2026.03.08

新しくて懐かしい、 エモーショナルな音楽。【メイ・シモネス】さんにインタビュー

2025年にデビューアルバム『Animaru』をリリースし、1月に初のフルバンドによる日本全国ツアーを開催したシンガーソングライター、メイ・シモネスさん。独自の世界のインスピレーション源に迫る!

2025年にデビューアルバム『Animaru』をリリースし、1月に初のフルバンドによる日本全国ツアーを開催したシンガーソングライター、メイ・シモネスさん。独自の世界のインスピレーション源に迫る!

自分の感情に素直に、 シンプルに生きたい。

メイ・シモネス

まるでジョアン・ジルベルトのような、軽やかなヴォーカル。テクニカルなギター演奏。メイ・シモネスの音楽はジャズやボサノヴァ、グランジまでミックスした不思議なポップスで、しかもどこか懐かしい。

タイトルや歌詞は日本語と英語で、〝Kabutomushi〟の歌詞は「今日のご飯何かな/天ぷらとお豆腐とごまあえほうれん草/おばあちゃんの手作りおはぎを食べよう」といった具合。新しいサウンドとノスタルジックなムードの対比がユニークで、心地いいのだ。

「自分では意識してなかったけど、そうかも」と笑う彼女は母が日本人、父がアメリカ人。ミシガン州で育ち、いまはブルックリン在住だが、子どもの頃から日本にはよく遊びに来ているという。

「おばあちゃんちが横須賀にあったので、毎年来ていました。体験入学みたいな感じで夏休み前に小学校にも行って。それで友だちがいっぱいできて、楽しかったんです。おいしいものいっぱい食べて。〝Kabutomushi〟はその頃のこと、カブトムシを捕まえにいった思い出について。〝Donguri〟はミシガンの実家で、森に遊びにいったときの景色を書いた曲ですね。だから実際、ノスタルジックだと思う」

高校でジャズと出合い、バークリー音楽大学へ。音楽理論を学び、ギタリストを目指していたが、オリジナル曲を作るようになった。歌詞は自然と、英語と日本語のバイリンガルに。

「日本語で歌詞を書くと、日本に住んでいる人に『面白い』って言われます。シンプルで言葉の使い方が普通と違う、って。あと私ってあんまりヴォーカルが入っている音楽を聴いてなくて。普段もインストゥルメンタルしか聴かないから、英語でも言葉ののせ方が少し違うかもしれません」

メイ・シモネス

1月の来日公演で披露された新曲はさらにエモーショナル。特に、「素直になりたい」と何度も繰り返す曲は強い感情を放っていた。

「あれはマス・ロック的な曲。素直になるのって、難しいですよね。私ももっとシンプルに生きたいけど、なかなかできない。あの曲や〝I can do what I want〟〝Itsumo〟、アルバムタイトルになった〝Animaru〟もテーマとしては似ている。私は生きていて、自分がやりたいことをするのが一番大事だと思うんです。みんなが大好きなことをやっていれば、きっと世界はもっといい場所になるって。私自身は音楽ができてすごく幸せなんですけど、周りを見ると毎日が楽しくない人ももちろんいる。だからみんなにも自分がやりたいことをやる時間を作ってほしいな、と」

服やルックスにもレトロな雰囲気のある彼女だが、自分のイメージについては「なかなか考えられなくて」と言う。

「もう少し頑張ったほうがいいかな、と思うんですけど。双子の妹がいるので彼女が着なくなったものをもらったり、古着店で買ったり。妹はファッションに詳しくて服のターンオーバーが早いので、いつも着なくなったものをもらってます」

2026年はアジアや北米、欧州をツアー予定だが、タイミングが合えば「日本に住む」こともやってみたいことの一つ。

「東京に住んでみたいです。楽しいし、いろんなところに行って、日本語がもっと上手になりたい。ただ日本語も英語もわからなくても私の音楽を好きになってくれる人、ライブに来てくれる人が大勢いるのはすごくうれしいですね」

Mei Semonesプロフィール画像
シンガーソングライターMei Semones

メイ・シモネス●2000年生まれ。バークリー音楽大学在学中に1stEP『Tsukino』を発表。2025年にデビューアルバム『Animaru』リリース、1月に初のフルバンドによる日本全国ツアーを開催。

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