2017.10.09

【LICAXXXのコレキキナ vol.3】「Hey Drum」Daphni

本誌で大人気連載中の「LICAXXXのコレキキナ」がウェブでも読める! 毎月独自の切り口で、新譜&旧譜を紹介します!

熱すぎずクール! 生音で構成されたエレクトロニック

 今回は、生音で構成されている四つ打ちのエレクトロニック・ミュージックを取り上げたいと思います。ザ・クラブミュージックってわけではないけど、聴いた感じはダンサブルという曲を選びました。選曲テーマのきっかけは、夏に初出演した「FUJI ROCK FESTIVAL’17」。そのグリーン・ステージでゴリラズを観て、ロックをベースにしたエレクトロニック・ミュージックやヒップホップなど、いろんな要素が混ざっている音楽ってやっぱりいいなと思ったんです。まず1曲目はダフニ「Hey Drum」。カリブーという名義でも活動しているカナダ出身ロンドン在住のアーティストで、レディオヘッドのエンジニアとして一緒にツアーも回っているそうです。この曲はサンプリングの生音が結構強めに出ていて、ミニマルなんだけど途中でいきなりブレイクがきたり、ダブっぽい感じもあったりします。じわじわくるノリで、いいグルーヴが出ているんです。
 2曲目は南アフリカのアーティスト、スポーク・マサンボ「Want Ur Love(Radio Edit)」。この曲もダフニの「Hey Drum」と同じように、生音のループに声ネタが乗っている作りになっています。Kajamaという同じく南アフリカの姉妹デュオをフィーチャリング。トライバルなサウンドだけど熱くなりすぎずクールに聴こえるのは、ミニマルで音数が少ないから。夏フェスでバンドサウンドをたくさん聴いた人にも、もう一歩踏み込んだ音楽として興味を持ってもらえるんじゃないでしょうか。いつも紹介している曲より元気で明るい感じの2曲、ぜひ聴いてみてください。

Profile
リカックス
DJ/ビートメイカー。ウェブ「シグマファット」 主宰者。J-WAVE「SONAR MUSIC」ではラジオパーソナリティーとして活動中。

interview & text:Annie Fuku photography:Yuhki Yamamoto

PICK UP

『Visions of a Life』
Wolf Alice

¥2,400/Hostess

ロンドン出身、UKロック界で今一番イキのいいバンドの一組が、色とりどりのエモーションを網羅した、野心満々のセカンドを完成。厚いギターサウンドの雲を突き抜けて、透明な歌声を響かせているシンガー、エリー・ロ ウゼルのアイコン度数も俄然アップ!

『Aromanticism』
Moses Sumney

¥2,400/Hostess

"薫るロマンティシズム"とでも訳すべきタイトルがお似合いな本作は、数年前から注目されていたアメリカ人シンガー・ソングライターのデビュー作。美しいファルセット・ボイスが、最低限の伴奏を添える弦楽器やシンセの音と溶け合って、愛の不在を甘美に描く。

text:Hiroko Shintani

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着たい服はどこにある?
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