久しぶりにこんな音楽聴いたことない!と驚きとともにワクワクさせられる作品に出合った。イギリス出身のミュージシャン、ジョーディー・グリープの最新作『The New Sound』のことだ。2010年代後半に続々と登場したサウスロンドンの新鋭ロックバンドの中でも、ひときわ強い個性を放っていたblack midiのフロントメンバーとして知られているジョーディー。今年バンドの無期限活動休止を発表し、その衝撃も冷めやらぬ間にリリースされた今作は、幼い頃に母親が勤めていたクラブで耳にしたサルサやサンバといったラテン音楽への憧れを、バンド活動で培ったプログレッシブなロックサウンドと融合させた、まったく新しい響きが味わえる傑作だ。