熱すぎずクール! 生音で構成されたエレクトロニック
今回は、生音で構成されている四つ打ちのエレクトロニック・ミュージックを取り上げたいと思います。ザ・クラブミュージックってわけではないけど、聴いた感じはダンサブルという曲を選びました。選曲テーマのきっかけは、夏に初出演した「FUJI ROCK FESTIVAL’17」。そのグリーン・ステージでゴリラズを観て、ロックをベースにしたエレクトロニック・ミュージックやヒップホップなど、いろんな要素が混ざっている音楽ってやっぱりいいなと思ったんです。まず1曲目はダフニの「Hey Drum」。カリブーという名義でも活動しているカナダ出身ロンドン在住のアーティストで、レディオヘッドのエンジニアとして一緒にツアーも回っているそうです。この曲はサンプリングの生音が結構強めに出ていて、ミニマルなんだけど途中でいきなりブレイクがきたり、ダブっぽい感じもあったりします。じわじわくるノリで、いいグルーヴが出ているんです。
2曲目は南アフリカのアーティスト、スポーク・マサンボの「Want Ur Love(Radio Edit)」。この曲もダフニの「Hey Drum」と同じように、生音のループに声ネタが乗っている作りになっています。Kajamaという同じく南アフリカの姉妹デュオをフィーチャリング。トライバルなサウンドだけど熱くなりすぎずクールに聴こえるのは、ミニマルで音数が少ないから。夏フェスでバンドサウンドをたくさん聴いた人にも、もう一歩踏み込んだ音楽として興味を持ってもらえるんじゃないでしょうか。いつも紹介している曲より元気で明るい感じの2曲、ぜひ聴いてみてください。
Profile
リカックス
DJ/ビートメイカー。ウェブ「シグマファット」 主宰者。J-WAVE「SONAR MUSIC」ではラジオパーソナリティーとして活動中。
interview & text:Annie Fuku photography:Yuhki Yamamoto
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text:Hiroko Shintani
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