音の聴き方、空間の捉え方が変わる? 「音と空間」を意識
今回は「音と空間」をテーマに、2作紹介したいと思います。まずはブレインフィーダーというレーベルのプロデューサー・ジェイムスズーの『Flake EP』。彼のことは3、4年くらい前から知っていて、前回の来日公演も一緒にプレイしました。前作同様、この新作も音の配置やコラージュを楽しめます。単音で変わった音を多く使っているんですが、それがいろんな場所から鳴っているのが面白い。カッティングされた生音がいきなり鳴ったり、左から聞こえてくる音と右から聞こえてくる音がまったく異なったり。音色が空間のなかでどう動いているかがわかりやすいので、静かな場所でイヤホンかスピーカーで聴いてみてください。ビートが効いていて曲としてもまとまっているんだけど、よくよく聴くと面白い仕掛けがある音楽なんです。
「音と空間」といえば、その名もずばりのトリオバンド・空間現代のカセットテープ『地面』もおすすめ。彼らが手がける京都のアートスペース兼ライブハウス「外」がオープンした際の記念として、2016年にリリースされました。音楽のための"場"を作ったり、セッション色の強いプログラミングによる演奏をしたり、演劇の音楽を作ってその舞台で生演奏したり。活動が実験的なんです。彼らがコラボレートした、劇団・地点の公演には足を運びました。演劇は人と人との距離や関係性といった"空間" をどう見せるかが大切だと思うんですけど、それを彼らが音楽でも表現していたのが印象的でした。
Profile
リカックス
DJ/ビートメイ カー。ウェブ「シグマファット」 主宰者。J-WAVE「SONAR MUSIC」 ではラジオパーソナリティー として活動中。フジロックにも出演し話題に。
interview & text:Annie Fuku photography:Yuhki Yamamoto
PICK UP
『Something’s Changing』
Lucy Rose
¥2,100/Hostess
00年代ロンドンのフォークシーンから登場したシンガーが、3作目を送り出す。今回のメロウなサウンド志向は、微かに揺れている水面のような、彼女の声のユニークな質感を強調。人間関係を語るときも、社会問題を語るときも、表層だけにとどまらない深みを醸す。
『Art in the Age of Automation』
Portico Quartet
¥2,400/P-VINE
最近ジャズが面白いのはアメリカだけではない。英国での動きも要注目! たとえばここに最新作を発表する4人組は、サックスを核に、美しくシネマティックな音楽を構築。太いグルーヴと浮遊感が同居していて、アンビエント・ジャズと呼ぶべき独自路線を突き進む。
text:Hiroko Shintani
着たい服はどこにある?
トレンドも買い物のチャンネルも無限にある今。ファッション好きの「着たい服はどこにある?」という疑問に、SPURが全力で答えます。うっとりする可愛さと力強さをあわせ持つスタイル「POWER ROMANCE」。大人の女性にこそ必要な「包容力のある服」。ファッションプロの口コミにより、知られざるヴィンテージ店やオンラインショップを網羅した「欲しい服は、ここにある」。大ボリュームでお届けする「“まんぷく”春靴ジャーナル」。さらにファッショナブルにお届けするのが「中島健人は甘くない」。一方、甘い誘惑を仕掛けるなら「口説けるチョコレート」は必読。はじまりから終わりまで、華やぐ気持ちで満たされるSPUR3月号です!