2026.03.04

韓国に不時着したハイパーポップとは? Kカルチャーをプロが解説 【NOW ON SEOUL】

Kカルチャーの今をキャッチ!

韓国のローカルシーンで注目を集めるカルチャーは? 現地の専門家が最前線を解説。今月は、国内で独自の発展を遂げる、音楽のあるジャンルにフィーチャーする。

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韓国のローカルシーンで注目を集めるカルチャーは? 現地の専門家が最前線を解説。今月は、国内で独自の発展を遂げる、音楽のあるジャンルにフィーチャーする。

Kカルチャーの今をキャッチ「NOW ON SEOUL」連載

ここ数年、音楽通を気取る人たちの口から、やたらと聞こえてくるワードがある。そう、"ハイパーポップ"(2010年代初頭にインターネット音楽から派生した、世界的なムーブメント)だ。このジャンルに括られがちなアーティストは、どうにかしてそこから逃れようと必死だというが、とにかく"イケてる何か"を語る場では、だいたいハイパーポップの話になる。

グローバル圏ではチャーリーXCXの台頭が流行のきっかけとなり、韓国も真正面からその洗礼を受けた。海外トレンドがローカライズされる場合、ジャンルの原型を忠実になぞるか、特徴だけを拝借して"歌謡曲化"するケースが多い。しかし、今回は違った。ハイパーポップは韓国に降り立つや否や、自分たちと同じ「過剰さ」という本質を共有する、最高の相棒を本能的に見つけ出した。それがK-POPだ。

現在韓国でハイパーポップに没頭する人たちの多くは、K-POPに好意的、あるいは自分たちなりに"ハイパー"にねじ曲げて遊んでいる。いくつものメディアで「今年のアルバム」に選ばれたEffieのアルバム『E』は、f(x)やBIGBANGを自然に想起させるし、今国内で最も刺激的で、どこか怪しげなヒップホップ・クルー、SYSTEM SEOULはRed Velvetの「Russian Roulette」をサンプリングしている。韓国ハイパーポップを代表するプロデューサー、kimjが関わったThe Deepのアルバムに至っては、その名もズバリ『KPOP B!TCH』。

そこに重なっているのは、今のように洗練される前の2010年前後に彼らがリアルタイムで浴びてきたK-POPの記憶だ。「ポップ」から逃れようともがいていた音楽が、韓国に来て、商業ポップの最前線と出合った——。これはどう考えても、かなり面白い波だ。

23歳のシンガーソングライター/ラッパーのEffie

23歳のシンガーソングライター/ラッパーのEffie。韓国のハイパーポップ音楽の草分け。

EffieのEP『E』

EffieのEP『E』

SYSTEM SEOULによるアルバム『SS-POP 2』

SYSTEM SEOULによるアルバム『SS-POP 2』。ガールズグループRed Velvetが、2016年に発表したヒット曲「Russian Roulette」を大胆にサンプリング。曲名もそのまま採用。

The Deep『KPOP B!TCH』

ハイパーポップを軸とした独特の楽曲スタイルで、欧米圏でもファンベースを持つThe Deep。鮮烈なタイトル『KPOP B!TCH』は、彼女のファーストアルバム。韓国の音楽番組風のユーモラスなMV「Lucky Star」も必見。

音楽プロデューサーkimj

音楽プロデューサーkimj。自身もアーティストとしてEffieやThe Deepらとユニットを組んで音楽活動を行う。

Yoonha Kimプロフィール画像
音楽ライターYoonha Kim

キム・ユナ●大衆音楽評論家と名乗り、K-POPからインディーズまで多様なジャンルをカバー。モットーは"音楽と愛が世界を救う"。最新の共著に『100曲でわかる! K-POPヒストリー 1992-2020』(アルテスパブリッシング)がある。

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