2024.04.05

世界の音楽好きが注目する国、デンマークの新しい才能|エリカ・ド・カシエール【HASHIMOTOSANの"雑食"音楽紀行】

 

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一枚のアルバムとの出合いから始まる、"私的"な音楽の旅。多彩な音が育む、新しいカルチャーの萌芽を目撃せよ!

『Still』 Erika de Casier

『Still』 Erika de Casier
『Still』 Erika de Casier
¥2,860/4AD

熱心な音楽ラバーたちの間で近年急速に注目を集める国、デンマーク。ML・ブーフやアストリッド・ゾンネなど、少し風変わりで個性的なサウンドを鳴らすミュージシャンが次々と登場し、ユニークかつ優れた音楽の新たな発信源となっている。その代表格がエリカ・ド・カシエールだ。

R&Bを軸にポップスやクラブミュージック、ボサノヴァなど、さまざまなジャンルの響きが混在したメロウな楽曲が多くのメディアから絶賛され、次世代のサウンドメイカーとして高く評価されている。そんな彼女の名前が一躍世界中に知れ渡ったきっかけは昨年リリースされた、NewJeansのEP『Get Up』にソングライターとして参加したことだろう。エリカの洗練されたサウンドセンスと、気鋭のアイドルのフレッシュなマリアージュが、世界中の人々を魅了したのは記憶に新しい。彼女にとって3作目のアルバムとなる最新作『Still』は、これまで見せてきた「らしさ」全開のサウンドと新たな音楽的挑戦が交錯した、絶妙なバランス感が魅力の一枚だ。

Y2KのポップスやR&Bを思わせるどこか懐かしい響きと、近年トレンドとなっているクラブミュージック由来のアグレッシブなビートが絡み合ったレトロフューチャーなサウンド。ブラッド・オレンジやシャイガールなど、初めてゲストアーティストを迎えることで開かれた新しい感覚。失恋をテーマにした歌詞と涼しげでアンニュイなボーカル。すべてが今の時代の空気感とマッチした、実に2024年らしい仕上がりの一枚と言えるだろう。

HASHIMOTOSAN(ハシモトサン)プロフィール画像
HASHIMOTOSAN(ハシモトサン)

ジャンルを問わずさまざまなミュージシャンを愛する音楽マニア。Itなアーティストを紹介する自身のX(@hashimotosan122)にファン多し。この春、とめどなくやってくるリリースラッシュにうれしい悲鳴をあげる日々。

2024年4月のおすすめ音楽

『What Now』 Brittany Howard

『What Now』 Brittany Howard
¥2,790/Island

アラバマ・シェイクスのシンガーは、このセカンドでいよいよ破格の才能を全開に。ジャズにソウル、ハウスにファンクへと、新しい音楽的可能性の扉を開き、自己との対話を重ねて、歓喜の在りかを探る。

『Prelude to Ecstasy』 The Last Dinner Party

『Prelude to Ecstasy』  The Last Dinner Party
配信中/Universal Music

2024年の英国音楽界最大のルーキーといえば、美意識の高さで注目を集めるこのガールズ・バンドだ。思い切りドレスアップし、壮大で絢爛なバロック・ポップを鳴らす彼女たちは、個性も演奏力も文句なし。

『GRIP』 SERPENTWITHFEET

『GRIP』 SERPENTWITHFEET
¥2,750/Big Nothing

"ブラック・ゲイ・クラブ"をテーマにした新作を発表する、米国のシンガーソングライター。一夜のハイとロウを描く、深いブルーに包まれた曲群で、自身に居場所を与えたコミュニティにオマージュを捧げる。

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