなビートがエモーショナルなんですよ。つるっと聴きやすく、しっとりした質感です。新作は四つ打ちっぽい曲もあれば、強いビートの曲もあり、ボーカルをフィーチャリングした曲もある。自分のスタイルは崩さないけれども全体としてはウィットに富んだ仕上がりにまとまっていました。アーティストのArcaが好きな人は気に入るんじゃないかな。歌ものの曲がちょっと切なくてまったりした感じなので、真夏の夜に家でクールダウンしたいときに聴いてもらいたいです。PVも各曲をモーショングラフィックスで統一していて、モードでおしゃれなんです。
合わせて聴きたい旧譜は、同じくラパラックスの『Lustmore』。映画『シャイニング』の、夢なのか現実なのかわからないバーのシーンから着想を得たそうです。そういう不思議さを音へと昇華する美的感覚っていいなと思います。PVは新作のモーショングラフィックスとは打って変わって、まるで映画のようなつくり。ストーリーが明確なんですよ。音にはLAビートのムードを感じるんですけど、あんまりザラッとした質感ではないんですよね。そんなこんなで「LAビート、何から聴いたらいいですか」と聞かれたら、ラパラックスは聴きやすいので、一番最初におすすめします。ちなみに彼は2 回来日してるんですけど、どちらも共演させてもらって。正統派なイケメンでした（笑）。
Profile
リカックス
DJ／ビートメイ カー。ウェブ「シグマファット」 主宰者。J-WAVE「SONAR MUSIC」 ではラジオパーソナリティー として活動中。
interview & text:Annie Fuku photography:Yuhki Yamamoto
PICK UP
『Royal Blue』
Special Favorite Music
￥2,300／P-VINE
去年のデビュー以来大きな注目を浴びる関西出身の7 人組が、早くもセカンドを完成。ジャズやソウルから80～90年代の邦楽まで古今東西の音楽を、男女の声とたくさんの楽器で、ハッピーなポップソングに昇華。大人数で音楽を鳴らすことの楽しさを伝えている。
『LANY』
LANY
￥2,200／ユニバーサルミュージック
消えかかった記憶をたぐり寄せているかのような、淡い色合いのシンセポップで独自色を打ち出すのは、目下海外でブレイク中のアメリカン・バンドだ。サウンド表現は徹底したミニマル志向、でもエモーションの振れ幅は激しくて静かな胸騒ぎがずっと止まらない。
text:Hiroko Shintani
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