Licaxxx/リカックス
DJ、ビートメイカー。ウェブ「シグマファット」を主宰。ラジオパーソナリティを務めるJ-WAVE「SONAR MUSIC」も注目。
寒い冬を温かく過ごすための曲は?
「Monday(feat. Photay)」Photay
『Sadie』収録曲
『(04:30)Idler』
Jamie Isaac
可愛らしいサンプリングとジャジーな生音で、まったりやさしい気持ちに
すっかり肌寒い季節になりましたね。今回はそんな季節に、温かい気持ちで過ごせる曲をおすすめしたいと思います。まずはNYのプロデューサー、フォテーを。なかでも「Monday(feat. Photay)」がお気に入り。可愛らしいサンプリングを使っているから、ハッピーな気分になるんですよね。トイポップほど「おもちゃ感」はなく、大人っぽいバランスに仕上がっているから、するっと聴けるんです。寒くなると気持ちがしんみりしがちですが、この曲を聴くと、やさしくポジティブな気持ちになります。日が出た昼間の暖かいときに、家でぽかぽか気分で聴いてほしいです。
夜のコーヒータイムに自宅でぬくぬくしながら聴いてもらいたいのは、サウス・ロンドンのアーティスト、ジェイミー・アイザックのセカンドアルバム『(04:30)Idler』。先日、渋谷WWW XでのD.A.Nの企画で来日していました。ピアノを弾きながら歌うスタイルなので、それだけで電子音に比べて温かい感じがするし、ジャジーなビート・ミュージックとしても聴ける。音楽の 「秋冬っぽさ」 はジャジーな要素から、「温かさ」はメロディや音の質感から来ていると思うんですけど、ジェイミーはその「秋冬っぽさ」と「温かさ」を両方兼ね備えていて、この時季にちょうどいい。王道のジャズというよりも、ヒップホップやエレクトロニック・ミュージックっぽさがある音楽。日本のバンド、WONKやOvallなどが好きな人はハマると思います。
アメリカとイギリスの、二人の若きビートメイカーの曲を聴いて、寒い冬をまったり快適に過ごしてみてください。
PICK UP
『Our Father』
Azekel
¥2,300/インパートメント
マッシヴ・アタックやゴリラズとのコラボで知名度を上げた、ナイジェリア出身ロンドン在住のソウル・シンガーがデビュー。新旧のブラック音楽のスタイルを引用しながら、身近な日常生活のひとコマを、ポエティックかつスピリチュアルな表現で切り取っている。
『TOYOMU』
TOYOMU
¥2,300/Traffic
京都在住のプロデューサーが待望のデビュー作で披露するのは、ジャケットが予告するとおりの、奇想天外なジャパニーズ・サイケデリア! 和のテイストを巧みに取り入れた彼のユーモラスなエレクトロニカには、“パーティ”よりも“お祭り”という言葉が似合う。
text: Hiroko Shintani
SOURCE:SPUR 2019年1月号「LICAXXXのミュージッQ」
interview & text: Annie Fuku photography: Yuhki Yamamoto