Licaxxx/リカックス
DJ、ビートメイカー。ウェブ「シグマファット」を主宰。インターネットラジオ「Tokyo Community Radio」もチェック。
ネオンカラーをまとったファッションに似合う音楽は?
「COME ALIVE」 J-E-T-S
『ZAPS』収録曲
「Branding Problem」
Clark
今回はネオンカラーに似合う音楽を紹介します。2018年秋冬でプラダがいち早くネオンカラーを取り入れたコレクションを展開しましたよね。それ以来ランウェイはもちろん、新たなポップアイコン、ビリー・アイリッシュの影響もあって、蛍光色を取り入れたファッションを街でよく見かけるようになりました。ネオンカラーはバキッとしたサイケデリックな音像がハマります。多くの人が蛍光色の服をまとって出かけていたレイブカルチャーと親和性が高いので、近未来感があり、ハイブリッドで、華やかだけどストリート的要素も強い曲を選びました。
まずはアメリカのアーティスト、MachinedrumとJimmy EdgarのプロジェクトであるJ-E-T-Sの「COME ALIVE」。最新EP『ZAPS』に入っていて、 Theophilus Londonというラッパーを迎えた一曲。ワイルドな雰囲気もありつつ、ただただストイックなダンスミュージックにとどまらない、ポップで聴きやすい曲です。続いてはイギリスのプロデューサー、Clarkの新曲「Branding Problem」。一曲のなかで次々に展開があるのが面白い。ハイファイでパキッと入ってくる音って、ネオンカラーを感じさせますよね。かつアンダーグラウンドでストリートな印象もあって、でも上品。たとえるならロンドン郊外のような雰囲気を持っているというか。Clark自身がハイブリッドなダンスミュージックをずっと作っているので、ぴったりなんじゃないかな。
さて、この連載は最終回を迎えます。今まで私もシュプールを愛読してきて、この雑誌にぴったりな気品をまとえるような音楽を紹介してきました。これからも日本のみならず世界中の誰かの人生の片隅に、音楽の薫りを残していきたいと思います。またどこかでお会いしましょう!
Monthly Pick-up
『Seeking Thrills』
Georgia
¥2,200/Beatink
売れっ子ドラマーからシンガー・ソングライターに転身した話題の英国人女性が、セカンドを完成。80年代のダンス・カルチャーを愛する彼女が、アナログな機材を駆使して鳴らすモダンなポップソングは、"スリルを求めて"というタイトルどおり、音楽的快楽を徹底追求している。
『Buck』
Brainstory
¥2,200/Inpartmaint
カリフォルニアの砂漠地帯にある小さな町から届いた本作は、乾いた風で肌を撫でるサイケデリック・ソウルを満載した、新人バンドのデビュー作。彼らが紡ぎ出すグルーヴとボーカル・ハーモニーはひたすらメロウでレイジーで、まるで蜃気楼みたいなはかなさをたたえている。
SOURCE:SPUR 2020年3月号「LICAXXXのファッション×ミュージッQ」
interview & text: Annie Fuku text(Monthly Pick-up): Hiroko Shintani photography: Yuhki Yamamoto, Jonas Gustavsson (runway)